パーソナルトレーナーが見過ごす最大の失敗
こんにちは。株式会社ふんどし部代表の星野です。
このnoteでは、フィットネス業界での駆け出しであり、一経営者としての雑感や失敗談を、率直に書き綴っていこうと思います。
僕は、トレーナーとしては歴もだんだん長くなってきて、経験も豊富といってもよいくらいではあります。しかし経営者としては、まだまだ未知の局面続きというのがホンネです。
というか失敗だらけです。
もっというとトレーナーとしても失敗だらけです。
もう、本当恥ずかしい。こんな日記は自宅の自分の日記帳にでもしまっておきたい。(そんなものはないのですが)
でも、私は書きます。今日は
・ボディメイクの失敗
・トレーナーであり経営者であること
について書こうと思います。
(ワークアウト中の写真)
ボディメイクの失敗
さて、前回のエントリーでも述べましたが、僕はもともと、トップアスリートのような、最高の身体を育てたい!といった野望はありません。
そうではなく、一般的なビジネスマンの「生活習慣を鍛える」ことに関心があるのです。
クライエントは、なぜかスタートアップ・コンサル・クリエイティブ系が多いですが、バックグラウンドはかなり多様です。マッチョになる、美しくなることも目指せるが、まずベースとして「疲れない」「乗り心地のいい」肉体を目指す、そんなワークアウトを志向してます。
鍛えたい人が陥る「失敗」にはいろいろありますが、アスリートとビジネスマンではだいぶ違います。
・アスリートが試合中に怪我をして選手生命を絶たれる。
・ビジネスマンが通わなくなり、なんとなく身体がだらしなくなり、生活習慣病予備軍になっていく。
前者は誰もが認める悲劇ですし、トレーナーの責任はでかいでしょう。
一方で、後者の失敗、それは本人の失敗でもあるし、トレーナーの失敗でもあるんですが、それは見えないまま、なんとなく時間が流れていくだけです。
日々の生活習慣は極めてドライで、退屈で、そして残酷に衰えていきます。蝕んでいく、と言ってもいいかもしれない。
だからこそ、
なんとなく辞めること。
これが最大の失敗なのです。そしてトレーナーの役割は、これを防ぐこと、ここに尽きるのです。
トレーナーであり経営者であること
(バディトレ肉会とセミナーの写真)
そのために僕が選んだ道は、最初からトレーナーと経営者を両立させることでした。
ふつうフィットネス業界では、優秀な方はトレーナーとして成功したあと、メディアで有名になり、自身の芸能事務所のような形で会社を立ち上げるというケースが多いですね。少人数の有名トレーナーを所属させて、マスコミ活動の拠点にもなります。トータルワークアウトのケビン山崎氏などはその最たるものではないでしょうか。
しかし僕の場合、ビジネスマンに対しワークアウトを提供する立場上、「トレーナー」であると同時に「経営者」であることが、コンセプト上自分に合っていると感じられました。
*
「トレーナーをやるならば起業なんてする必要ないでしょう?」と何気なくご指摘されたことは何度かあります。
しかし、起業とは僕にとって、持続する責任の象徴なのです。
僕には、フィットネス指導を、最終的に持続可能・再現可能な責任のあるムーブメントにしなければならない、という思いがありました。
一般的に個人トレーナーには、カリスマとメソッドが必要されていると思います。
カリスマは、再現できない、個人としての指導力。だからこそその人に唯一無二の価値がある。
トレーニングメソッドは毎日のように出版されてますが、だいたいそのどれもが「誰でも」「いつでも」「どこでも」できると謳っている。
自重トレ、ゼロトレ、ロングブレスダイエット、etc。再現性を約束する技術が求められる。
ところが、この他に、実は参加者のモチベーションの問題が残っています。どんな名トレーナーでも、効果抜群のメソッドでも、結局トレーニングを続けなければ効果は出ません。
ここで冒頭の話に戻ります。
生活習慣を鍛えることは、特に忙しい社会人においてとても重要なことです。それができなければトレーナーは事実上の失敗という烙印を背負わなければなりません。
カリスマがあれば、そのトレーナーに会うのが楽しみでワークアウトに参加してくれるかもしれませんが、僕はそれを確信できるほどナルシストではない。トレーナーとしては中堅になったものの、経営者としては新米であり、人としては凡庸であります。
科学的に正しいことを教えることはできますが、そもそもモチベーション自体は構造上、僕一人では保証できない。
そこで、僕は、結局モチベーションを引き出すためにすべきことは、居場所を用意すること、そこを責任をもって維持することではないかと考えたのです。
