システムエンジニアから大学職員に転職した人の話
今回は私自身の体験談ではないのですが、システムエンジニアから大学職員に転職した友人の事例をインタビュー形式で紹介したいと思います。
Q1.なぜ大学職員を受けようと思ったのですか?
前職はSaaS業界でSEをやっていました。
前の仕事自体は嫌いではなかったのですが、退勤時刻が22時を過ぎることも多く、「ここでスキルを積みあげたら、次はプライベートも大事にできる職場に転職しよう」と思っていました。
大学職員のことはあまり興味がなかったのですが、同職に就く友人から、「100%ではないけど残業やノルマは少ないから体力的にも精神的にも安定すると思うよ」という話を聞き、応募しました。
Q2.募集職種はどんな内容でしたか?
総合職採用でしたが、要件には情報セキュリティやシステム開発に明るい人材は優遇と記されており、基本・応用情報技術者資格やシステム開発経験はありましたので、とりあえず応募してみました。
採用人数は若干名でした。後で分かったのですが、全員中途入社で私を含めて3名採用されていたようです。
ちなみに3名とも得意とする領域は全然違いました。一人は営業経験ありで広報系の部署へ、もう一人は英語が堪能なので国際系の部署へ配属されたようです。
Q3.採用試験はどんな感じでした?
選考は以下のとおり行われました。
1次選考 書類選考
2次選考 面接
3次選考 課題提出
4次選考 最終面接
順を追って紹介します。
Q3-① 一次選考
1次選考は履歴書の提出でした。
フォーマットは決まっていたのでHPからダウンロードしました。新卒以来の履歴書だったので何を書こうか戸惑いましたが、SaaS業界での経験に特化して盛り込みました。
あとはコミュニケーション力と人当たりの良さは重要だと友人から聞いていたので、経験の中に折衝経験は豊富で得意みたいな書き方をしました。でも今思うとちょっと盛ってましたね(笑)。
Q3-② 二次選考
2次選考は1次選考で提出した履歴書から問われました。書類選考の段階で結構考えて作ったので、あまり回答には詰まらなかったです。
面接官は配属部署の上長クラス2名に人事の方1名でした。終始温和に終わったので、この大学に対しての結構志望度は上がりましたね。
Q3-③ 三次選考
3次選考は課題提出でした。
テーマはちょっとぼやかしますが「本学の経営改善提案をしてください」というものでした。
このとき私は大学や教育業界に関する情報量が圧倒的に不足していたので、さすがにインプットしました。
お世話になったのはBenesseのBetweenでした。ここでとりあえず簡単なニュースは押さえることはできました。
あとは2次選考の面接でIR(Institutional Research)という話が出ましたので、この本を買って読みました。
全ページは読まなくても、大学職員経験のない自分がIRとは何ぞやというのを人に説明できるくらいにはなりましたのでおススメです。
※後日談ですがIRのことを調べているのが良かったと採用担当者から伝えられたので読んでおいて本当に良かったです
課題に対する回答ですが、簡単に次のような構成です。
【コンサルティング会社が回答するという設定】
大学HPを見る限り、留学生獲得数は増えているが、国内生が減少傾向の真っただ中でした。
そこで国内生を獲得するにはどうすればいいかという具体策を提案することに。
まずは減少している学部を調べると、特定の領域で減少が目立ったので、この学科を改編するか無くすかという案を出しました。
改編案は具体的には示せませんが、競合他大が明らかにあったので、そこから奪ってくるためのカリキュラムや就職、入試改革、それからブランディングを提案しました。
シンプルで分かりやすいことが望ましいと思ったのでA4 2枚に収めました。使用したのはMicrosoft Wordですが、模式図はかなり入れました。
Q3-④ 四次選考
4次選考は役員面接でした。
理事長や学長が出てきたので最初は面食らったのですが、意外と中身のない発言しか出ませんでした(笑)。
しかし役員面接でも落ちる可能性があることは考慮に入れていたので、建学の理念や卒業生の活躍はばっちり押さえていきました。
実際に卒業生は聞かれたので調べておいてよかったです。
Q4.採用部署はどこでしたか?
今思えば選考でSEの具体的な経験のことは、2次選考を除きあまり使いませんでした。
なので情報システム系の採用ではないのかなと思っていたのですが、部署は教務系のシステム管理でした。
学生の成績管理システムを改修するらしく、その保守運営をお願いしたいとのこと。
まあ前職の経験が活きたのでよかったですが、それならもっと面接でSE経験のことを掘り下げた方がいいんじゃないか?という感想です。
Q5.条件はどうでしたか?
基本給は前職よりも若干プラス(2万円くらい)。
※前職の猛残業月(2~3か月)を除けば、全ての月でプラスです。
あと、残業時間は減りましたし、福利厚生や様々な手当は今の方が充実しているので、トータルでもかなり良かったです。
前職にはなかった豊富な退職金制度や私学共済など、手厚いサービスが多いので満足しています。
Q6.働いてみて仕事内容はどうですか?
前職からの転職から1年がたちますが楽しくやっています。
組織内にSEの経験者は少ないので、早期から自分の経験を組織に還元できていると思います。
違うことがあるとすれば教授の存在でしょうか。上司の他に頭を下げる人がいるのは不思議な職場です。
一部クレーマー気質のめんどくさい教授もいますが、関わりがあるのは窓口部署くらいですので特に困ってはいません。
基本的に教授はいい人ばかりなので、飲みにいったり楽しいですよ。
Q7.これからSE→大学職員を目指す方に一言
選ぶ大学にもよりますが、このキャリアは結構ありだと思っています。
SE経験とヒューマンスキルを前面に押し出して頑張ってください。
選考のコツはQ3を参考にしてもらえばうれしいです。
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