メンクリ

あ~だるい
あ~しんどい
メンクリの日が近づけば近づくほど体調が悪くなる
具合の悪い人をよけい具合の悪くなるところへ連れてって
どうしようってんだか
でも行くしかない
だって行かないと死んじゃうから
薬なしでは3日ももたないほど精神を病み果てている
だけどそんな自分も受け入れてる
だから怖いけど電車に乗って
毎月あの病院へ行くんだ
精一杯のオシャレをしてばっちりメイクをしたら
人が振り返るほどの美人の完成
悲しいのはそれがすべて武装だからか
精神科に通う哀れな精神病患者だなんて
誰にも思わせないための
戦闘服を身に纏い手の震えを隠しながら
ホームで電車を待っていると
ねえねえお姉さんどこ行くのと男が軽々しく声をかけてきた
ああ!?
一発恫喝すると一目散に逃げて行った
私はこれから命を繋ぎに行くんだよ
てめえなんかにこれっぽっちもわかってたまるか
両手をぎゅっと握って涙を堪えながら
やってきた電車に乗り込む
いつになってもこの密室は苦手だ
動悸が激しくなる
男なんて怖いとも思わないが
私は確かに世界を恐れてる
私を破壊したこの世界を
最近お加減どう?
主治医は優しい
でも魔法使いじゃない
私を薬で延命させるのが彼の限界だ
いつも通りです
ちょっと薬の量を増やしてもらえませんか
不安感が強くて
言うとおりにしてくれた主治医の元を去って
最近出来るようになったことが1つある
帰りにカフェでお茶をすることだ
以前の私なら想像もつかなかったが
病気のことも知った上で仲良くしてくれるママさんがいるお店
しばらく来ないと心配しちゃうわよ
手首の包帯には一切触れず今日もがんばったわねと笑いかけてくれる
これがあるからメンクリに行けてるのかもな
甘いカフェラテを飲みながら
どっさり薬が入ったバッグを
猫にそうするようにそっと撫でた

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