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好きな映画を語りたい 第二回 セッション

こんにちは、こんばんは、初めまして。ダンカと申します。
普段はもすら屋という個人サークルでクトゥルフ神話TRPGのシナリオを書いています。
シナリオ置き場はこちら↓

今回は好きな映画を語りたい 第二回ということで、私の魂の映画である 2014年公開『セッション』を語らせていただこうと思います。
ちょっと前回形式張って書きすぎてしまったので今回はもう少しフランクに書くつもりです。まだnoteを始めたばかりなのでしばらく試行錯誤していると思いますがお付き合いください。
前回同様ネタバレを含む部分は注意喚起を途中で入れるので、まだ映画を見ていない人もよかったら途中まで読んでいただき、そして気になったらぜひ映画を見てください!


概要(ネタバレなし)

セッション』(原題: Whiplash)は2014年に公開されたアメリカの音楽ドラマ映画。
監督はデイミアン・チャゼル、音楽はジャスティン・ハーウィッツ、主演はマイルズ・テラー、助演はJ・K・シモンズです。
第87回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、J・K・シモンズの助演男優賞を含む3部門で受賞しています。

監督のデイミアン・チャゼルは『ラ・ラ・ランド』で一躍有名になりましたね。個人的には『バビロン』も良かったです。私の好きな映画監督の一人ですが、彼の狂気的な情熱が好きなのでやっぱり一番推しは『セッション』です。
音楽のジャスティン・ハーウィッツはデイミアン・チャゼル作品に欠かせないおなじみの作曲家です。彼無くしては映画が成り立たないほど大きな要素だと思っています。
ところで、2月某日に『ラ・ラ・ランド』のシネマコンサート(映画を上映しながら生オーケストラが劇伴を演奏してくれるコンサート)に行ってきたんですが、なんとジャスティン・ハーウィッツ本人が来日指揮で!それだけでもすごいのですが、会場で関連レコードを買うとジャスティン・ハーウィッツが宛名付きでサインしてくれるというとんでもない催しがされていたので、まんまとレコード童貞を捨ててしまいました。
これがそのレコードです。自慢させてください!
(迷わず『セッション』のレコードを購入し最高になりました。嬉しい!)

サイン貰うときにちょっとだけ喋れました!実質コミコンじゃん……

演奏は東京フィルだったのですがそれも最高で……皆さん、シネマコンサートいいですよ。私はまた4月にジュラシック・パークのシネコン行きます。

さて話を戻して。
主演のマイルズ・テラーは最近だと『トップガン マーヴェリック』のルースター役で一躍有名になったんじゃないでしょうか。私は『セッション』の若い彼しか知らなかったのでトップガンマーヴェリックを見た時は「でっかくなったねぇ!?」ってびっくりしてしまいました。物理的にでかくなってない?
助演のJ・K・シモンズは助演男優として本当に素晴らしい方だと思います。映画を見ると分かるのですが、メチャクチャ怖い。でもマイルズ・テラーとは今でも交流があり、トップガンマーヴェリックのときには彼にピアノを教えて貰ったんだとか。すごいな……。あと実は『ラ・ラ・ランド』でも主人公をクビにするレストランのオーナーをやっています。知っているとちょっとクスッとしますね。

そのときのエピソードを語っているのがこちら。大きくなって……

本編(ネタバレあり)

結局概要だけでもたくさん語ってしまった……。ようやく本編です。
ここからネタバレを含みますので、まったく知らない状態で映画を視聴したい人は気を付けてください!
ただ、今回の映画に限っては正直ひたすらフラストレーションを溜めまくって最後に爆発するエクスタシーを楽しむ映画だと思っているので、ネタバレで心の準備をしてから視聴するのもいいかも知れません。結構えいやって気合がいる映画なので、掛け湯にするのもいいかも。というか文章だけじゃ良さが伝わりません。見て。

前半:主人公ニーマン、鬼教授フレッチャーと出会う

アメリカ最高峰の音楽学校、シェイファー音楽院に通うニーマンはジャズドラマーを目指し、日々ドラムの練習に明け暮れていた。そんなある日、練習中のニーマンとフレッチャー教授が出会う。初っ端から試されるようなことを言われたり演奏途中で帰ってしまったりされるが、気に入られたのか何なのか、フレッチャー教授の指揮するスタジオ・バンドチームに引き抜かれる。喜んだのも束の間、フレッチャー教授の指導は罵倒、人格否定、暴力、なんでもアリの鬼指導だったのだ。

