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ママもしらないこと day31
4/13 (Sat.)
#66日ライラン day31
昨日、用事があって百均に出かけた。
金曜の昼過ぎ。近所の百均には、それなりにお客さんが入っていた。世代も買い物内容も様々だ。
文具コーナーに行くと、チリチリパーマ(今はツイストスパイラルパーマというらしい)の小さい男の子と、そのお母さんらしい女性が、沢山入ったカゴを足元において、何か探していた。
通りすがり、カゴの一番上に、「ひらがな れんしゅうちょう」が載っているのが見えた。
とすると、この子は、この春に一年生になったばかりなのかな。
今の時期、新一年生はまだ給食も始まっておらず、3時間程度で下校するから、それで学校終わってお母さんと買い物に来たのかもしれない。
もう一人、その女性とよく似た雰囲気の女の人が、カートを持ってきて加わった。と言うことは、同じように若く見えるけれどどちらかはおばあちゃんなのかも知れない。
「そしたら、◯◯(男の子の名前)はこれで毎日がんばるんやな」
「うん!」
「でも◯◯、こないだからちょっとずつがんばってるねんなー、前のんもな、‥」
男の子は、喋っている二人を残して隣のお菓子コーナーへと歩いていった。にこにこと、実に嬉しそうだった。
私は、探し物が見つからないので、その棚の上から順に、もう一度目で追いかけ始めた。
「あんなー、シャービー買っていい?」
男の子が戻ってきて聞く。
「いいよ」お母さんが答える。
「でもなー、おれ、ちかくかびんやねんなー。」
ん?
今なんて?
「え、あんた なんて?」お母さんも聞き返した。
「おれ、ちかくかびんやねん!だから、シャービー、食べれるけど、食べたら口の中、キーンってなるねん!」
お母さんが笑い出した。もう一人も笑い出した。私も思わず笑ってしまった。
「冷たいもの食べて、歯ぁがキーンってなったら、ちかくかびん って言うんやろ?おれ知ってる。おれ、ちかくかびんやから。でも、おれ、ちかくかびんやけど、シャービーは食べれる」
こんなにいっぺんに〝知覚過敏〟って言うセリフ、今まで聞いたことない。
しかも、それやったらアイスシャーベットなんか食べられへんやろ、と言われるのを、先回りして阻止している。
「そうか、あんた知覚過敏なんか。知らんかった」
「そうやねん。おれちかくかびん。ちかくかびんやけど、ねこ舌」
「ほなシャービィ入れといで」
お母さんは、彼が猫舌なのは知っていたらしかった。
私より少し前にレジに並んだそのご家族は、私が普段百均では使わない金額のお買い物をして、沢山の品物を袋に詰めていた。新学期にお引越しでもされたところなのかも知れない。私は、やっと見つけた単語カードと、レジ横で手に取ったグミだけをお会計してもらい、その後ろを通り過ぎた。
男の子は、空になったカートをゆらゆらさせながら、やっぱりとても嬉しそうだった。すぐ後ろを通った私の方は見もしなかった。
あの後、彼はにこにこしながらシャービィを食べたんだろう、
口の中、キーンってなりながら。
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