アダム・スミス『道徳感情論』第一部②
第二編 適合性と両立するさまざまな激情(passion)の程度についてこの序論はたった数行で短い論考だが、この書物を通して貴重なことが述べられている。
P62「我々が関係する対象によって呼び覚まされるあらゆる激情の適合性は、つまり、観衆が同調できるピッチ(高さ)はある種の中庸にあるはずだ、ということは明瞭である。仮に激情が高すぎたり低すぎたりすれば、観衆はそれを汲み取ることができない。たとえば、個人的な不運や不当な扱いに対する悲嘆や怒りは、いとも簡単に高くなりすぎるが、これは