究極の純粋性とは?ミニマルアートの旗手ドナルド・ジャッドが辿り着いた境地
彫刻家の大黒貴之です。
今回はミニマルアートについての話をします。
ミニマルアートとは、1960年代前半から70年代初頭にかけてアメリカに台頭してきました。作品の素材や作家の手跡などを徹底的に排除して鑑賞者の目前にある作品を「モノ」として提示し、作品自体の純粋性を問いかけたアート概念です。
その例として、ミニマルアートの旗手ともいえるドナルド・ジャッドを紹介したいと思います。ジャッドが1965年に発表した「スペシィフィック・オブジェクト」という概念は彼の思想が凝縮された