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ごまだんご
2024年11月10日 11:33
職場と実家を行き来するだけの日々。唯一の肉親である母の介護が、生活の軸だった。帰宅した実家のリビングには、衣服と食べた終わったカップ麺、飲みきった空の2Lペットボトルなどが散らばっている。これは、私がやったもの。冷凍庫には、凍った肉の塊がいくつもある。カットされた玉ねぎやほうれん草もある。それは、元気なときの母が残したもの。冷たいフローリングをストッキング越しで感じながら、まるで
2024年5月28日 23:18
『私には2歳年上の姉がいた。姉は美人で、腕も足も長くて、肌が白くて、頭も良くて運動もできる。美しい母と父によく似ている。それに対して私は、鼻は大きく目は細く、歯並びも姿勢も悪い。骨格なんて大柄な祖父にそっくりだ。同じ親から産まれてきて同じ環境で育ってきたはずなのに、どうしてこうも違うのだろうと、ノートに毎日“殺して”と書いていた時期もあった(もう捨てられたけれど)。前、Twisterで変な都市
2024年4月23日 18:56
10年経った今でも、春になると、あの子のことを強く思い出す。 春は嫌いだ。 もちろん春が悪いわけではない、春と私の相性が悪すぎるだけだ。春はただ、そこにいるだけ。そこに私が勝手に存在して、たまたま運悪く嫌な出来事が起こっているだけ。 高校2年生の2月も終わりの頃、放課後の学校で、他クラスの私を見つけるなり彼女は言った。「わたし、転校することになったよ〜」 きれいな長い黒髪を束
2023年8月12日 14:12
体中が汗にまみれて気持ち悪さを感じながら目が覚める。 スマホで時間を確認すると8:31、職場についていなければいけない時刻で、一瞬にして冷や汗をかくが、そういえば今日は土曜日で、仕事が休みだった。トイレで用を足し、再び眠りにつく。 次に目覚めたのは昼の12時頃、寝過ぎで平日のときよりもだるく感じる体を嫌々起こす。 トイレに行く途中でふと台所に目をやると、昨日の自分から、家事のプレゼントだ