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好きな映画を語りたい 第十三回 E.T.

こんにちは、こんばんは、初めまして。ダンカと申します。
普段はもすら屋という個人サークルでクトゥルフ神話TRPGのシナリオを書いています。
シナリオ置き場はこちら↓

好きな映画を語りたい 第十三回は1982年公開『E.T.』です。

映画語りに入る前に、まず最初にお知らせがあります。
2024年1月から毎月更新で始めたこちらの映画語りnoteですが、様々な事情により忙しくなったため2025年は奇数月の更新になります。更新頻度は落ちてしまいますが、その代わり日記とかももう少し書きたいなあと思っていますので引き続き興味があったら記事を読んでいただけると嬉しいです。
去年の夏に行った旅行記がまだ全然書き終わっていなかったり、最近ペットを飼い始めたのでその紹介をしたかったりでいろいろトピックはたまっているので……
またシナリオ作りの方も今年たくさんチャレンジがあるので、そちらにも力を入れていく予定です!ゲームマーケット2025春にも出るぞ!新作シナリオの書籍とグッズを持って行きます!

さて、本題です。
今回1982年公開の『E.T.』を選んだことで、(またこいつは80年代映画を……)(またスピルバーグかい……)と思われたかもしれません。でも違うんですよ、80年代映画やスピルバーグ監督が好きなのは違くないんですが、実は最近【スティーヴン・スピルバーグ IMAX 映画祭】で『E.T.』のリバイバル上映をやっていまして!
私は小さい頃から『E.T.』が大好きだったのですが大人になってからそういえば見ていないかもなと思い、実際足を運んできました。生まれる前の映画がでっかいスクリーンで見られるの嬉しすぎる……最高でした。ありがとうIMAXシアターさん。子供の頃のワクワクは損なわないまま、大人になってから分かる様々で涙が止まりませんでした。

ファンの方がたくさん集まってて嬉しかったです

というわけで、そんな『E.T.』を今回は語って行きたいと思います!
ネタバレを含む部分は注意喚起を途中で入れるので、まだ映画を見ていない人もよかったら途中まで読んでいただき、そして気になったらぜひ映画を見てください!


概要(ネタバレなし)

E.T.』(原題: E.T. The Extra-Terrestrial)は1982年に公開されたアメリカのSF映画です。
監督はスティーヴン・スピルバーグ、音楽はジョン・ウィリアムズ、主演はヘンリー・トーマス、助演はディー・ウォレスです。

監督のスティーヴン・スピルバーグはもう何度目の紹介になるか分かりませんが私の一番好きな監督です。映画語りシリーズを全部読んでいる方であれば見飽きているかと思いますが、これまで紹介したのは製作総指揮を務めた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と監督を務めた『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』、『レディ・プレイヤー1』、製作を含めると『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』もです。
音楽のジョン・ウィリアムズもスピルバーグ監督とセットでしょっちゅう紹介していますが、これまでの記事で言うと『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』になります。この二人の黄金コンビはやっぱり外せないですよね。

主演のヘンリー・トーマスは当時11歳のとき主人公エリオット役で出演した『E.T.』で英国アカデミー賞の最優秀新人賞にノミネートされ一躍有名になりました。しかししばらく子役から脱するのに苦労し、1995年公開『誘導尋問』でゴールデングローブ賞テレビ映画部門最優秀助演男優賞にノミネートされ、2002年公開『ギャング・オブ・ニューヨーク』でもディカプリオの仲間役という大役を得ました。
助演のディー・ウォレスは『E.T.』でお母さんのメアリー役を演じたのが代表作になっています。ドラマや映画で活躍し、他にも『ステップフォードの妻たち』や『テン』、『ハロウィン』に出演しています。

この映画は子供たちが主役というのもありますが、大人含めネームドの登場人物がとても少なくすっきりとした構成になっています。そこもスピルバーグ監督の好きなところです。

本編(ネタバレあり)

ここからネタバレを含みますので、まったく知らない状態で映画を視聴したい人は気を付けてください!
それでは行きましょう~!

前半:宇宙人がやって来た!

主人公エリオットの暮らす街にある日UFOが降り立った。人間達に追われて宇宙船に置いていかれてしまった一人の宇宙人は、エリオットの家の納屋に慌てて身を隠す。そこに偶然外に出てきたエリオットが近づき何か未知の生物がいることに気づいたが、お兄ちゃんもお母さんも信じてくれない。エリオットは一人でその正体に迫ろうと行動し、ついに宇宙人を自分の部屋のクローゼットに匿うことに成功する。
エリオットはE.T.と名付けられたその宇宙人をこっそりお兄ちゃんにだけ見せようとするが、妹が乱入してきて――

