見出し画像

明日へと駆け出そう

 また今年もこの時期がやって来た。

 今年もあと数時間で終わろうとしているが、私は何とか今年を乗り越えられそうである。

 来たる新年に備えて、私はまた今年も手帳を買った。相変わらずの三割引であるが、今年の私を振り返ると、やはり私の人生が実り多いものでなかったことは三割引きの手帳のせいではなく、私自身の努力不足のせいだったのだと思うに至った。

 出不精の私にしてみれば、今年はずいぶんと能動的に動いた年だった。

 四月の「全日本体操個人総合選手権大会」から始まり、翌月の「NHK杯体操」 そして、六月の「全日本体操種目別選手権大会」七月空けて八月には「ダンスマガジン」主催による公開インタビュー「平野亮一トークショー」への初参加、九月の「全日本シニア体操選手権大会」と毎月のように駆け回っていた一年だった。

 こんなに見たいものがあり、会いたい人々がいたことを痛感した年もなかったような気がする。

 世界体操代表選手に選出された千葉健太選手には会うことはできなかったが、徳洲会体操クラブ所属の岡慎之助、杉野正尭両選手にも会えたし、セントラルスポーツ所属の北村郁也選手、リオデジャネイロオリンピック団体金メダリストである田中佑典、山室光史、白井健三、加藤凌平四氏に会えて、体操競技観戦の楽しさを知った。

 英国ロイヤルバレエ団でプリンシパルとして活躍を続ける平野亮一さんにも、「ダンスマガジン」のお陰で、急ではあったが思いがけずお会いする機会を得られたことも幸いであった。

 書く作業の方に目を向けると、八月十五日の終戦記念日に合わせて戦死した大伯父と、その時代を生きたピアニスト・原智恵子、映画女優・桑野通子、ブギの女王・笠置シヅ子、ブルースの女王・淡谷のり子の五名の生涯を記したドキュメンタリー 「ルソン島に散った青年とその時代を生きた女性たち」を出版したことは私の初めて手掛けた大きな仕事となった。

ここから先は

932字
この記事のみ ¥ 200

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?