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「私達の心はイスラエルと共にあります」と明言する「日本国」防衛副大臣 〜 それを支持する日本の学徒(らしい)

防衛副大臣と並べたからといって、ここでいう「学徒」とは「学徒出陣」の学徒のことではない。ここでの学徒とは「学問の研究に従事する人」「研究者」のことである(要するに学徒のもう一つの意味である「学生と生徒」のことではない)。

1. 最近のパレスチナ/イスラエル問題の動向

タイトル上の地図は, イスラエル「建国」(1948年)前, 1947年のパレスチナ(当時は「イギリス委任統治領パレスチナ」)を示す地図。南北の一部がスペースに入りきってないので、次章の冒頭にあらためて掲載する。

最近の動向については、以下リンク先(*2)の筆者の5月15日付 note 投稿第2章「最近の パレスチナ/イスラエル の動向に関して」および第3章「最近の パレスチナ/イスラエル の動向を理解するために(インスタグラム投稿, ツイートなどから)」にも載せているが、そこで言及した, 現在の緊迫した事態(例えば *1)の発端である「イスラエルが 1967年6月の侵攻以来, 同年11月22日採択の国連安保理決議242号はじめ複数の安保理決議に違反して占領を続ける東エルサレムにあるパレスチナ人居住地域シェイク・ジャッラ地区からの, イスラエルによるパレスチナ人強制退去の問題」更にその背景として 1948年のイスラエル「建国」前から続くシオニストによるパレスチナ人に対する民族浄化 Ethnic Cleansing キャンペーンがあるのだが, それについては次章にて)に関しては、例えば 5月12日開始の日本YWCAによる署名の呼びかけ文リンク先(*3)にあるテキストに詳しい。

*1 現在の緊迫した事態(例えばガザ地区)

*2

*3 日本YWCA: イスラエルによるシェイク・ジャラ地区の立ち退き強制・ガザへの武力攻撃に反対する署名の呼びかけ(筆者署名済み)

以下のリンク 2点の下に, 署名呼びかけ文のテキスト内にある同団体ウェブサイト上の更に詳しいテキスト全文を転載する(若干の誤植あり, なお, シェイク・ジャッラ地区の問題については、筆者の今日の note 投稿第8章に付す note 投稿リンク 1) の中でも詳しく言及されている)。そして、その下に, 最も最近の, シェイク・ジャッラ地区のパレスチナ人に対する対するイスラエルによる弾圧・暴力行為を示す事例についてのヴィデオへのリンク(2つ)を付し、本章の最後には同じ東エルサレムのアル=アクサー・モスクを巡るイスラエルによるパレスチナ人弾圧に至る経緯をまとめたヴィデオへのリンクを併せて載せることにする。

