バックカントリー、馬車スキーと水冷式カッパの話 第八話
なぜ私は第五話で述べたように、1年後にこの世を去る、などと考えるようになったのか。
それには私の体験した、とある出来事の話をしなければならない。
ヒッチハイクの旅から紆余曲折を経て、暖かい長崎の片隅から、はるか離れた雪深い飛騨の山奥へと移り住むことになった私は、せっかく雪が沢山あるのだからというテキトーな理由でたまたま始めた、テレマークスキーという奇妙な遊びにすっかりはまってしまった。
このテレマークスキーという代物は、ゲレンデを極力楽に滑るために進化した現代のスキーに