最初にUFOと宇宙人達のシーンから始まりますが、まずここの表現が凄い!1982年なのでまだCGがあまり発達していない時代、工夫を凝らして撮ったのがとてもよく分かります。宇宙人が逃げているシーンは心臓の赤い光が草むらの中を移動している様子を映したり、宇宙人目線でガサゴソと草を掻き分け走っていく様子を映したり(恐らくカメラを下の方に持って走ったんだと思います)、宇宙人の姿そのものをそこまで映さないようにしつつ撮影することでリアルさを高めているのがさすがのスピルバーグ。人形を動かすのも自然の中でそれを撮影するのも大変だし、頭の使い方が本当に上手です。ちなみに1984年の『グレムリン』ではかなりストップモーションにこだわってモグワイの可愛さを伝えようとしていた印象なので、撮る作品やその時の技術力に合わせて最適なものを選んでいるんだと思います。流石だ……
ちなみに余談ですが2021年からは未確認飛行物体(UFO)に代わり未確認空中現象(Unidentified Aerial Phenomenon、UAP)と公的に呼ぶようになったそうです。アメリカの宇宙人に本気で大好きなところ、いいですよね。

さて、場所は代わりエリオットの家。お兄ちゃん達の遊びに混ぜて貰えないエリオットが外にピザを取りに行きます。このとき好き放題やって行儀の悪いお兄ちゃんとその友達達はムカつくんですが、後半化けるので本当に伏線が上手いなあと……大好きなんだよな、悪ガキのお兄ちゃんズ。
エリオットとE.T.の最初の出会いの場面も、E.T.が見えない状態でボールを投げ返すところだけが映ります。これも上手い……技術力のカバーももちろん、たぶんですがエリオットと初めて心を交わすシーンまで全身が映らないようにしているのは意図的だと思います。それまでは未知の怖いもので、それ以降はエリオットのお友達なんでしょうね。演出の全てに舌を巻いてしまいます。

そして私が好きなのがエリオットがお兄ちゃんにE.T.を見せるシーンです。これも後半に同じ状況のシーンが使われるのが最高なのですが、それは後で語るとして。お兄ちゃんに「僕がキングだ」と先日のお兄ちゃんがやっていたゲームを踏まえて誓いを立てさせます。しかし途中で妹が運悪く入ってきて、E.T.も妹もお兄ちゃんも交互に叫び出す始末。そうだよね、宇宙人からしても急に大声出す異種族は怖いよね。ここの収集つかなさが子供らしくて大好きだし妹役の子は上手いなと思います。

こうして子供たちの共通の秘密となったE.T.ですが、めちゃくちゃ問題を起こします笑
そこも可愛いのですが、大人になってから見ると家の片付けとか様々に思いを馳せて頭を抱えてしまいますね。冷蔵庫は荒らすしお酒飲んで酔っ払うし……しかもそれがエリオットとシンクロしているから学校でエリオットも大あばれしちゃうし。このカエルがめちゃくちゃ飛んで逃げてるところで同級生を踏み台にして女の子と映画みたいなロマンチックなキスするシーン、笑えて大好きなんですよね。こんなところに力を入れるなよ笑と思いつつ、スピルバーグ監督のお茶目さが全力で嬉しいです。そのあとなんか女の子が満更でもないような仕草をしているのを映しつつエリオットが連行されるのも含めて。このシーンもそうですが、重要じゃない人物は徹底して顔が余り映らないようにしているの本当にいいと思います。(ネームド登場人物が多いと誰が誰か分からなくなりますし……駄作って大体そうなので……)
家の方でもお母さんが忙しすぎて堂々とその場にいるE.T.に気づかないのも好きです。

余談ですが、これまでもVRchatの宇宙人・トコロバさんの紹介をしてきましたが、E.T.を改めて見て(もしかしてトコロバさんたちワーミーソックを可愛いと思う気持ちってE.T.から来てる……?)と気づきました。子供の頃からの刷り込みもあったんですね……。面白いのでぜひスタンミさんとトコロバさんの動画見てください。

後半:E.T. オウチ デンワ

エリオットの家で暮らすうち、様々な地球のことを学習してきたE.T.がついに言葉を覚える。「E.T. オウチ デンワ」と……
どうやらE.T.は故郷に帰るため仲間に電話をして迎えに来てもらいたいのだと気づいたエリオット達は、協力して宇宙と通信するレーダーを作り、ハロウィンの仮装にかこつけて山に装置を設置する。
しかし迎えが来るよりも前にE.T.が衰弱してしまい、シンクロしているエリオットも危篤状態に陥る。そこに宇宙服を身につけた謎の大人たちがやって来て――

前半のお騒がせパートが終わると、E.T.は宇宙人らしい能力と知能の高さを披露します。物を浮かせたり、怪我を治したり……これも後々の伏線としてとても上手くて全部が大好きなシーンに繋がるんですよね。
地球の言葉もだんだんと理解し、覚えたのが「オウチ」「デンワ」「イタイ」など、単語ではありますが意思疎通ができるようになります。電子機器をバラしてレーダーを作ることもでき本当に賢い生命体なのですが、ハロウィンの日に抜け出す案を考えた子供たちも知恵が働いていて最高ですよね。
一番小さい妹にシーツおばけの格好をさせて先に行かせ、E.T.にも同じ格好をさせて妹の振りをして連れ出すという……ここのフラッシュで倒れちゃったりバレるスレスレでバレないギャグの塩梅が大好きです。あとスピルバーグ監督だからってヨーダの格好をした子供?が歩いていて「オウチ!オウチ!」とE.T.が近づいて行っちゃうとか……笑