イスラエルの法廷が、違法なユダヤ人入植地建設への地固めとして、東エルサレムのシェイク・ジャラ地区に住むパレスチナ人28家族のうち少なくとも13家族に対して、数世代にわたって住んでいる家からの退去命令を出しました。これらの家族は、1948年にシオニスト武装勢力によって75万人以上のパレスチナ人が故郷の村・街・都市を強制的に追放された「ナクバ(大破局)」以来シェイク・ジャラ地区に住み続けてきた人たちです。2021年5月から8月初にわたって、17人の子どもを含む59人が、何世代にもわたって暮らした家をイスラエル人入植者に占拠され、行き場を失うことになります。
この強制退去は、エルサレムがパレスチナであるということを抹消しようとするイスラエルの体系的な政策の一環です。2020年の国際連合人道問題調整事務所(OCHA)の調査によれば、「少なくとも218のパレスチナ人世帯が明け渡し訴訟を起こされており、その訴訟の大多数は入植者団体によるものであり、424人の子どもを含む970人が住居を失う危機にさらして」います。エルサレムではすでにもう何日にもわたって、入植者たちが、イスラエル軍の支援を受けながらパレスチナ人を苦しめています。あなたがこの文章を読む間にも、イスラエル軍が「エルサレムの日」(1967年のエルサレム占領を記念するイスラエルの祝日)を祝ってアルアクサ・モスクを暴力的に襲撃し、パレスチナ人の礼拝者たちに攻撃を加えています。100人以上が負傷し、50人前後が入院しました。
東エルサレムは依然として被占領パレスチナ地域の一部であり、よってイスラエルの行動は国際人道法、ならびに占領者が占領下のパレスチナ人の人権を尊重するべきであり私有財産の没収をおこなってはならないと定めるジュネーブ条約に違反しています。加えて強制退去は、住居とプライバシーに対する権利をはじめとする基本的人権の侵害です。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)報道官の言葉が強調するとおり、強制退去はジュネーブ諸条約第4条約が禁止する文民の強制的移動につながりかねない強制的環境をつくりだす主要要素であり、深刻な同条約違反」です。
シェイク・ジャラ地区のパレスチナ人たちは、自分たちの街に対して民族浄化を行おうとするイスラエルの試みに抗議する一方で、イスラエル軍の保護を受けながら住民や連帯抗議者たちを物理的に襲撃し「スカンク・ウォーター」(化学的に合成された悪臭を放つ液体)を浴びせかける入植者たちの攻撃にさらされています。
世界は、この人道に対する罪を止める道義的義務があります。
パレスチナYWCAは、諸国際法・国際条約に基づく人権に対する継続的な侵害行為について、イスラエルの責任を問うよう国際社会に求めます。東エルサレムの民族浄化を止めるため、制裁や貿易停止を含む具体的措置が必要です。非難の文書では不足です!
私たちは、皆さん一人ひとりに対し、以下のうち一つ以上を実行することでシェイク・ジャラで行われている民族浄化を止めるために行動を起こすよう呼びかけます。
1.#SaveSheikhJarrahのハッシュタグを使い、またプロフィール写真にMarkezHamlehのフレーム(https://bit.ly/3hhG8Ys)をつけて、シェイク・ジャラで起きていることをSNSで広く伝えてください。
2. 皆さんの代表者に、自国政府がイスラエルの責任を問うようプレッシャーをかけることを求める手紙を書いてください。
3.周りの人に、パレスチナの状況について知らせてください。
4.国連に対し、イスラエルが国際法を順守するまで制裁を行うよう求めてください。

*パレスチナYWCAからの呼びかけ:シェイク・ジャラを助け、東エルサレムの民族浄化を止めてください!(原文は以下リンク先)

最も最近の, シェイク・ジャッラ地区のパレスチナ人に対するイスラエルによる弾圧・暴力行為を示す事例について(ヴィデオへのリンク 2点)。

1)

2)

なお、上に取り上げた, シェイク・ジャッラ地区からの, イスラエルによるパレスチナ人強制退去の問題 に直面してのパレスチナ人の抗議その抗議デモに対する占領軍・イスラエル軍による弾圧、さらにイスラエルの治安部隊による, イスラム教(宗教に関して言うとパレスチナ人においてはイスラームが多数派だが, 他にクリスチャンや無神論者もいる, 念のため)において最も「神聖な」モスクの一つとされる東エルサレムのアル=アクサー・モスクにおけるパレスチナ人に対する弾圧 に至る経緯などに関して、以下のヴィデオにポイントがまとめられている。 

*アル=アクサー・モスクに対するイスラエル治安部隊襲撃(日本語字幕付き

2. パレスチナ/イスラエル問題

ここでは、筆者の 2021年2月15日付 note 投稿(本章脚注*6)の第8章から転載するかたちで、あらためて パレスチナ/イスラエル問題 の「そもそも」論を記しておきたい(以下の地図a, b の後に掲載する)。

地図a:1947年のパレスチナ(当時は「イギリス委任統治領パレスチナ」)

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地図b:以降のパレスチナ地域, イスラエルによる占領地・入植地の拡大, その変遷

