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塗装業界の総合技術誌『塗装技術』(毎月1日発刊)

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『塗装技術』各号の内容を紹介します。定価1,690円(1月号のみ1,820円)、春夏別冊号2,470円、秋冬増刊号2,990円 年間定期購読25,870円(別冊号・増刊号を含む計…
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塗装現場からのメッセージ《第10回》「工場見学」その意義とメリット

塗装現場からのメッセージ《第10回》「工場見学」その意義とメリット

普段の業務の中で、新規の客先等から「工場を見学させてほしい」と言われることが多々ある。数年前までは、客先の業種や規模・取引内容に応じて、場内の見せる範囲や内容を精査して制限したり、見学そのものをお断りしていた。しかし現在は、要望があれば基本的には全ての部分を公開する形で案内している。
今回は、当社(㈱技研)の工場見学に関する考え方の変化と現状を簡単にまとめた。

工場見学は歓迎!取引中のお客様はも

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塗装現場からのメッセージ《第9回》塗装不良発生時の対策

塗装現場からのメッセージ《第9回》塗装不良発生時の対策

当社(㈱技研)は、さまざまな素材や塗料を使用した塗装加工を行っているため、塗装後の規定検査を実施している。
規定検査と言っても、基準や方法はさまざまである。製品の品質基準・規格が異なると不良率や不具合の内容も異なり、使用する塗料によって工程も変わってくる。
そこで今回は、当社において実際に発生したことがある塗装不良の種類と発生した際の対策について簡潔に紹介する。

外観検査で塗装不良の種類を見極め

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現場塗装で用いる『ぬれ (ウェット) 塗膜』用の膜厚計の種類は?~現場塗装 ぬれ塗膜 ウェット塗膜 くし形膜厚計 ロータリ形膜厚計

現場塗装で用いる『ぬれ (ウェット) 塗膜』用の膜厚計の種類は?~現場塗装 ぬれ塗膜 ウェット塗膜 くし形膜厚計 ロータリ形膜厚計

塗装の森/塗装技術に関するQ&A塗装業界の総合技術誌『塗装技術』および『塗装技術.com』に寄せられた塗装技術に関する質問に、各分野のエキスパートがお答えします。

《Q》現場塗装の監督者の方より《A》コーテック㈱ 品質サポート部一般に現場塗装に用いられているぬれ塗膜(Wet/ウェット塗膜)の膜厚計には、2種類あります。

1. くし形ゲージ (くし形膜厚計)

JIS K5600-1-7:201

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一般的に塗装工場や現場塗装で用いられる膜厚計について~磁気プルオフ 電磁誘導・磁気誘導 渦電流 超音波膜厚計

一般的に塗装工場や現場塗装で用いられる膜厚計について~磁気プルオフ 電磁誘導・磁気誘導 渦電流 超音波膜厚計

【塗装の森~塗装技術に関するQ&A】塗装業界の総合技術誌『塗装技術』および『塗装技術.com』に寄せられた塗装技術に関する質問に、各分野のエキスパートがお答えします。

《Q》塗装工場勤務の方より《A》コーテック㈱ 品質サポート部膜厚計は、
① 破壊式
② 非破壊式
に大別され、さらに
① 乾燥硬化前に測定するもの
② 乾燥・硬化後に測定するもの
に別けられます。
ここでは、乾燥後に塗装工場や現場

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塗装技術 COATING TECHNOROGY 2024年11月号

塗装技術 COATING TECHNOROGY 2024年11月号

2024年11月1日発売

【特集】塗膜性能の分析・評価技術~触覚、接触角、測色、膜厚、腐食、耐候~摩擦測定機を利用した触覚評価の現状/㈱トリニティーラボ 野村修平

塗装・コーティングの性能評価への道筋/㈱ニック 千坂稔弘

新製品分光測色計CM-17dとトレーサビリティ体系の維持管理/            コニカミノルタジャパン㈱ 瀬戸口知己

塗装業界の次世代測定器“非接触式膜厚計 コート

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塗装現場からのメッセージ《第8回》マスキング塗装:デザインや機能性確保のために

塗装現場からのメッセージ《第8回》マスキング塗装:デザインや機能性確保のために

当社で行う塗装仕様において、問い合わせの多いものの1つに、塗装の塗り分け、いわゆるマスキング塗装がある。
マスキング塗装の目的はデザイン性や機能性など、それぞれに意味や理由が存在する。ここでは自社でマスキング塗装を行う際に注意しているポイントやコツを簡単に紹介していきたい。

マスキング塗装の目的まずいちばんに確認することであり、最も重要な点である。お客様に対し、マスキングが必要な理由や、求められ

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塗装現場からのメッセージ《第7回》お客様のための再塗装:生産効率と再塗装について

