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『祖国とは国語』を読んで

こうありたいが体現された文章。

 難しすぎず、易しすぎず、論理的すぎず、生々しすぎず、知性を感じさせながら感情にもそっと寄り添われているような言葉遣い。一言一言の言葉の選び方に無駄のなさを感じ、そうめんを飲み込むぐらいの喉越しで読んでしまった。

 数学者である筆者による『1.2に国語、3.4も国語、飛ばして10でやっと数学という言葉には少し驚きを覚えた。英語教育プログラミング教育など、今の子供たちはきっと僕らの子供時代より覚えることが多くなっていることだろう。それらの教科においても使われるのは日本語だし、周りとのコミュニケーションは基本日本語しか使わない人がほとんどだろう。人生において最も重要なのは国語なのだという考えは極論に思えつつも納得せざるを得ない。

 同じ言葉でも文脈や受け取り手のバックグラウンドによって意味合いはどんどん変わってくる。時代によっても変わっていく。自分が発する言葉も自分のものだけではなく相手がいて初めて意味を持つものだと思うと、言葉に注意を負けざるを得ない。

 いまはまだ一人でに垂れ流しているnoteもいつかは読者が増えて、思ってもいない人にやまれるかもしれないし、誰も読まなくたって未来の僕がきっと読む。

 少しでも何かが伝わる文章を書けるようになるまで、このnoteで精進していきたいと思います。今後ともご贔屓にしてくださいますと幸いです。