好きな映画を語りたい 第六回 ラマになった王様
こんにちは、こんばんは、初めまして。ダンカと申します。
普段はもすら屋という個人サークルでクトゥルフ神話TRPGのシナリオを書いています。
シナリオ置き場はこちら↓
始める前にちょっとだけ宣伝!7/21に新作CoCシナリオ2本出ます。
毛色がかなり違いますがどちらも楽しいと思います。よろしくお願いいたします!!
さて本題に入って、好きな映画を語りたい 第六回は2000年公開『ラマになった王様』です。
今回は初めてアニメ映画を取り扱いますが、私は実はディズニー映画大好きでほとんどの作品を見ています。去年公開された『ウィッシュ』もめちゃくちゃ泣きました……今までの作品のオマージュが沢山散りばめられていて、ディズニー創立100周年らしい作品だったと思います。
と言った感じで語りたいディズニー映画はめちゃくちゃあるのですが、今回は「こんなに面白くて好きな人も多そうなのになんでマイナーなの?」と常々思っている『ラマになった王様』について語らせていただきたいと思います。
私はこの映画を子供の頃劇場に見に行ってめちゃくちゃ大好きになり何度も見返したり人に勧めたりしているのですがなかなか知名度が上がらなくて……。もしよかったら「子供向けでしょ……?」と思わず見て欲しいです。
なぜかと言うと、(ここで敢えて私はとても大きな主語で誇張した表現で言わせていただきます)
ワガママで傲慢な若い王様とお人好しで妻子持ちの田舎男の凸凹バディが旅を通して友情を育むロードムービーが嫌いなオタクいないだろ!!
と、いうことなんです。ええ。
もしこの一文で「ほう……」となった方、一旦noteを閉じて先に映画本編を見てきてください。note見ないでいいです。映画見て!!
(noteの記事でこれ言うの斬新すぎますがどうしても見て欲しくて……)
というわけで、次のセクションから詳しく語らせていただきます。
ネタバレを含む部分は注意喚起を途中で入れるので、まだ映画を見ていない人もよかったら途中まで読んでいただき、そして気になったらぜひ映画を見てください!
概要(ネタバレなし)
『ラマになった王様』(原題: The Emperor's New Groove)は2000年に公開されたアメリカのアニメーション映画です。
監督はマーク・ディンダル、音楽はジョン・デブニー、主演は原語版:デヴィッド・スペード/日本語吹替:藤原竜也、助演は原語版:ジョン・グッドマン/日本語吹替:楠見尚己です。
監督のマーク・ディンダルは『リトル・マーメイド(1989)』の特殊効果や『チキン・リトル』の監督をやっている方ですね。『チキン・リトル』も好きだったな~!
音楽のジョン・デブニーは『スパイキッズ』や『アイアンマン2』などの楽曲を手掛け、『チキン・リトル』ではまたマーク・ディンダル監督とタッグを組んでいるようですね。『ラマになった王様』はディズニー映画の中でも珍しくミュージカル映画ではないのですが(ミュージカル調の部分はありますが主題ではない)、劇伴がノリノリで楽しくて大好きです。
主演・助演の方々ですが、今回はアニメ映画のため声の演技を担当された方になります。私は原語版、日本語吹き替え版どちらも見ていますが、かなり声優さんの声質とか演技が近くてすごいな~!と思いました。特に主演二人は原語版・吹替版ともに本業声優さんではないお二人なのに、キャラクターに合っていてご本人の魅力もあってさすがディズニー。キャスティングが上手い。
原語版主演のデヴィッド・スペードは『サタデー・ナイト・ライブ』のレギュラーキャストを務めていたコメディアンの方です。演技がとても上手で他にもコメディ映画に多数出演しているようです。個人的にかなり好きなお声だったので他の作品も追ってみたいな……
そして吹替版主演はみんな大好き藤原竜也です!実は大人になって見返したときに気付いて、「え!?クスコって藤原竜也だったの!?」と驚きました。声質がほんとにデヴィッド・スペードに近くて、ワガママだけどどこか憎めない可愛さが溢れていてとても良かったです。
原語版助演のジョン・グッドマンは他にもディズニー映画で声の出演をされており、有名なところで言うと『モンスターズ・インク』のサリーの声を担当しています。凄く優しい声の持ち主なんだなあ……
吹替版助演は楠見尚己。ジョン・グッドマンの吹替をほぼ専属で担当されているそうです。多くの映画・ドラマで吹替声優をされている方ですね。
原語版も吹替版もそれぞれ良さがあるので、どちらかしか見ていない人はぜひ見返すとき別の言語で見ていただきたいです。
本編(ネタバレあり)
ここからネタバレを含みますので、まったく知らない状態で映画を視聴したい人は気を付けてください!
それでは行きましょう~!
前半:ワガママな王様クスコ、ラマに変身!?
