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「お前、そんな顔してたのかよ」の一言が聞きたくて 映画メモ『正体』
『正体』
監督:藤井道人
これは映画館で予告を見て気になった作品です。特に森本慎太郎くんの「なんだよ、お前そんな顔してたのかよ」の一言がそこだけでもうとっても良くて。このセリフを目当てに観に行ったようなものです。
主人公は一家惨殺事件の犯人として死刑が確定した囚人・鏑木。しかし彼は逃走を図り、見た目や名前を変えて隠れ生きていきます。行く先々で見せる彼の姿は、少し変わってはいるけれど、とても凶悪な殺人犯には見えません。彼は犯人なのか。違うならなぜ変装してまで逃げているのか…。というお話です。
私が注目していた森本慎太郎くんは、アイドル好きな方ならご存知かとは思いますがSixTONESのメンバー。私は男女問わず歌って踊る人間たちが大好きなので、歌って踊る彼の姿もよく見ています。グループの中ではとにかく明るくて、パフォーマンスもダイナミックで目を引きます。でも歌声は甘くてそこも良き~!という印象。
しかし彼はお芝居になるとめちゃくちゃ繊細な表現をするんですよ……!
この作品でも、施設で育ったけどそこを出てから社会にうまく馴染めなくて、面倒から逃げ続けていたらどうにもならないくらいどん底に落ちちゃって、俺の人生ずっとこんなんなのかな…という青年・和也の役をものすごい解像度で演じていたと思います。
人間の根の部分は明るくて優しくて人懐っこいのに、環境がすさんでいたからすぐ喧嘩腰になっちゃうとか、でも自分より強い人に上から言われるとオドオドして言葉が出なくて固まっちゃうとか、先のことをあんまり考えられないとか…。森本くんの見た目の派手さ華やかさと、きっとご本人が実際そういうところも持っているんだろうなという繊細さ、他人をよく見て敏感に感じるような部分がめちゃくちゃ合っていて、和也を応援したくなっちゃいました。そこは本筋じゃないんだが。
話が進んで鏑木の謎が徐々に明かされていくにつれて、ちょいちょい登場する和也にも変化が見られます。それが良くて…。ちょっと、そこも注目して見てほしいです…。
お目当てのセリフはもう、本編をしっかり見たうえで聞くとやっぱり更に良かったです。だばだば泣いちゃったな。
元は小説だそうで、120分にまとめるのは大変だったのでは…?!と思います。きっと映画では描かれていないそれぞれの人物のエピソードがあるんじゃないかしらと想像しています。それも気になるな~
主演の横浜流星さんを始め、吉岡里帆ちゃん山田杏奈ちゃん、鏑木を追う刑事には山田孝之さん、その上司には松重豊さんなどなどこれだけでは収まらないそうそうたるメンバーの作品。役者さんたちのパワーがものすごい。贅沢な120分でした…!
今回はとにかくこの作品で森本慎太郎くんを知ったよという人が万が一この記事にたどり着いたときのために、私のお気に入りのMVを紹介して終わろうと思います。(???)これワンカットで撮影されていてとても鮮やかで、みんなかっこよくて大好きです。曲もオシャレですよね~~~
みんなそれぞれ大活躍しているSixTONESですが、特に映画やドラマがお好きな方は松村北斗くんとも遭遇することが多いと思います。彼も素敵なお芝居をしますよね…!私も今年『夜明けのすべて』を見て改めて素晴らしいな~と感じました。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』の稔さんもみんなだいすきでしょう私も大好きでした…!
ドラマ映画、ミュージカル、バラエティにラジオに音楽、ダンス…と本当にエンターテイメントのすべてにおいて活躍しているSixTONESさん、ぜひ注目していただけたらと思います。あれ?SixTONESの話になってしまった。