主人公も若さがあるからちょっと自分のドラムテクを驕っているところもあるのですが、それ以上にフレッチャー教授の指導が厳しすぎる。パワハラ上司も真っ青です。「ファッキンテンポ!」と手から血が出るまで物凄いスピードでドラムロールをさせ、急に物を投げ、すげえ意地悪する。本当に何故?
主人公に厳しすぎる愛を注いでいると言えばそうも見えるし、ただ単にムカつくのでストレスのはけ口にしているようにも見える。真意は分かりませんが、とにかくハチャメチャする。しかも主人公も主人公で、大会本番にトラブルが起きて大事なドラムスティックを忘れて取りに戻り、急ぎすぎて車で大事故を起こして血みどろで駆けつけ、演奏も失敗し客の前で恥をかかされるなどともういろいろ可哀想。

そんな感じで前半、というか映画の残り9分程度までずーっと鬼教授によるニーマン虐めが続くんですが、このフラストレーション、J・K・シモンズの飴と鞭の狂気の演技、やりすぎなバンド練習、その他もろもろを飛ばさず浴びないと最後の気持ちよさを味わえないんですよね。私はこの映画大好きなんですけど、真骨頂は最後の十分足らずだと思っています。サウナみたいなものかな。限界まで我慢しないとそのあとの水風呂が気持ちよくないみたいな。
いやでも、嫌なだけじゃないんです。前述のジャスティン・ハーウィッツの音楽が本当にいい。それと数々のジャズの名曲がフレッチャー教授の指導に追い立てられるようにこちらにも浴びせられて、頭が音楽でいっぱいになるんです。そこがいい!音楽の狂気に飲み込まれる感覚。つい見続けちゃう魅力があります。ここで脱落するのは勿体ない。もう少し我慢です。

後半:JVC音楽祭に出演、ラストへ——

フレッチャーを殴ったことによりニーマンは大学を退学させられる。ドラムもやめてしまったある日、バーのジャズライブでフレッチャーと再会する。実はフレッチャーも行き過ぎた指導で大学を辞めさせられており、今度出演するJVC音楽祭に出ないかとニーマンを誘うのだった。再度スティックを握り、音楽祭に向かうニーマン。しかしフレッチャーが告げた演目はニーマンの知らない新曲だった。

ここにきて、もはや自身の進退もかかっているであろう大事な音楽祭すら捨ててニーマンに復讐するフレッチャー。プロのバンドもいい迷惑だよ。
さすがのニーマンもついに心折れたか……と、思いきや、勝手に”キャラバン”を演奏し出す!ここからがこの映画の最高のシーンだ!
音楽に合わせたカメラの寄りと流しが本当に熱い!ここからはニーマンとフレッチャーの戦いだと言わんばかりに二人を交互に映す!映す!映す!
このカメラワークを見ているとデイミアン・チャゼルだなあと思います。
プロのバンドを巻き込んで二人の狂気が会場を飲み込む。だんだんと呼吸の合って来る二人。これを見るために90分我慢した!
あとはもうひたすら拳を握って圧倒されるしかないです。最高。
多くは語られず映画は終わりますが、私はこの瞬間ようやく二人の目指していたところに到達できたんじゃないかなと思っています。フレッチャーは本当に指導者として最悪だとは思うんですが、そうじゃないとたどり着けない境地がある。彼のやり方を肯定するわけではないですが、ニーマンとフレッチャーにとっては出会いからこれまでのすべてがあったからこそ到達したのだろうと思います。
そこにデイミアン・チャゼル監督の狂気と情熱を感じる。これは監督の他作品にも言えることですが、何かを作る・表現する人々の狂いが大好きなんだと思うし監督も渦中にいるんだと思います。そしてだからこそ、私もこの映画が大好きです。

最後に

今回は『セッション』について語らせていただきました。
『セッション』は自分も何かを表現したい側の人間として凄く熱くさせられる映画です。好きな物への情熱を忘れそうになったとき、必ず見返します。
しんどいシーンもあるけれど(というか大半がそうだけど)でも一回は見て欲しい名作ですね。
そして映画業界の狂気を見たい人はぜひ同監督の『バビロン』を。ちょっと汚かったり過激なシーンも多いですが、映画というものをこよなく愛する人には良かったら見て欲しいです。

次回の映画語りは2002年公開『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の予定です!
変更の可能性もありますがお楽しみに!では!

https://theriver.jp/whiplash-revival-release/

(おまけ)3月から『セッション』のリバイバル上映やるらしいですね~!
興味あったらぜひ!


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