『ラマになった王様』を語る上で外せないのが、ディズニーにしては珍しくかなりメタな発言が多く入るところなんですよね。冒頭のシーンで主人公が自分を紹介するナレーションが入るのは衝撃的でした。でもそこが癖になるし、物語にいい味を与えています。
とにかく、クスコはワガママで傲慢で、しかも意地悪。グルーブを邪魔されただけでお年寄りを窓から放り投げる横暴っぷりです。ちなみにこのOPのグルーブを歌っているのがテーマソング・ガイと呼ばれるキャラクターなのですが、日本語吹替だと西城秀樹が担当していて声がめっちゃくちゃいいんですよね。クスコのテーマ、大好きな曲です。
さて、クスコはクビにした相談役のイズマに暗殺を企てられるのですが、もうずっと楽しい。ここまでかと思うほどにギャグが詰め込まれていて最高です。悪役がドジでかわいい作品は最高。あの研究室のジェットコースター、ディズニーランドに作って欲しいな……無理ですか?無理ですね。
イズマの作戦が全部裏目に出てうまく行かないのも、クロンクのおバカなところと能力があるところのバランスも良い塩梅でとてもいい。こんなに面白いのにみんな見てくれない……なんで……
ラマになったクスコは最初は慌てたり泣いたりしていたものの、こんな状況になっても独りよがりでワガママで、パチャの取引に応じず一人で森へ。案の定ピンチになりパチャに助けて貰いますが、それでもなかなか素直になれず二人は喧嘩ばかり。でもこの時点ですでに息ぴったりのやりとりをしていて可愛いんですよね。滝から落ちるところで二人が冷静にクイズしているシーンが大好きです。
ここから徐々にクスコの心境にも変化が出始めるのですが、やはりパチャのお人好しで優しくて、大きな器がなければ二人の旅は途中で終わってしまったと思います。こういう関係性の変化、大好きだ——
私が特に大好きなシーンはレストランに入るためにクスコが女装するシーンです。二人でにやっとアイコンタクトして同じ作戦を思いつく悪友感もとてもいいですし、席に着いて楽しそうにクスクス笑っている二人に、これまであった色々な経験からこんな風に仲良くなれたんだという、成長する凸凹バディの旨味がばちこり吸えます。ほんとになんで皆見てないんですか?バディ好きには最高ですよ?
それにイズマとクロンクも合流してタッチの差ですれ違うギャグがテンポ良くて大好きです!厨房のクロンクとのやりとりはいつ見ても笑えます。ディズニー映画の中でも一番冴えているギャグシーンではないでしょうか。大好きです。
後半:クスコ、またひとりぼっちに……
クスコはワガママで意地悪ですが、イズマのことを味方だと思って信じていたんですね。まだ17歳の王様で、両親もいない。そんなクスコの環境をちょっと思い出すシーンです。あえて付けられた重い設定とかではないと思うのですが、そう考えると寂しかったのかなとかお城のみんなに甘えているつもりだったのかなとか思ってしまいますね。
イズマにも裏切られ、今度こそ本当にひとりぼっち……そう思った時、ラマに語り掛けるパチャの優しい声が。二人は再会を果たし、本物の友情で結ばれます。凸凹バディのオタク、スタンディングオベーションです。
ここからの息が合ったコンビネーションはもちろん、パチャの家族の協力も見ごたえがあり、イズマ達やその部下との追いかけっこも派手で最高なんですよね!城までの地図が描かれるシーンの曲のワクワクさと言ったら!インディージョーンズ的な表現はパロディなんでしょうか?ロードムービー大好きです。
動物に変身しちゃう瓶もそれぞれ反応が楽しくて。小鳥になったクスコの「飛んでる~!!」からの「ちっちぇえ~……」大好きです。藤原竜也さん緩急が上手。あれってアドリブだったりするんですかね。原語版の方ではちょっと違った気がします。
後半最も熱いポイントはやっぱり背中合わせ!!旅の途中の崖でやったことを言葉を交わさずとも二人共思い出し、再演する。伏線回収最高!素晴らしいです。
そして人間に戻ったクスコ。お年寄りにもちゃんと謝り、パチャと模型の前で再度会話するシーン。ここの二人のセリフが本当に……本当にいいですよね!!
ごめんと言うよりも、皮肉を言うことでリゾート建設取りやめを伝えるクスコ。隣の丘の方なら鳥の声が聞こえるけど、と提案するパチャ。直接的なことを言わず、二人の中で心地よいコミュニケーションを取っている様子がめちゃくちゃ熱いし泣けます。凸凹バディってのはこうじゃなくちゃあな……!
最後テーマソングに合わせて楽しそうにパチャと家族と遊んでいるクスコがすごく楽しそうな顔をしていて……冒頭と同じ曲なのに、顔つきが全然違うんですよ……なんて良い終わりだ……
と、言うのをオチにせず最後までギャグを貫き通す姿勢、好きです!
最後に
今回は『ラマになった王様』について語らせていただきました。
ディズニー映画は全部好きですが、その中でも幼心に刺さった映画です。
音楽もノリノリで楽しく、ギャグは冴えわたっていて、子供向けかと思いきや大人も楽しめる関係性をお出ししてくるこの映画、もっともっといろんな人に見て貰いたいものです。
(そしてあわよくばアトラクションとか欲しい……お願いしますTDLさん)
ここまで読んでくださりありがとうございました!
次回の映画語りは1965年公開のミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』の予定です!
ちょっと7月はいろいろと忙しく、もしかしたら投稿が遅れてしまうかもしれませんがよろしくお願いします。
変更の可能性もありますがお楽しみに!では!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?