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パレスチナ/イスラエル問題 の経緯

エルサレムの国際的地位については第2章(注:上記 note 投稿*6 における第2章)で述べた通りだが、ここでは、その背景等の説明を兼ね、パレスチナ/イスラエル問題の「そもそも」論を書いておきたい。
問題の原因となったものをざっくり箇条書きすれば、1) 欧州における長年のユダヤ人差別、2) それによって勢いづくことになったシオニズム(によるユダヤ人のパレスチナへの移民・入植の運動)、3) イギリスの俗に言う三枚舌外交 〜 すなわち、1915年10月のフサイン=マクマホン協定(中東地域におけるアラブ諸国独立の約束)、1916年5月のサイクス・ピコ協定(フランス、ロシアと結んだ同三ヶ国による中東地域の分割支配を目論んだ秘密協定)、そして、1917年11月のバルフォア宣言(イギリスの当時の外務大臣アーサー・バルフォアが表明した、イギリス政府によるシオニズム支持表明) 〜 当然ながら中でもバルフォア宣言、そして 4) ナチス・ドイツによるユダヤ人弾圧・大虐殺「ホロコースト」(の結果としてのシオニズム強化、ユダヤ人のパレスチナへの移民運動の急拡大・移民人口の急増)、5) 1947年11月のまだ設立2年で欧米諸国が支配的だった当時の国際連合の総会における不当な内容のパレスチナ分割案決議(いかに不当・不公平だったかについては以下のテキスト内で言及)、イスラエル「建国」前から始まっていたシオニスト組織によるパレスチナ人追放・民族浄化作戦と1948年5月のイスラエルによる一方的な「建国」宣言、以降の70年余にわたる 6) 世界の超大国アメリカ合州国によるイスラエルへの一方的支援・国連安保理(拒否権発動)などにおける徹底的イスラエル擁護、などが挙げられる。  
次の次からの 8段落分は、筆者が昨年10月27日に「『兵役拒否』(イスラエル映画, 2019年) を観て 〜 あらためて」と題して note に投稿したテキスト(*1)の中の、"A2. 「"敵"は軍隊さえ持っていない」(兵役拒否者 アタルヤ)、「ユダヤ人大虐殺がなければ状況は違ったかもしれん」(祖父)" という見出しを付けた章、および "A4. 「私達はシオニズムのために殺さないし 死なない」(イスラエルの「占領」政策に反対するイスラエル人のグループ)" という見出しを付けた章からの、筆者自身の文章からの転載(前段で箇条書きした6項目の中の少なくとも一部に触れているので、あらためて記しておきたい)。
なお、映画「兵役拒否」は、2017年に実際に兵役を拒否し、母国イスラエルの軍事刑務所に110日間にわたって収監された後に兵役免除を勝ち取った当時19歳のイスラエル人女性 Atalia Ben-Abba の例を取り上げた、イスラエルのドキュメンタリー映画である。

..................................

