勘違い善行
今日もまた心の中に雲が浮かぶ、ほんの少しの塵に水滴と氷粒がどんどんまとわりついていく。
温度が下がると凝結して姿を現すように、冷静になって考えてみるとモヤモヤが出現する。
自分はルールを守っていて、誰かのことを思いやって、十分素敵な行動をした。今日も一日頑張っていきた、と思った帰り道。ふとある一言を思い出す。自分が何かの助けとなる思って出した提案は、本当にその人のためになるんだろうか。
もしかしたら、わざわざいらない一言言っちゃったかもなあ
一つ塊ができるとどんどん水蒸気が吸い寄せられて、入道雲が押し寄せる。
3年前のあの時も、もしかしたら同じような状況だったかもなあとか、逆にあの時あれを言えば良かったなど、本当に今更どうしょうもないことを逡巡する。
いつなんどきでも悪意なく、健やかに生きているつもりではあるが、自分の意見を言うことに我慢することもなく、自分勝手に生きている。
きっと世の中の大人はもっと我慢をしているのだろう。
一つ小さな雲を残して、また眠りにつく。