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あなたのストーリーを作詞します!第四弾:あなたを描かせて

秋が終わった
土曜日の午後

たくさんの親子連れ
しあわせそうな恋人たち
ごった返して
人に酔ってしまいそう

やっぱり来るんじゃなかった
家族とコタツで
のんびりしてれば良かった

一人で公園に来たことを
後悔していたら、声をかけられた

「良かったら、あなたの絵を描かせて」

「高いんでしょ?
ふらっとしに来ただけだから
小銭しか持ちあわせてない」

絵描きは、微笑みながら

「ただで良いよ。今日はヒマだから。
時間はあるでしょ?
そこのベンチに座って
30分で仕上げるから」

使い古された色鉛筆
真っ白なスケッチブック

笑みを浮かべながら
話を止めない絵描き

「クリスマスの予定はあるの?
人も街も華やいで良い季節ね」

「あなたは、プレゼントを買うときに
どうやって決めている?

やっぱり、今どきは
高いお金を出して買うもの?

お金さえ出せば
ハズレはないもんね

金額じゃないと思うんだよ

相手を想って贈る
「送る」じゃなく
「贈る」なんだよ

100円でも
それこそ、一通の手紙でも

「相手を想う心」があれば
それが伝わって
もらった相手は泣いてしまうほど
嬉しいものだよ

あなたは人を大切にしている?
相手の好みや感覚、習慣を見てる?

恋人はいなさそうね…
もし、恋人ができたら
高価なプレゼントを
欲しがるような人はやめなさい

あなたが心を込めて作ったものを
美味しいと
心底、喜んでくれるような
そんな人を見つけなさいね

あなたなら、出来る!
きっと家族を大事にしてそうだから
一緒に出かけたりしてそうだわ

ここで長い時間
人を見ていると分かるもの

手を繋いでいる恋人でも
浮かない顔してデートしてる人もいる

公園って
人生の縮図みたいな場所

お腹をかばって
ゆっくり歩く妊婦

小さな子がケガしないように
滑り台をさせる大人

缶ビールで息抜きしてる会社員

年末が迫った
クリスマス前は特にね

「聴く耳」を育てなさい
「聞く」じゃなく
「聴く」:積極的に耳を傾ける

「仕事」に追われてばかりいると
余裕がなくなってしまう

ほんの少しの「心」次第で
結果は変わってくるのが人生

あなたは素敵な大人になれそうね
だって今日、私と出会えたから(笑)

公園に来るんじゃなかった
そんな顔をしていた
あなたはラッキー

小賢しい話をしたけど
あなたは、この30分
私の一方的な語りから逃げないで
しっかりと耳を傾けてくれた
ふらっと来て良かったね」

そう言うと
スケッチブックの紙を破って
鮮やかな絵をくれた

「あなたの人生が彩り豊かになりますように」
絵の中にメッセージ

「ありがとう…
家族や、未来の恋人に

これから出会う
きっと多くの全ての人に
まず、聴く耳を持って
心を寄せてみます」

「もし、クリスマスに恋人ができたら
連れていらっしゃい
私は、土曜にいるから
また、言葉遊びをしましょう」

たった一枚の絵
たいして有名でもなさそう

短くなった色鉛筆を見て
きっと、絵描きは
物も、人も大切にしている…

吹く風は冷たくて
人で溢れた公園に嫌気がさしたけど
心が温まった

こんな日があっても良いな
そんな土曜日の午後

*アメブロでモニター募集している『あなたのストーリーを作詞します!』の第四弾です。

こちらは、はじめましてから始まった出会いでした。依頼主のお気持ちもあり、完全匿名で、使って欲しくない言葉もあり、文字通りの完全オーダーメイド。

本当にお優しい人で、
「水色のフィルターを通して、出来上がりを見てみたい」と言ってくれて。

この時は依頼が数件あったため、出来上がりまでに2〜3ヶ月もお待たせさてしまいました。ただ、じっと待ってくださり、本当に感謝しています。

タイトル通り、あなたを描かせてもらいました。依頼主さんには、本当に長く待っていただいたのに、気にいって下さり、ただただ感謝です。

はじめましてから出会えた人でしたが、大切なブロ友の一人だと私は思っています。

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シンママ水色🩷文章愛好家
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