kazuya fukuda / ハンドパン奏者

ハンドパンという、悪魔的魅力を持つ楽器の虜になった家具職人、木工旋盤講師。 長崎県出身、岐阜県在住。 山とスキー、ギターなど楽器演奏と野田知佑の文章が好き。 ハンドパンという楽器に夢中になった経緯や、好きなハンドパン奏者の動画、その他の趣味など色々書いてみます。

kazuya fukuda / ハンドパン奏者

ハンドパンという、悪魔的魅力を持つ楽器の虜になった家具職人、木工旋盤講師。 長崎県出身、岐阜県在住。 山とスキー、ギターなど楽器演奏と野田知佑の文章が好き。 ハンドパンという楽器に夢中になった経緯や、好きなハンドパン奏者の動画、その他の趣味など色々書いてみます。

マガジン

  • あっとほーむ🏠

    • 17,858本

    「家でまったり落ち着いて、家族で団欒しながら会話を楽しむ」というイメージで「あっとほーむ」と名付けました! 「参加者(家族)がお互いに積極的に交流をする」ことを大切にしていますので、ぜひ家族の皆さんの記事へコメントしに行ってください! ※参加希望の方は、固定記事にコメントください!

  • 【明日香の共同運営マガジン】最強の笑いは世界を救う

    • 669本

    コンセプトは【ためになっておもしろい記事|ひたすら笑えておもしろい記事|いろんな≪おもしろい≫をみんなで共有しよう!】 笑いは免疫力をあげます。笑いは最強の癒しです。 あなたのその作品は、隣りのその方に笑顔をもたらすかも知れません。 みんなで『真面目でも不真面目でも面白いこと』を共有して世界を救いませんか?

最近の記事

  • 固定された記事

ハンドパンという悪魔的魅力の楽器に出会った話。第一話

2023年、春。 見るとは無しに携帯を眺めていた私は、ある奇妙な動画を見つけた。 小さな画面の中で、地下鉄のホームらしき所に座る、少しくたびれた服を着た痩せた髭面の男が、膝の上にちょこんと乗せた不思議な形をした物体を、両手の指先で素早く叩いている。 その物体はどうやら艶消しの金属で出来ている楽器らしく、姿形はどう見ても大昔のSF映画に出てくるアダムスキー型UFOにしか見えない。 その楽器の上半分には七、八個の凹みが円周状に並んでおり、その部分を指先で正確に叩くことで音

    • バックカントリー、コマに乗ったトトロと不思議な水音の話 第九話

      (第八話から続く) 若干の不安を孕みつつも雪山を登り続けた私達4人は、標高2000メートルを幾らか超えたあたりで、滑り降りるのに良さそうな斜面を見つけた。 その斜面はオリンピックなどで目にするハーフパイプを斜め40度に傾けたような、巨大なUの字型をしており、正月に降った大量の新雪に覆われていた。 登山用語ではルンゼ、もしくはクーロワールと呼ばれる溝状の地形だ。 かなりの標高を登り、低い気温に体力を奪われつつあった私達は、理想的な斜面を見つけた事に歓喜した。 今日の一

      • バックカントリー、馬車スキーと水冷式カッパの話  第八話

        なぜ私は第五話で述べたように、1年後にこの世を去る、などと考えるようになったのか。 それには私の体験した、とある出来事の話をしなければならない。 ヒッチハイクの旅から紆余曲折を経て、暖かい長崎の片隅から、はるか離れた雪深い飛騨の山奥へと移り住むことになった私は、せっかく雪が沢山あるのだからというテキトーな理由でたまたま始めた、テレマークスキーという奇妙な遊びにすっかりはまってしまった。 このテレマークスキーという代物は、ゲレンデを極力楽に滑るために進化した現代のスキーに

        • ヒッチハイクと長野の冬の話  第七話

          せっかく入った大学を辞め、アパートを引き払い、する事も無くなった私は、実家にも居づらく、本州中を野宿しながらヒッチハイクでふらふらしていた。 ヒッチハイクは、場所によっては中々乗せて貰えないこともあり、辛い思いもする。 最初の頃は、道路脇に立ち、親指を立てるサインをするのが恥ずかしくて出来なかった。 初めて車が止まってくれた時は信じられず、本当に乗っていいのかと聞き返したほどだ。 何台か車を乗り継ぎ、慣れてくると、車を拾いやすい場所が段々分かってくる。 町外れの見通