1894年のドレフュス事件(世界史に残るユダヤ人差別事件、フランス)をジャーナリストとして取材した、ハンガリー・ブダペスト(当時オーストリア帝国の一部)生まれのユダヤ人テオドール・ヘルツルがその事件を切っ掛けにヨーロッパにおける長年のユダヤ人差別の深刻さを改めて思い知り、そのことでシオニズム(言葉自体はオーストリアのユダヤ系思想家ナータン・ビルンバウムが考案)に目覚め、その指導者として第1回シオニスト会議をスイスのバーゼルで開催するのは1897年のことだが、それから21年後の1918年時点のパレスチナ(という言葉は紀元前からあった呼称だが、16世紀以降その地はオスマン帝国の支配下、そして同国が第一次世界大戦で敗戦国となった後は1918年からイギリスが占領、1920年から1948年までは Mandatory Palestine (British Mandate for Palestine), つまり「イギリス委任統治領パレスチナ」)における人口は、同年実施したイギリスの人口調査によれば、アラブ人(今日言うところのパレスチナ人)が 700,000人に対してユダヤ人は 56,000人と、前者の 1/12以下に過ぎなかった。
それが、1947年に当時まだ欧米諸国が支配的だった国連総会で「国連パレスチナ分割案」(同案の中で国連の信託統治領とする計画だったエルサレムを除くパレスチナ全域の土地の 56%を、アラブ人=今日言う「パレスチナ人」の人口の半分に満たないほどの人口だったユダヤ人の国家の土地とするという、極めて不当かつ不公正かつ不公平な分割案)が採択される際の国連の報告書では、当時のパレスチナにおける人口は、アラブ人(同上、パレスチナ人)とその他(アルメニア人などの少数を指すと思われる)が 1,237,000人、それに対し、ユダヤ人は 608,000人で全体の33%程度になっていた。
つまり、翌1948年のイスラエル「建国」の直前の年であってもパレスチナにおける絶対少数派ではあったユダヤ人なのだが(数十年間で急拡大したシオニズムによる運動で人口が急激に増えた結果であったため、ユダヤ人側の土地所有率にいたってはパレスチナ全域のわずか 7-8%程度に留まっていた)、それでも、その時点でパレスチナにおけるユダヤ人の人口は、上に記した 20世紀初期と比べれば、ほんの30年程度の間に絶対数として 10倍以上に急増していたことになる。
もともとヨーロッパにおける長年にわたるユダヤ人差別の歴史的背景があって、19世紀末以降、シオン(旧約聖書にも登場するエルサレム地方の歴史的地名)の地にユダヤ人国家を作ろうというユダヤ人の運動が広まったわけだが、その後の「イギリス委任統治領パレスチナ」時代のパレスチナへのユダヤ人の移民の動きの加速度的拡大、その結果としての同地におけるユダヤ人の人口急増の最大の要因として、ナチス・ドイツによる「ユダヤ人大虐殺」= ホロコーストを考えるのは、ごく自然な発想であろう。
念のために常識レベルのことを補足しておくと、ホロコーストはナチス・ドイツが行なった人類史に残る反人道的・人種差別的な犯罪・殺戮であって、当時パレスチナに住んでいたアラブ人(パレスチナ人)にとっては全く預かり知らない犯罪である。
さて、上に書いたように、当時はオーストリア帝国の一部であった現在のハンガリー・ブダペスト生まれのユダヤ人テオドール・ヘルツルが、1894年のフランスにおけるユダヤ人差別(冤罪)事件をジャーナリストとして取材し、ヨーロッパにおける長年のユダヤ人差別と当時の反ユダヤ主義的な動きという時代背景のもとシオニズムに目覚め、1897年には第1回シオニスト会議を開くことになるのだが、そのシオニズムという言葉自体は、同時期つまり1890年代にオーストリアのユダヤ系思想家ナータン・ビルンバウムが考案したものだった。
当時はオスマン帝国の支配下にあり、第一次世界大戦における同帝国の敗戦以降は「イギリス委任統治領パレスチナ」となる同地域(「パレスチナ」という呼称自体は遥か紀元前からあり、同地域に住んでいたペリシテ人の名が由来と考えられている)へのユダヤ人の移民を促すことになる「シオニズム」という思想のその名前は、旧約聖書のゼカリヤ書にある文言から発想されたものだった。
「主はこう仰せられる。『わたしはシオンに帰り、エルサレムのただ中に住もう。エルサレムは真実の町と呼ばれ、万軍の主の山は聖なる山と呼ばれよう。』」(旧約聖書, ゼカリヤ書 8章3節)
参考リンク 〜 筆者の過去の note 投稿から
以下、*1 は上記 8段落分を引用した昨年10月の筆者の note 投稿、*2 はその前篇。*3「イスラエルの高校生60人が兵役を拒否し、1948年イスラエル『建国』に伴うナクバ(7, 80万人のパレスチナ人が故郷を失う)に言及」の冒頭の章でもこの歴史について書き、*4「イスラエルのメディカル・アパルトヘイト 〜 あらためての ユヴァル・ノア・ハラリ批判とともに」の冒頭の章でもエルサレムの地位・帰属に触れながら、歴史に触れた。また、上記の文は、*5「パレスチナ/イスラエルが 『民主主義的な一国家』 になるという未来の 『現実』 を想像する」の第2章「ユダヤ人差別とシオニズムと、1948年のイスラエル『建国』 〜 そして、パレスチナ/イスラエル問題」に書いた筆者の文章から、ほぼそのまま引用した。
*1, 2
*3
*4
*5

*6 以下のリンク先が、その第8章のテキストを上に転載した, 本年2021年2月15日付の note 投稿(「アメリカのイスラエル愛 〜 バイデン政権になろうが変わらぬその愚かさ」)。リンクの下に参考まで、目次を掲載する。