カリスマでもない一人の人間が確実に成果を出し、責任を全うする。そのためのワークアウトを行う場づくり、というわけです。
「結果を出すまでトレーナーが責任をもってお手伝いする」
というのが肉体に関わる仕事の責任だと思うのです。
バディトレで最大の失敗を回避させたい
モチベーションを保つための仕組みとしてよくあるのが、「お金」をインセンティブにする、というものですが、これについて一言。
責任を全うする、というのは失敗してもお金を返す、「全額返金保証!」をつけることだけではない、と僕は思います。
僕もこれまで指導をし続けていて思うのですが、面倒を見続ける、というのはめちゃくちゃ工数がかかります。正直、フィットネスクラブみたいに場所にお金だけ払ってもらうほうが楽なんです。本当に楽をしたかったら、そんな「パトロン」のようなお客さんが数十人いれば、もう飯は食える。しかし、トレーナー本来のミッションを考えると、最悪、と言わざるを得ません。
最近流行りのパーソナルジムの多くが前払い制ですが、身も蓋もない話をすれば、経営側からすれば、人が途中でフェードアウトするほうが、コスパがいい。(例えば30万円払ったのに2、3回でフェードアウトしてしまった場合など)もらったお金も多くの場合は返さないで済みます。
しかし、プロとしての職務は、辞めかけている人にお金を返すことなのか、ということを考えなければなりません。
これは弊社のバディトレにもあてはまることです。
先日も、とあるお客様がちょうど、「払った以上はコスパをあげたいんで」と冗談半分に言っていました。
「お金払っているんだからもとをとりたい」と思う心理を利用して、前払いでコミットしてもらう。それ自体はいいんです。
しかし、実態としては、そんなことを言っていても、少し時間が経つと通わなくなったり食事管理を行わなくなったりするんです。
人間のモチベーションというのは恐ろしいものです。
前払いしたのにもとがとれない、そう分かっていても来なくなる人はジム業界ではとっても多い。「幽霊会員」がジムに貢献している割合の高さが、それを物語っています。
断言しますが、いわゆる「ダイエットをするぞ!」という宣言は、その宣言した瞬間がマックスです。それ以後は維持するか下がるしかありません。
だから指導者は、
・今のお客様の意思と言動
ではなく、
・決意した時の意思と言動
にコミットしないといけないのです。
「ちょっと飲みが入って忙しくて・・・」
と言われるともっともすぎて、こっちは屈してしまうのですよね。それは前回のエントリーで述べた通りですが、僕が考える限りの典型的失敗例です。
どんなにもっともであろうと、結局起きる現実としては、朝帰りなどして、また太ったり、体力を落としたり、体調を崩したりする。こういうことを繰り返してリバウンドしてしまうのです。
理由はもっともに見えても、起きている現実は「生活習慣を鍛える」ことからは最も離れている。つまりは(トレーナーにとって)最悪である。
いうまでもないですが、朝方まで飲むことで、
・筋分解が起きる→痩せるがリバウンドする。
・カロリーを摂取しすぎる→太る。
・睡眠不足で疲労が残る→エネルギーが低下。ワークアウトも来ない。ストレスが溜まってよりカロリーを摂取する
この通り、何もいいことはありません。
*
そんなこんなで毎日クライエントのモチベーションとの戦いが続くのですが、こうしてバディトレは以下のシステムに落ち着くことになりました。
・長期の出張や怪我・疾病がある場合はその分延長する。
・通っているのに結果が出なければ、無料延長をしてでも応援する。
(・通わない場合は定期的にリマインドする)
安易な返金はしませんが、時間をかけてでも成果を実感していただきたい、との思いからです。
バディトレという場を通して、持続可能な生活習慣を確固たるものにする。それが法人としての責任が取れる方法なのではないかな、と。代表の星野個人のスキルとカリスマを超えて、皆がなりたい姿になれるように。
【ご興味ある方へ】
バディトレでは、「人生100年時代のライフスタイルをアップデートする」というコンセプトでミートアップ形式で行うトレーニングプログラムです。
2月は1月の投稿に引き続き、僕がパーソナルを1回分追加し、直接指導&カウンセリングを行うことをお約束いたします。
一度カウンセリングを通し、体験をしてからでないとバディトレ入会はお勧めしません。
一応私の直接知人からの直接連絡と現会員の紹介のみで入れるようなシステムとなっております。そのほかの方は審査制とさせていただきますので、ご了承ください。