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好きな映画を語りたい 第十一回 レディ・プレイヤー1

こんにちは、こんばんは、初めまして。ダンカと申します。
普段はもすら屋という個人サークルでクトゥルフ神話TRPGのシナリオを書いています。
シナリオ置き場はこちら↓

好きな映画を語りたい 第十一回は2018年公開『レディ・プレイヤー1』です。

この映画、日本でも「俺はガンダムで行く!」というセリフで話題になりました。しかしこのセリフ、別にふざけているわけではありません。というのも、『レディ・プレイヤー1』はありとあらゆるアニメ・ゲーム・映画ファン垂涎の小ネタが散りばめられた、超オマージュ映画だからです!
元ネタを知っている人が見たら嬉しい、そうじゃない人でも楽しい、最高の映画です!後述しますが、この監督だからできるコラボレーションやネタもあるので、映画やポップカルチャーのファンであればあるほど楽しめる映画かと思います。

さて、少し話は逸れますが、最近TRPG界隈でオマージュシナリオについて度々議論が起こりました。私もよく映画やドラマのオマージュシナリオを書く身として他人事ではなく動向を見守っていましたが、やはりオマージュというのは「ファンが気付いたら嬉しくなる小ネタ」そして「それを見つけられて嬉しいもの」である必要があると思いました。
その過程でこれからオマージュ元に触れる人の体験を奪ってはいけないし、みんなの見えるところでオマージュ元を指摘されて困るものでもいけないと思います。これが自分の中でのオマージュのラインです。
といってもこれは個人の考えですし、界隈全体に規則を作ることもできないのでそれぞれでやるしかないと思っています。
特に現在はオマージュもの自体を避けたい人も見られるのと、私自身は元作品の布教の意味も込めてシナリオを書いているので、私のシナリオは少なくともオマージュ元がある場合すべての人が無料で見られる範囲に明記するように気を付けています。
そちらをご覧になってご判断ください。

話は映画に戻りまして、正直私も『レディ・プレイヤー1』の小ネタが全て拾えるわけではないため今回は私の好きな映画ネタについて主に語ろうと思います。いや、ほんとコマ送りにしないとわからないくらいにネタが多いんですよ。私も今回見直して追加で気付いたところがあったくらいです。
でも大丈夫。すべてのネタが分からなくていいし、気になったオマージュ元は後から見て「ああ!」となればいいんです!いろいろな楽しみ方ができるのもこの映画のいいところですね。

というわけで、『レディ・プレイヤー1』について語っていきましょう!
ネタバレを含む部分は注意喚起を途中で入れるので、まだ映画を見ていない人もよかったら途中まで読んでいただき、そして気になったらぜひ映画を見てください!

(余談)
B級サメ映画CoC界の『レディ・プレイヤー1』といえば「神話シャークVS継続探索者」と名乗ってもよろしいか?(よろしくないか……)


概要(ネタバレなし)

レディ・プレイヤー1』(原題: Ready Player One)は2018年に公開されたアメリカのSF映画です。
監督はスティーヴン・スピルバーグ、音楽はアラン・シルヴェストリ、主演はタイ・シェリダン、助演はオリヴィア・クックです。

監督のスティーヴン・スピルバーグはもう何回紹介するねんという感じなのですが私の一番好きな監督です。これまで紹介したのは製作総指揮を務めた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と監督を務めた『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』、シリーズで言えば『インディ・ジョーンズ』も含みますね。まだ十一回しか書いてないのに4回目の登場です。好きすぎ。
音楽のアラン・シルヴェストリの話もしましたね。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のあの有名なテーマ曲を手掛けた作曲家です。今回は本当に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の話をめちゃくちゃします。もしよかったら合わせてこちらの記事もご覧ください。

主演のタイ・シェリダンは『レディ・プレイヤー1』が代表作で、他にもX-MENシリーズでサイクロップスを演じています。まだ若くこれからが期待できる俳優です。
助演のオリヴィア・クックは映画よりもドラマ出演の方が多いイメージです。『レディ・プレイヤー1』ではヒロイン役を演じましたが、ヘルシーで可愛かったので今後もっと活躍して欲しいですね。

本編(ネタバレあり)

ここからネタバレを含みますので、まったく知らない状態で映画を視聴したい人は気を付けてください!
それでは行きましょう~!