1. アメリカとイスラエルの異常な関係を象徴する、イスラエル首相府のツイート
2. エルサレムの国際的「地位」についてのメモ
3. 国際社会がイスラエルの首都と認めない エルサレム へのトランプ政権による アメリカ大使館 移転 〜 トランプ政権による暴挙
4. バイデン政権下のアメリカ上院が、トランプ政権による暴挙 =在イスラエル・アメリカ大使館のエルサレムへの移転を、民主党を含む圧倒的多数の賛成により、あらためて既成事実化
5. アメリカ議会の「エルサレム帰属」問題における愚行は今に始まったことではない 〜 Jerusalem Embassy Act エルサレム大使館法(1995年)
6. トランプだけでなく 〜 オバマもクリントンもブッシュも、そしてバイデンも(言わせてもらえば!)「莫迦につける薬はない」惨状
7. アメリカのイスラエル愛 〜 「いくらでも出します」♡
8. そもそもエルサレムは, パレスチナは, イスラエルは..
9. 反シオニストのユダヤ系アメリカ人の言葉
10. ホロコースト生存者の両親を持つユダヤ系アメリカ人、イスラエルのユダヤ人、そしてパレスチナ系アメリカ人の言葉

3. 日本政府の公式見解にすら全く噛み合わない「私達の心はイスラエルと共にあります」発言をして恥じない中山「日本国」防衛副大臣、そして 〜 「もちろん私は中山氏の発言を支持します」とノタマウ, 自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏

以下、1) は現役「日本国」防衛副大臣のツイート(とそれに対する批判 3点)、そして 2) は 自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏によるツイート(スレッド)。

1) どうやら中山ナニガシ「日本国」現役「防衛」副大臣, 問題のツイートを削除したようなので(ただの「逃げ」削除)、この下にスクショを貼っておく(このセンテンスとスクショに関しては 2021年5月21日午前9時40分編集・加筆)。

(記事リンクは 2021年5月21日午前9時55分追加, 恥を知らない現役「副大臣」)

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もう一枚(上のスクショで欠けた部分を含めて)。つまり, イスラエル「国防」軍のツイートをシェアして「私達の心はイスラエルと共にあります」とほざいた「日本国」現役「防衛」副大臣。「私達」って, ほんと誰なんだよ?

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批判、3点紹介。

(1)

(2)

(3) なんとこの中山ナニガシは .. (次章も参照されたい

2) さて、自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏によるツイート(スレッド)。

以下はスレッド内。note ですよ note, 読みたい人は読めばいい。因みにフォロワーが大変多い「人気学徒」である。この人の note 投稿は大多数が有料設定されているようだが, 件の中山氏支持 note については以下の通りで無料。この人の note 投稿としては珍しい方の「無料」テキストであり、この note の内容への批判については、本 note 投稿 = 筆者の今日のこの note 投稿第8章 1) にてリンクを付した note 投稿テキストに詳しい。

4. 似た者同士の二人

1) 現役「日本国」防衛副大臣のツイート 2点。中山ナニガシのツイートなどフォローしていないが、前章で取り上げた「私達の心はイスラエルと共にあります」ツイートが話題(いわゆる「炎上」)になって以降、ツイッター上を飛び交っていて知ったもの。

さらにこれ(例えば)。

2) 自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏のツイート。中山氏に関しても勿論そうだが、この人のツイートもフォローなどしてないので、最近たまたま見た 1点。とりあえずこれで十分だろう。因みに「アイアンドーム」とはイスラエルの防空システム。「アイアンドームの如くに撃墜して差し上げている。覚悟するがいい」んだそうだ。「アイアンドーム」、まぁ普通に読めば, 嬉々として書いている筆致。

5. 自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏の, とあるツイートを紹介する 〜 この後、次章を参照されたい

まずは以下、米山隆一氏のツイート(筆者は前新潟県知事の米山隆一氏の日頃の様々な主張について詳しいのではないが, このツイート内容については概ね賛同する, そのうえでここでは後者のツイートにより注目した, 大した内容のツイートではないのだが)、および自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏のツイートをご覧いただきたい。その後で次章をご覧いただければよい。

上が 5月13日午前7時49分と7時52分で、下の自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏によるツイートはその 4時間後, 同日午前11時58分。

6. 自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏は、実は昨年 BDS Japan Bulletin というツイッター・アカウントのツイート上で批判された際、速攻で同アカウントをブロックしている

最初に書いておくと、この自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏にブロックされているのは  BDS Japan Bulletin だけではない。実はこの人が非常に多くの人(のツイッター・アカウント)をブロックしているのは、つとに知られた事実である。要するに「飯山氏にブロックされました」というツイートを幾らでも見ている。筆者だけでなく、その種のツイートを見たことがある人は相当数に上るに違いない。