        • 固定された記事

        ハンドパンという悪魔的魅力の楽器に出会った話。第一話

        マガジン

        • 【明日香の共同運営マガジン】最強の笑いは世界を救う
          669本
        • あっとほーむ🏠
          17,858本

        記事

          家具職人、木工を志す人に伝えたい、たった一つのこと 第六話

          今回はいつものハンドパンの話ではなく、私のもう一つの職業である木工について、どうしても書いておきたいことがある。 先日、とあるブログを読み、あまりの内容に思わず息が止まりそうになった。 そのブログの書き手は、大学を出たばかりの女性で、仮にAさんとさせていただく。 Aさんは大学在学中に、家具職人になりたいと思い立ち、多くの家具製作の会社に当たってみたが、未経験で女性ということもあり、殆どの会社に断られてしまう。 そんな中、Aさんの熱意を受けて、あるオーダー家具の会社が採

          家具職人、木工を志す人に伝えたい、たった一つのこと 第六話

          一年後、私はこの世にいないと分かったら 第五話

          あなたがもし、自分が一年後にはこの世から去ると知ったとしたら、一体どうするだろう? 私も含めて多くの人は、この問いに対して、見て見ぬ振りをするかも知れない。 別に健康に不安も無いし、あと一年しか生きられないなんて有り得ない。 だが、本当にそうだろうか。 よく考えてみてほしい。本当はこの世の中の誰もが、一年どころか明日の夕方まで生きていられるかどうかも確実とは言えないのだ。 ほとんどの人は、日常の忙しさにかまけて、あるいは今まで無事に過ごせてきたからという理由で、その

          一年後、私はこの世にいないと分かったら 第五話

          短すぎたハンマーと可哀想なハンドパンの話 第四話

          四万円も払って、叩くほどに気持ちが悪くなるハンドパンを手に入れた私は、すっかり腹を立てて、それを物置きに放り込んで、ふて寝をした。 だが、いくら見ないふりをしても、例のかっこいい曲を今すぐにでも演奏したいという情熱は簡単には収まらない。 しばらく悶々とした私に、ある素晴らしいアイデアが閃いた。 「長年ギターをやってきた俺なら、この狂ったハンドパンを正しくチューニング出来るんじゃないか?いや、意外と簡単に出来てしまうに違いない!」 またまた謎の自信を悪い方向に発動させた

          短すぎたハンマーと可哀想なハンドパンの話 第四話

          狂ったハンドパンとブンブク茶釜の話 第三話

          例の動画を繰り返し120回ほど見て、すっかりハンドパンとか言う怪しげな楽器に魅了された私は、すぐに行動を起こした。 実は普段から私は、何か面白そうだと思った事は、すぐにやってみる方である。何事も最初の熱量が多いうちに始めないと、結局冷めてしまってやらないからだ。 今まではそのやり方で結構上手くいってきたのだ。 だが、今回ばかりは裏目に出ることになる。 後になって分かるのだが、脳の九割をハンドパンの魅力にやられていた私は、初めてハンドパンを買う時に最もしてはならないと言わ

          狂ったハンドパンとブンブク茶釜の話 第三話

          ハンドパンという悪魔的魅力の楽器に出会った話。 第二話

          気がつくと動画は終盤に向かっていた。ガランとした地下鉄のホームに入って来た列車の轟音と、それに続く英語のアナウンスと混じり合うようにして演奏は終わった。 映像のタイトルから、どうやらこの男がSam Maherという名前で、奇妙な楽器はハンドパンと言うらしい事が分かった。 しかし、この手作り感満載の楽器から放たれる、何とも形容し難いマットな質感を持つ魅惑的な音は、一体何なのだろう。 素焼きの陶器の肌がそのまま音になったような響きは、時に優しく、油断すると突然、割れ鐘を叩く

          ハンドパンという悪魔的魅力の楽器に出会った話。 第二話