前半:貧しい少年ウェイド、VRの世界で英雄に

コロンバスに暮らす貧しい少年ウェイドは、VR世界オアシスでパーシヴァルと名乗りキーを探していた。それは創始者ジェームズ・ハリデーが無くなる前にオアシスに仕込んだイースターエッグで、3つのキーを手に入れられたものはオアシスの所有権と時価5000億ドルを得られるという。
第一の関門であるレースで、ある日ウェイドはアルテミスという女性アバターに出会う。彼女の発言からハリデーのヒントを思いついたウェイドはレースを逆走、見事一つ目のキーを勝ち取って英雄となる。

まず、この世界は2045年を舞台にしており、世界は貧しく壊滅状態な中、人々はVRの世界に現実逃避しているところから始まります。
主人公ウェイドはスラム街に住んでおり、家庭環境も最悪。一発逆転を狙ってハリデーの残したイースターエッグを目指すエッグハンターです。しかしオアシスの所有権を狙って、IOIという企業も会社をあげて攻略に臨んでいます。

まずこの設定を見せる場面がすでにワクワクします!さすがスピルバーグ、SF心を分かっている。口で説明するのではなくウェイドが家から隠れ家に出ていく最中の人々の様子で魅せて、そのあと説明も入れてくれる。パーフェクトです。企業が社員を使ってハリデーの謎を研究したりゲームに取り組んでいるのも報酬的に納得の行く背景がありますし、ああいった画一的な画はやはりSF映画のヴィランとして相応しいですよね。これもスターウォーズのセルフオマージュなのかな?と思ってます。あの会社、悪者ではあるのですがちょっと働くの楽しそうでうらやましい。いやもちろん大変そうなんですけど。
主人公ウェイドは現実世界ではオタクくんといった格好をしていて社会的にも弱者ですが、VR世界オアシスに入ってしまえばトップクラスのエッグハンターなんですよね。ニッチな映画オタクでゲームにも詳しい。そしてなにより創始者ハリデーのオタクで、その知識はもちろん彼の心に近づけるという点でレースをリードします。

で、私がこの映画を好きな理由なんですけど……そりゃもちろん『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のオマージュをこれでもかと入れているからです!流石監督のスピルバーグが製作総指揮を務めただけあり、細かいのなんの。
まずは主人公のレースで使う車がデロリアン!もうこれだけで嬉しいですよね。サイバーパンクなニューヨークの街を駆け抜けるデロリアン、追いかけるTレックス、立ちはだかるキングコング――夢の共演どころじゃありません。しかもヒロイン・アルテミスの機体はAKIRAのカネダバイク!皆大好き!オタク心、分かってます。さすが海外にも人気がある作品。他にもいろいろネタが仕込まれているのですが目が足りない……!とにかくワクワクを詰め込んだ世界です。
で、デロリアンで「バックしながら」ゴール。これもオマージュなんじゃない!?と私は思っています。バックして未来へ、ってね。

そういえば余談ですが今年の夏はスタンミさんとトコロバさんにハマり、VRChatの世界を動画で見たのですが凄いですね!ほんとにオアシスが近づいているんだなあという感じがします。もっと発展していけばそのうちたどり着けそう。『レディ・プレイヤー1』ではランニングマシンみたいなのを使ってVRをやっていましたが、あれ健康的でいいですよね。
あ、お気に入りの動画貼っておきます。