その自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏、昨年 BDS Japan Bulletin というツイッター・アカウントのツイート上で批判された際(2020年9月16日)、速攻で(遅くともその2日後の2020年9月18日に)同アカウントをブロックしているのだが(念のため繰り返すが、自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏が BDS Japan Bulletin を速攻ブロックしている)、その後の、今年2021年5月15日の自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏による BDS Japan Bulletin に言及したツイートが奮っている(笑)。

前段落に書いた件については、昨年9月のブロックを示す写真ツイートと, 今年5月の上記ツイートを, 本章の一番下に掲載する(前章にて取り上げたツイートと共にご覧いただきたい)。

その前に、まずはその発端として、以下、参照されたい。自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏の昨年8月の署名記事、その下はそれに対する批判。

上の記事に、まずはこのツイートを捧げよう。

そしてインスタグム投稿を 2点。

1)

2)

この下にツイートのリンクも付すが、以下は、BDS Japan Bulletin の FB投稿より転載。

【飯山陽氏の説く「世界平和」とは?】
https://www.fnn.jp/articles/amp/75968
今さらながら特に気になる事実誤認/歪曲を5点。
1)「パレスチナの大義」は本来アラブ民族主義の主張。イスラム教の教義は直接関係ない。特にPLOはユダヤ人とシオニストを明確に区別してきた。
2)UAEはパレスチナの大義を捨てたとは一言も言っていない。一貫性はともかくも、むしろその逆だと主張している。
3)UAEが宗教を政治・外交から排除するなどということはあり得ないし、むしろイスラエルとの国交正常化をイスラームの文脈で正当化するのに躍起になっている。
4)イスラム教はユダヤ教が邪教だとかユダヤ人がブタやサルだなどとは言っていない。そのように聖典を解釈するイスラム教徒はいるかもしれないが一般化するのは酷い論理飛躍。
5)「パレスチナは私の大義ではない」よりも「パレスチナは私の大義」というハッシュタグの方が圧倒的に多く拡散されている。
感想2点。
・アブラハム合意の名の通り、「宗教的寛容」のイメージが全面利用されているにもかかわらず、「イスラム教=悪」から論を起こしているので、UAEやイスラエルにとってさえ迷惑であろう議論になっている。
・パレスチナにおけるイスラエルの占領・アパルトヘイト政策の現実に一言も触れない飯山氏の説く「世界平和」は、帝国主義者にとっての平和としか言いようがない。

そして、その 2日後に、スレッド内に以下ツイートが追加された。

上が, 昨年9月18日。一方で、下が今年5月15日。

7. パレスチナ/イスラエル問題の源は「宗教紛争」「宗教戦争」ではない, そして 〜 イスラエル批判者=ハマス支持者ではない(当然ながら!)

まずは前章で紹介した, 自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏による昨年8月21日付の署名記事(以下リンク先)に関しての感想を、この下に書いておく。

私はこの記事で初めてこの人(記事の筆者)のことを知った。今時、パレスチナ/イスラエル問題の源を宗教紛争、宗教戦争だと見做すかのような言説を堂々と真顔で(たぶん「真顔」なんだと思う)語る自称「識者」(「イスラム思想研究者。博士(文学)」を名乗る以上, 自称「識者」ということでいいだろう)がいて、それを使う「大手メディア」があるのか, というのが最初の感想だった。

半世紀くらい前の、パレスチナ問題や問題の発端、シオニズムのことなどがまだ現代のようにあまり知られていなかった時代の話ならいざ知らず。

とはいえ、フジ・サンケイのような「大手メディア」でこれを広められ、残念ながらまだまだ大勢いる「パレスチナ問題って何なの」という人たちがこれを「なるほど。分かった、分かった」「今まで知る機会がなくて, 今ようやく分かりました。目から鱗が落ちました。ありがとうございます!」と感謝しながら読んでいると思うと(ツイートの「いいね」の数は大したもの)、その影響について無視していいとは思えない。

ヨーロッパにおける長年のユダヤ人差別、19世紀末のフランスでのドレフュス事件、シオニズムの運動の起こり、フサイン=マクマホン協定、サイクス・ピコ協定、バルフォア宣言、そしてその後は更に(当然ながらパレスチナ人たちと何ら関係ない)ナチス・ドイツによるユダヤ人弾圧・虐殺と、それに伴うシオニズムによるユダヤ人のパレスチナへの移民の加速化・急増、そういう流れを知らないとは思えないのだが(「識者」が知らないはずがない)、それでなお、パレスチナ問題の背景や「パレスチナの大義」と言われるものを, 異なる宗教間の対立や宗教紛争・宗教戦争、あるいはムスリムからユダヤ教徒への一方的嫌悪などに、つまりは兎にも角にも「宗教」の問題に収斂させる、その見立ての乱暴さ。

