少年、名句に触れる
子どもたちの毎日の宿題に、「国語の本読み」がある。
めんどくさがってしないこともあれば、単に後回しにして忘れることもある。
夏休みなどの長期休暇中などには、毎日教科書読むのも飽きるだろうと、私の方から、家の本でもいいし、音読しないでただの読書でもいいよ、なんて言ったりもするのだが、
基本的には授業の内容理解になるし、次男はたまに漢字の読み間違いもするので、一応、しときなさいよーとは声をかける。
そうやって音読される国語の単元を聞いていると、たまに懐かしいお話に出会うこともあって、
アーノルド・ローベル「がまくんとかえるくん」だったり、
「スーホの白い馬」(モンゴル民話・大塚雄三 再話)だったり、
えー、これママが小学生の時とおんなじやん!なんてびっくりすることも。
教科書に求められるものや、学校で教えてほしいと望まれるものは、時代とともに消えたり変わったりするだろうけれど、やっぱりある程度、子どもの時に読んでおきたい話や、出会っておきたい物語、というものはあると思う。
さてさて、先日の記事に、小3の長男が国語で俳句を勉強している、と書いた。
実は、これはちょっと意外だった。俳句や短歌は、もっと後になって、高学年で学ぶと思っていたからだ。
それともはっきり覚えていないだけで、私たちもそのくらいの歳に、学校で教わっていたんだろうか?
松尾芭蕉とか正岡子規を⁇
ともあれ、長男の本読みを通して、(教科書にも載るような)選りすぐりの名句を聞くのは楽しいものがあり、
え、こんなん9歳の子に分かるんかなぁ、
いやいや子どもだからってバカにしてはいけない、小学生だからこそ、早くから触れて覚える俳句の楽しさとか、日本語の面白さみたいなのがあるのかも知れないし!と思ったり、
かと思えば、へー、そんな句もあるんや‼︎ママも知らなかった!おもしろーい!
みたいな発見が幾つかあった。
例えば有名どころでは
閑かさや岩にしみ入る蝉の声 松尾 芭蕉
とか、
雪とけて村一ぱいの子どもかな 小林 一茶
などなど‥
松尾芭蕉はどちらかと言うと
「古池や蛙飛び込む水の音」の方が、先に習ったような気がするな。
‥というか、今まで「静けさや」って覚えていた!以前はそう教えられていたのか、単に私の勘違いか。どちらにしても、知識もアップデートしないといけないですね。
小林一茶は、確かに自分も、この句を小学校で覚えた気がする。何故覚えているかと言うと、自分が好きな句を選んで短冊にサインペンで書き、下の余白にその絵を描く、ということをしたから。私は、遊んでいる子どもたちの絵を描いた記憶がある。
蛙の句に蠅の句に、一茶さんの俳句は目線が本当に優しいな。
あと、長男から新しく教わった句として、面白かったのは、
雪の朝二の字二の字の下駄の跡 田 捨女
初めて聞いた名前。Wikipediaで調べてみると江戸時代の女性俳人で、この句は6歳の時よんだものだとか!(諸説あるようですが。)
でも、誰が作ったとしても何歳だったにしても、真っ白い雪の上に、二の字二の字の足跡って、説明不要で光景がパッと目に浮かぶ。
ああ、でも下駄の足跡を知らない子もいるかも知れない。
親子で笑ってしまったのは、
青蛙おのれもペンキぬりたてか 芥川龍之介
小3を思わずプッと笑わせて、俳句おもしろーいって思わせる芥川氏さすが。
ねぇねぇねぇ、そしたらさ、○○(長男)が本に載ってた中で、一番これ好きって思ったのどれ?ママも選ぶから、せーので指してみよう。
教科書に載っていたのは、上記の作品も含めて全部で12句。
私はてっきり、長男がペンキ塗りたてのカエルを選ぶと思ったのだが、彼が選んだのは、偶然私が選んだものと同じだった!
なんで?どうしてこれがいいと思ったのー?
「えーとさ、下には花が咲いてて、空にはお月さまもお日さまもあるから、何かきれいでいいなーと思って。」
ママも同じ!気が合うなー。
こうやって、子どもと一緒に勉強してみるのもいいものだな。
最後、彼と私が選んだ句で締めくくります。
早く菜の花いっぱいの春がくるといいな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?