そしてエリオットが自転車のカゴにE.T.を乗せて山に行くシーンですね!やっぱりここの曲の入り方と盛り上がり方最高~!もう曲を聴くだけでテンション上がりますし、物を浮かせる能力の伏線回収、宇宙人交流物のSFとしての醍醐味(というより、基盤?)が味わえて、カメラワークで視聴者も空を飛んでいる気分になり楽しくなります。

余談ですが私はE.T.のアトラクションに小さい時乗って楽しかった記憶があるのですが、2009年にクローズしてしまったのですね。もう一回乗りたかったな……と、思ったけれど私は2009年より前にUSJに行った覚えがないので、幼稚園のとき行ったフロリダのパークの方な気がします。そもそも日本の乗ったことなかった。小さい頃の記憶って曖昧ですよね。

レーダーは無事動いて宇宙に通信をするも、道に迷って川に落ちてしまったE.T.が衰弱してしまう……
ここで前半にエリオットがお兄ちゃんにやった「誓い」と秘密の共有が今度はお兄ちゃんからお母さんにされるのがめちゃくちゃ胸熱なんですよね!!お兄ちゃんは最初はエリオットに強く当たる悪ガキなのですが、エリオットが倒れてしまった今全力で助けようとするのが弟思いのお兄ちゃんで本当に大好き……
そしてお母さんがE.T.と対面したところで宇宙服の謎の人物達が家を襲う!このシーンはホラー演出がすごく、スピルバーグ監督の多彩な引き出しが伺えます。宇宙服って思ったより怖い。もうだめだ……E.T.は連れていかれちゃうんだ……と思ったのも束の間、彼らはE.T.とエリオットの治療に入ります。
この映画もそうなのですが、スピルバーグ監督の映画って悪い奴が(明確なヴィランを除いて)いないんですよ……!それでこんなに楽しい思いをさせてくれるから本当に凄い。シナリオライターとして見習いたいなと常々思っております。

でも残念ながら息を引き取ったE.T.。エリオットもお兄ちゃんも妹も泣いてしまいます……が、再び心臓が赤く輝き始めて息を吹き返す!迎えが来たことにより回復したE.T.をなんとか「オウチ」に届けるために子供たちの奮闘が始まります!
ここから全部が最高最高最高~~!
嘘泣きで頑張るエリオット、脱出のために車を強奪し撹乱用の友達を集めるお兄ちゃん、お母さんに花を見せて回復を教える妹、車で子供たちを追いかけるお母さん……嬉しい伏線回収がいっぱいすぎて語りきれません!
ここのお兄ちゃんと友達たちのさ~冒頭でエリオットをいじめてたくせに全力協力なのほんと、気のいいやつらでいい。サングラスや帽子をそれぞれ被るシーン、めちゃくちゃテンション上がります。お兄ちゃんがお母さんの車を勝手に乗って遊んでいた伏線もここで回収。爆走するバンと、阻止しようと迫る大人たちを振り落とすためピンを抜いていくエリオット。私がシナリオでカーチェイスを入れがちなの、絶対スピルバーグ監督の影響です。
で、子供たちが自転車で逃げまくり空を飛ぶシーン!これこれこれ!これが見たいんよ!!グリーンバック撮影で一部ハンドルが消失したりしてますがそこはご愛嬌。視聴者も「アレが使えるぞ!」と気づいた上で約束通りやってくれる最高の盛り上げですよね~~!大好き。

ラストシーン、E.T.との別れ。ここで私は毎回耐えられなくなるのですが、大人になって改めて見たことで余計にニュアンスが分かって劇場で大号泣してしまいました。
別れたくないけど送り出そうとするエリオットに、E.T.は覚えていた言葉「イタイ」を心臓を指さして言います。そう、寂しくて心が痛いということを分かっているんですよね……
まだ小さい子供であるエリオットも、宇宙人であるE.T.も、「別れは寂しくて心臓がぎゅっと痛む」というのを理解しているんです。それを短い言葉とジェスチャーだけで通じ合い、惜しみつつ最後のお別れをするのが本当に……
書いている今も思い出し泣きしています。
ありがとう……

最後に

まためちゃくちゃ長くなってしまった……
久しぶりに見ましたが、やはりいつ見ても名作だし大好きな映画です。
名作すぎて意外と避けてしまっている人も居るのでは?と思うので、まだ見ていない人はぜひ見ていただき、最近見てない人は見返してみて欲しいですね。

ここまで読んでくださりありがとうございました!

次回の映画語りは少し趣向を変えて邦画から、2016年公開『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』の予定です!
変更の可能性もありますがお楽しみに!では!


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