パレスチナの指導者層、権力者層に腐敗や汚職があるのはそれ自体は事実であろうが(少なからぬパレスチナ人自身がそれを指摘している)、そんなことすら材料として使いつつ、最後は、アラブの国とイスラエルの国交正常化に反対しているのは世界が平和になっては困る国や人々なのだ、と。

正直、内容は荒唐無稽と揶揄して構わないものだと考える。しかしながら、それを笑って済ませられない現実は、実際にこの人のフォロワーが多いという事実と(中には批判的に見る為にフォローしている人もいるのだろうが, 察するにその種の人は率として小さいであろう)、一定の「影響力」だけはある「大手メディア」がこういう言説をばら撒く媒体役を果たしているということであろう。その現実がなければ、無視されるようなものなのだろうと思う。

因みに、この人は自身の件の署名記事をシェアした昨年2020年8月21日付ツイートのスレッドの中で、「... 高橋和夫氏、酒井啓子氏など日本の中東研究者やメディアが、ハマスやヒズボラなどイスラム過激派と共にこの国交正常化に反対したことを私は忘れない」(8月30日付, *1)と鬼の首を取ったかのような語り口でツイートしている(「鬼の首を取った」つもりなどないと言うかもしれないが少なくともツイートを読んだ側である筆者自身の感想はそういうものである)。

ハマスやヒズボラなどがアラブ諸国とイスラエルの「国交正常化」に反対しているからといって、現状においてアラブの国とイスラエルとの間の「国交正常化」に反対したり疑義を唱えているという高橋和夫氏(国際政治学者, 中東問題研究者)にしろ、酒井啓子氏(中東問題, イラク政治などを専門とする国際政治学者)にしろ、あるいはこの note 筆者 = 私を含むその他の人たちにしろ、そのことで即 ハマスやヒズボラの考えや活動に賛同していることにはならないことは、至極当然のこと であろう(こんなことは子どもでも理解すべきことである)。それをあえて同列に並べ、「過激派」や「テロリスト」に靡くような人達ですよという印象操作をするような語り口は止めるべきであろう。

むろんあの記事の中でその筆者 = 自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏がそう断じているのではないのだが、少なくとも言えることは、あのような語り口は影響力のある(フォロワー数を考えれば影響力が無いとは言えまい)「識者」に相応しいものではない。要するにあのような「印象操作」的な語り口はすべきでないと私は思う。 

率直に言って、パレスチナ/イスラエル問題に詳しい名のある(要するに「著名な」)知識人・学者・ジャーナリストなどで、件の自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏に関わることは面倒くさい, と考えている人は多いのではないかと思う。

その気持ちは分かる。著名でも何でもない, ただ パレスチナ/イスラエル の問題に対して長年関心を持ち, 現地(1967年6月の侵攻でイスラエルが占領した東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区, ガザ地区, そしてそれ以外の 1948年「建国」以来のイスラエル領)にも行ったことがある私自身として、たまたま過去にイスラエル兵とか, アメリカ合州国に住むシオニストのイスラエル人とか, あるいは私に突如「お前は反ユダヤ主義で無教育のバカだ」とメッセージを送ってきたユダヤ系アメリカ人("You're an uneducated anti-Semitic idiot!" といきなりメッセージを送ってきた、正直, まずは笑えた, あまりに笑えたので一言一句記憶してしまっている, 再笑)などとやり合ったことがあるのだが、直接やり合ってもとにかく時間の無駄にしかならないとつくづく思わさせられた, そんな経験があるからだ(自称 IDF, Israel Defense Forces の兵士, 本当かどうか確かめようもなかったが, そう自称してきた人物とは 3時間もの間, 互いの不十分な英語によるチャットでやり合い, 相手がパレスチナ/イスラエル問題の背景に関してあまりに無知で見識がなかった為ただただ消耗した)。

