【書評4】働き方の損益分岐点
はたらくって何だろう!
働く意欲の一つは、収入は外せないと思います。
「はたらけど はたらけど猶(なお) わが生活(くらし) 楽にならざり ぢつと手を見る」
労働階級の悲哀を表現した名句で、共感を覚えた方がたくさんいたと思われます。
ところがどっこい、石川啄木さん。
カンニングが原因?で学校を退学させられたり、
仕事を欠勤しまくったり、お給料前借りしたり、友達にお金借りたり、
ちょいちょいお兄さんってな感じ。
さて、元に戻って。
「はたらけど はたらけど猶(なお) わが生活(くらし) 楽にならざり ぢつと手を見る」
ただ、普通に働いて、特に贅沢しているわけじゃないけど、なぜか給料日前にお金がない。
「おかしいなー」 いやいやおかしくないんです!!
それが書かれてるのが本著:
文庫化される前の本のタイトルは
「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」
改めてすごいタイトルです。
「マルクスの資本論」と「金持ち父さん貧乏父さん」のいいとこ取りしながら、木暮太一さんがうまくまとめて書いています。
給料の決まり方は、必要経費方式と利益分け前方式。
ほとんどの会社は必要経費方式。
自分が労働者として働けるくらいの力を維持し、回復するためのメンテナンス代だから、しっかりメンテナンスしたら、そりゃなくなるよね?
というシンプルな話。それを経済学では労働の再生産コストといいます。
でもちょっと認め難い事実。
1日1時間働いても8時間働いても、再生産のためのコストでメンテナンスできるんだから、回復するぎりぎりまで働いてもらおうと思うのが、雇う側の視点。
世の中の会社がブラック化しやすいのは、こういうことに背景がある。
そしてこの本の中で描かれる「価値」の定義が個人的には興味深い。
価値と剰余価値は違うんです。
この話は、またつづく!たぶん。