データ視覚化のコツ① 『事実を示す』
データが重要な世界にいる私たちは皆、
「効果的なグラフ」を作成したいと考えています。
しかし、データビジュアライゼーション(視覚化)の”デザイン”について、
学校で教えられたり、OJTでカバーされたりすることは、、、めったにありませんよね。
そのため、私たちはしばしば、
グラフを複雑にしすぎたり、ドレスアップしすぎてしまい、見る人を混乱させてしまっています。
ここでは、データを効果的に伝える方法について、
可能な限り”やわらかく”説明してまいります。
PRESENT THE FACTS
『事実を示す』
グラフは、あなたが言ったことを信じさせるパワーがあります。つまり、グラフがあれば、あなたが言ったことは信じられるのです。
この「グラフの説得力」を考慮すると、
グラフを正しく使用し、
視聴者の利益を第一に考えてデザインすることが重要になります。
誤ったメッセージを伝えたり、真実を歪めたり、難しく見せたりすることはいとも簡単なのですから。
1.ゼロから始める
棒グラフは比較するのに最適です。
注意するのは、バーはゼロから開始するということです。
棒グラフから意味のある結論を導き出すためには、棒がすべて表示されているのが理想です。
そのためには、縦軸をゼロからスタートさせる必要があります。
棒グラフが一般的に読みやすいのは、棒の相対的な高さを比較するというシンプルなことを「要求」しているからです。
ところが、データの違いを「誇張」するために、
棒の先端だけを表示するというような" 切り捨て "をしてしまうと、人々は誤解して間違ったメッセージを受け取ってしまったり、あるいは補足された数字を読まなければならなくなり、
棒グラフ本来の効果が損なわれてしまうのです。
2.歪めない
折れ線グラフは、トレンド(傾向)を示します。
グラフの高さを伸ばすと過大評価された偽のドラマが生まれ、幅を伸ばすと過小評価された偽のドラマが生まれやすくなります。
写真を引き伸ばしたり、縮めたりするのと同じように、グラフは、寸法(アスペクト比)によって、表示されるイメージが変わってしまいます。
通常、写真のアスペクト比が間違っていたら気づきますが、グラフのアスペクト比が歪んでいても、気づかないことが多々あります。
その結果、メッセージが大げさになったり控えめになったりして、視聴者に誤解を与えてしまうのです。
データビジュアライゼーションの専門家であるAndy Kirk氏によると、
「グラフの高さや幅をどのようにするかという点で、唯一無二のルールがあるわけではありませんが、便利な考え方として『45°で調整する』というものがあります。この角度をわざわざ測定するのは非現実的ですが、目で見て判断するだけでも良い」と述べています。
3.パイを捨てる
円グラフ(パイチャート)は親しみやすいように見えますが、実際には読みにくいのです。
ほとんどの場合、よりよい代替案を見つけることができます。
円グラフの解釈は実はとても難しいのです。
にもかかわらず、円グラフは、広く使用され、悪用されています。
円グラフを避けた方がいい理由は単純で、
人間の脳は「角度」の比較が正確にできないからなんです。
切り分けられたピザを例えにしてみましょう。
スライスされたピザの大きさが同じような場合、どちらが大きいかを判断することは(不可能でないとしても)困難です。
また、大きさが大きく異なる場合でも、
片方がもう片方より大きいと判断することは可能ですが、どれくらい大きいか(割合)を正確に判断することは、
やはり難しいのです。
4.最後の手段
面積や体積を比較するのは、長さを比較するよりも難しいものです。
誤解を招かないためにも、これらを使うのは最後の手段としましょう。
例えば「2つの円を比較する」など、一度に面積を比較することを求められた場合、私たちが正確に判断できることはほとんどありません。
私たちは通常、大きな円の大きさを過小評価し、小さな円の大きさを過大評価してしまいます。
これは、私たちが本能的に、面積ではなく、
長さや幅から判断してしまうために起こります。
円の面積グラフ(バブルチャートなど)を作成したり、読み解く際には、
円の高さを2倍にすると、面積は2倍ではなく4倍になるという単純なルールを覚えておくと便利です。
おまけ
なんと、
円グラフが作成できない
データダッシュボード作成アプリ(SaaS)があるんです。(世界唯一!)
「自由度を低くすることによって、誰でも見やすい(解釈しやすい)ユニバーサルデザインなダッシュボードをカンタンに作成できるように!」
というステキな製品コンセプトを実現するため、円グラフを廃しています。
気になる方はこちらから。
https://geckoboard.dashboard.co.jp/
※当記事は、英ロンドンDatachoice Solutions Limited社とのライセンスに基づいて、転載・加筆しています。