塗装現場からのメッセージ《第7回》お客様のための再塗装:生産効率と再塗装について

当社はメーン業務として塗装加工を受託している。作業には細心の注意を払っているが、品質基準により塗装後の検査工程や加工中に塗装の不合格品が一定の割合で発生する。不合格の内訳は主に外観不良である。
受託加工の場合、塗装素材は基本的にお客様からの預かり品であるため、簡単に「塗装がダメだから塗装された製品も廃棄する」というわけにはいかない。再塗装が可能なものは再塗装することで良品に仕上げて、顧客へ納品して

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塗装現場からのメッセージ《第6回》塗装における乾燥工程の役割と目的

塗装現場からのメッセージ《第6回》塗装における乾燥工程の役割と目的

塗装業務においては、顧客とのやり取りの中で、「製品の耐熱温度が低く塗装の標準工程の温度に耐えられない素材のために、塗装時の乾燥工程を常温で対応できないか」との相談が稀にある。
その際、「塗装後に製品を放置する場所と時間、さらに塗料の選定を当社で行うことができれば、要求される塗膜性能によっては対応が可能である」と回答している。
対応方法に関しては、非塗装物の材質や使用する塗料により対応の可否や条件が

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塗装現場からのメッセージ《第5回》導電塗装の提案

塗装現場からのメッセージ《第5回》導電塗装の提案

導電塗装とは、原料に導電性のある塗料を使用し塗装された製品のことである。主にプラスチックなどの電気を通さない素材に塗装を施すことで、塗膜に導電性を持たせることが可能になる。
導電性の顔料としては銀・ニッケル・銅などの金属系、カーボンなどの炭素系、酸化スズなどの金属酸化物系があり、医療機器部品や家電部品など、導電性能や用途により、さまざまな電子機器部品で採用されている。

導電塗装の特徴導電性

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塗装現場からのメッセージ《第4回》適正膜厚と不具合

塗装現場からのメッセージ《第4回》適正膜厚と不具合

㈱技研では、金属部品への焼き付け塗装や、プラスチック部品への装飾の塗装、シリコーン加工やフッ素加工、その他機能性の塗装など、さまざまな塗装を取り扱っている。それらの管理における項目の1 つが、膜厚である。
見た目重視の外観目的塗装はともかく、機能性を目的とした塗装において膜厚は塗膜性能を確保するうえで、重要な要素であり、塗装された製品の価値に大きく関わってくる。

標準膜厚とは一般的な焼き付け塗装

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塗装現場からのメッセージ《第2回》耐熱塗料の魅力と塗装加工方法

塗装現場からのメッセージ《第2回》耐熱塗料の魅力と塗装加工方法

耐熱塗装の特徴と一般的な塗装との違い耐熱塗装はその名の通り、高温に耐えることができる塗装のことである。
一般的なメラミン塗装や、アクリルの焼き付け塗装の耐熱温度は200℃ 以下の場合が多い。塗膜の耐熱温度以上の環境で使用された場合、変色や、塗膜剥離などの塗膜異常が発生してしまう。

一方で耐熱塗装は、そのような環境で使用された場合でも、塗膜異常を起こすことなく、美観や性能を保つことができる機能を持

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塗装現場からのメッセージ《第1回》メタリック塗装など、塗料選定時の心得について

塗装現場からのメッセージ《第1回》メタリック塗装など、塗料選定時の心得について

ご依頼をいただく塗装色の中で、比較的多い色が「シルバー塗装」あるいはメタリックで調色を使ったいわゆる「メタリック塗装」である。ゴールドやシルバーなどのメタリック調の塗装を総称して「メタリック塗装」と呼ぶが、実際に身の回りにはメタリック塗装された製品が数多くある。

当社(㈱技研)で塗装の依頼を受けて調色する場合は、

塗料や色見本をお預かりして塗料を指定いただく

デザインの段階から色や塗料選定の

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塗装技術 COATING TECHNOROGY 2024年9月号

塗装技術 COATING TECHNOROGY 2024年9月号

2024年9月1日発売

【特集】高付加価値を付与する機能性材料・塗装・支援技術1液常乾形高耐候上塗り塗料「ニッペ1液パワーウレトップⓇ」の特徴と適用事例/日本ペイント・インダストリアルコーティングス㈱ 猪瀬弘光

窯業系サイディングボード塗り替えのための水性高機能性改修用塗料/スズカファイン㈱ 佐藤博昭

環境・社会に貢献する江戸川合成の機能性塗料/編集部〈取材協力:江戸川合成㈱〉

快適さと品

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塗装技術 COATING TECHNOROGY 2024年8月号

塗装技術 COATING TECHNOROGY 2024年8月号

2024年8月1日発売

【特集】鉄道・船舶・航空機の塗料・塗装技術の動向を探る新幹線車両への塗料・塗装の現状と今後の展望/編集部〈取材協力:日本車輌製造㈱〉

鉄道車両の塗装仕様と今後の動向/日本ペイント・インダストリアルコーティングス㈱ 髙橋洋平 大西克明

新造船および補修メンテナンス船への塗装の現状と今後の展開/編集部〈取材協力:三菱造船㈱〉

GHG削減対策として船舶用塗料ができること-

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