さて話は逸れましたが……
パーシヴァルことウェイドはレースに勝利したことで一躍時の人に。写真撮ってくれ!と駆け寄るアバターがビートルジュースなのに皆さん気づいたでしょうか?こういった小ネタも嬉しい。『ビートルジュース・ビートルジュース』も見に行きましたがティム・バートンらしくて良かったですね。ボブが好きです。
で、知り合ったアルテミスと一緒に第2関門が何かを探すのですが、最終的にたどり着く『シャイニング』のワールドも嬉しいし、私はその前に行くダンス会場での逃走劇がめちゃくちゃ嬉しいんです。それはもちろん……【ゼメキス・キューブ】!
ルービックキューブを解くと60秒時間が巻き戻るというアイテムなのですが、これ、ゼメキスって何か分かります?私はこのキューブを使われた時気づきました。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のロバート・ゼメキス監督から来てますよねこれ!
この連想ゲームのような名づけに気づいたときの気持ちよさったら。ちなみにヒロインのアルテミスも結構コアな映画ファンなのでウェイドとのやり取りが気持ちいいですよね。初対面のときもデロリアンに乗っているパーシヴァルに対し、「マクフライ君」と呼んでいて「分かってる感」が嬉しかったです。いいやり取りだ~!
『シャイニング』の再現ワールドもね、いいですよね。ジャックにそっくりの人が本来飾ってある写真のところにハリデーとカレンの写真があって……という。『シャイニング』なんて皆見てるよね?というスピルバーグ監督の考え、映画オタクなら頷くでしょう。初見で怖がってるエイチ可愛い。

後半:最後の鍵を目指して進む一行にIOIの魔の手が伸びる

2つのキーを手に入れたパーシヴァル一行だったが、アルテミス率いる反乱軍のアジトがIOIに見つかり襲撃される。アルテミスことサマンサはウェイドを先に逃がし、自らがIOIに捕まることで時間稼ぎをする。
逃げ出したウェイドはサマンサによって連絡を受けたエイチ、ダイトウ、ショウに拾われ合流。しかしその頃IOIは第3の関門を特定し、社員総出で攻略を試みていた。

さて、やられっぱなしのIOIのCEO・ソレントがついに痺れを切らして出てきます。このソレントもかなりいい味のするヴィランで、ダメダメのワルなんですよね笑
パスワードは椅子に貼ってあるし、ポップカルチャーに疎いのを補助してもらっているのもウェイドにすぐバレるし、力も金もあるのに抜けてる、まさに攻略しやすくて同情の余地がない気持ちいいまでのヴィランです。こういうの大好き!後腐れがなくてとてもいいですよね。

ついに現実世界で集合したウェイド達チームも大好きで……ダイトウを日本人の俳優さんが演じているのですが、この子がかの有名な「俺はガンダムで行く!」を提案したそうです。日本語のセリフが欲しいスピルバーグ監督に原作のセリフを提供し、見せ場に持ってくる……素晴らしい手腕です。ちゃんとわかってやってる人がいるって嬉しいですよね。監督のこだわりも素敵!だからこそ人気の出た映画だと思います。
あとエイチの操るアイアン・ジャイアントが溶鉱炉で沈むシーン……あの親指。いや、やって欲しいこと絶対やってくれるじゃん!ってなりますよね。これって……と思うシーン全部ちゃんとネタを見せてくれる。ありがたい。

でね、やっぱりテンション上がるのは25セント硬貨にまつわるアレソレですけど……これは語らないでおきましょうか。ほんとスピルバーグ監督って伏線回収が上手くて最高にハッピーにしてくれるんだから!一生着いていきます。スピルバーグ監督に一億年の命を。

最後に

『レディ・プレイヤー1』はオマージュを見つける楽しさももちろんあるのですが全体的にストーリーが大好きで、スピルバーグ監督の話の作り方をお手本としている私としては目指すところの多い映画です。
常々思っているのですが、物語の途中で仲間を殺したり、主人公に重い罪を背負わせたり、そんなことをしなくてもいい作品っていうのは作れると思うんですよ。もちろん主人公の成長に必要なある程度の試練はあるとは思いますが、必要以上には要らないと思っていて。
私がシナリオを作る時は、「スピルバーグ監督は誰かを傷つけて感動させる名作を作ったか?」と自らに問うようにしています。自分が完璧に出来ているとは言えませんが、それでもこういった誰もが楽しく嬉しい気持ちになれるシナリオを書いていきたいです。だからこそ様々を学ぶ必要があるなあと、インプットを増やす日々です。

久しぶりに見直しましたがやっぱり面白かった~!映画オタクもそうじゃない人もぜひ『レディ・プレイヤー1』は見て欲しいものです。

ここまで読んでくださりありがとうございました!

次回の映画語りは2008年公開『スカイ・クロラ』の予定です!
変更の可能性もありますがお楽しみに!では!


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