。。。。。。。。。

さて、筆者もそうだが, おそらくは多くの(日本では「殆どの」と言っていいかもしれないが)パレスチナ/イスラエル問題におけるイスラエル批判者も, ハマス支持者などではないし、基本的にハマスの主張やイスラム原理主義的統治などに対して批判者, それも大多数が強い批判者であろうが、

* 女性は男性保護者の許可なく旅行することはできない 〜 ガザ地区をサウジアラビア化しかねないハマースのイスラム法廷の愚(2021年2月22日付 note 投稿)

件の自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏はとにかく、パレスチナ/イスラエル問題に関してイスラエルに批判的な人々, あるいはその中の特定の人々を「テロリスト」組織の賛同者と印象づけたいようだ(本人はそんなことはないと言うのかもしれないが, 意図があろうが無かろうが, そういう印象を一部読者に与えているのは確かであろう) 。まさか本気で高橋和夫氏, 酒井啓子氏などを「ハマス」「ヒズボラ」派の類だと, この自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏は考えている?(この人が本気でそう考えているのかどうか, そんなことは「知らんけど」)

*1

*2 以下のツイートの件、念のため添えておくと、私は1979年「イスラーム革命」以来のイラン・イスラム共和国の「イスラム神政」統治に対して厳しい批判者であるが(今日のトピックからは離れるが, イランで民主的な選挙で選ばれていた世俗主義者・民族主義者のモハンマド・モサッデクによる政権が 1953年に石油利権を取り戻すことを狙ったアメリカ合州国 CIA, イギリス MI6 などの画策によるクーデターで失脚させられ, 代わりに皇帝パーレビ (モハンマド・レザー・シャー・パフラヴィー) が政治権力の座に据え置かれるような事態がなかったら, イランは中東随一の「民主的」社会を実現する可能性さえあったと思う)、少なくとも日本や欧米諸国においては私以外の多くの(パレスチナ/イスラエル問題における)イスラエル批判者も, おそらくは同様であろうと思う。

自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏 曰く,「殺し合いを続けたい人々が(アラブの国とイスラエルとの間の)国交正常化に反対している」んだそうだ。

8. BDS Japan Bulletin からの, 自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏 note 記事批判

因みに 私個人は、BDS Japan Bulletin のメンバーではない、念のため(ただしアカウントのいわゆる「フォロワー」である)。

以下の 1) が最近の, つまり本 note 投稿第3章の 2) で取り上げた自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏のツイートでシェアされた, 当人の note 記事の内容にかかる批判。続く 2) 3) 4) はやはり自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏批判関連。2) 3) は note で, 4) はツイート(最初の批判, ご覧いただければ分かる通り, この後, 自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏は批判者を速攻 (攻という字は相応しくないが) でブロックしている, これに関しては本 note 投稿第5章・第6章も参照されたい)。 その下は 2) に関連するメディア批判。

1) 多くの人に読まれるべき note 投稿テキスト。今日の筆者の note 投稿第1章で触れた東エルサレムのシェイク・ジャラ地区(シェイクジャッラ地区)に関する問題についても、以下リンク先 note 投稿の第3章「時間と空間の誤読」において詳しい記述が為されている。また、今日の筆者の note 投稿の前章(第7章)との関連で言えば、以下リンク先 note 投稿の筆者も, 当然ながらハマス(ハマース)に対して批判者である。ただしこれも当然ながら、イスラエルや自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏がハマス批判者であるというその立場とは, 明確にスタンスが違う(詳しくは本文にきちんと書かれている)。

2) これはメディア批判でもある, と言っていい内容。

3) 自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏に対する批判あり。

4) 今日の本 note 投稿の前々章, 第6章で取り上げたもの。2020年9月16日のツイート(スレッド)。(3) を見れば分かる通り、遅くともその2日後の 9月18日には, この自称「イスラム思想研究者。博士(文学)」氏は BDS Japan Bulletin のアカウントをブロックしている(何とまぁ「速攻」.. 「攻」? ブロック)。

(1)

(2)

(3)

本章の付録: 上の 2) に関連してメディア批判

付録

「アメリカ大統領選挙に世界の眼が集中する中、パレスチナ人のコミュニティを破壊したイスラエル 〜 そしてそれを擁護する日本人」(2020年11月13日付)

上記タイトルのもと, もう一人の日本人の例を紹介しつつ、参考まで, 今日取り上げた人も併せて紹介。


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