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note クラシック音楽の普遍化を達成する

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クラシック音楽の歴史や作曲家、作品について、哲学的な視点から分析し、その普遍性や深さを探求する和田大貴のnoteです。クラシック音楽について語り合えることを楽しみにしています。参…
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2024年10月の記事一覧

クライスラー&バルビローリのベートーヴェン協奏曲

クライスラー&バルビローリのベートーヴェン協奏曲

40分超の全曲でSPレコード11面を要する大曲、ベートーヴェンのニ長調協奏曲。ベートーヴェン唯一のこのヴァイオリン協奏曲は、往年の名手による録音が数えきれないほど遺されていると思う。
その中で、自分が愛聴しているのは、フリッツ・クライスラー氏が2度目の録音として、当時37歳であったジョン・バルビローリ卿と共演した78rpm盤である。
高校生・学生時代からLP復刻盤で馴染んでいた同録音であったが、社

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室田尚子様の「オペラが『生きた芸術』であるために」について

室田尚子様の「オペラが『生きた芸術』であるために」について

宇野秀和と申します。長年のオペラファンの一人です。今回の「影のない女」上演はクラウドファンディングに参加し、上演は最終日を観劇しました。
室田様の論考を興味深く読ませて頂きました。大変冷静な論点整理がなされており、少し頭がヒートアップしている身としては、クールダウンするために有り難かった次第です。
やはりもっとも気になる論点は、女性差別的テーマとその上演における取り扱い方です。私も、このオペラのテ

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【補論】オペラ上演において、演出家の裁量による音楽の改変は許されるのか ~ 古典文学作品の取り扱われ方に関連して

【補論】オペラ上演において、演出家の裁量による音楽の改変は許されるのか ~ 古典文学作品の取り扱われ方に関連して

拙稿「オペラ上演において、演出家の裁量による音楽の改変は許されるのか」の中で、文学について次のように述べた。「文学作品の古典の中には、あらゆる差別、暴力、古い価値観が詳細に記述された作品がいくらでも見つかる。しかし、私の知る限り、文学を切り刻んだり章立てを入れ替えたりして改変する小説家、文芸評論家、出版社などは存在しない。古典文学作品はそのまま読むのが当然とされている。」この部分は、文学作品との対

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オペラ上演において、演出家の裁量による音楽の改変は許されるのか。

オペラ上演において、演出家の裁量による音楽の改変は許されるのか。

二期会「影のない女」最終日の上演を観た。オーケストラと歌手の皆さんは大熱演だった。この方々の演奏でカットなしの全曲を聴きたかった。
演出内容については支離滅裂。コメントする気持ちにもなれない。今回の上演を観て最も考えさせられたことは、下記の一点だ。

『オペラ上演において、演出家の裁量による音楽の改変は許されるのか。』

【オペラの芸術的価値の源泉は音楽】
オペラ作品において、最も芸術的価値が高い

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【御礼】伝説のピアノと共に〜原智恵子生誕110周年記念レクイエムコンサート出演を終えて

【御礼】伝説のピアノと共に〜原智恵子生誕110周年記念レクイエムコンサート出演を終えて

ご覧いただき、ありがとうございます。
ピアニストの吉村直美です🎹

81年前の同じ日付で、東京商科大学(現:一橋大学)での学徒壮行会で演奏された伝説のピアノでお届けする記念コンサート、

『原智恵子生誕110周年記念レクイエムコンサート』が無事に終了いたしました。

主催者(若き音楽家を育てる会会長)の上田幸伺様をはじめ、企画開催に携わられた関係者の皆さまのお陰により、

満席のなか、コンサート

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🇩🇪ハンブルク桜の女王歓迎会にて🇯🇵(東京)

🇩🇪ハンブルク桜の女王歓迎会にて🇯🇵(東京)

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ピアニストの吉村直美です♪

前回に続き、桜関連の記事です🌸

過日、NPO文化日独コミュニティ主催『ハンブルク桜の女王歓迎会』がドイツ文化会館で開催され、

ご用命賜わりましたドイツ語通訳🇩🇪🇯🇵を務めながら、楽しい日独交流のひとときを過ごさていただきました。

同協会では、今年はじめ、新年会コンサートにて、ピアニストとして出演いたしました🎹

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即興演奏🎹『さくらさくら』の春夏秋冬

即興演奏🎹『さくらさくら』の春夏秋冬

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ピアニストの吉村直美です♪

突然ですが、今回の記事では、『桜と音楽』について記載したいと思います。
というのも、ここ数年、気がつくとなぜか『桜』に大変ご縁があるためです。

(目次の項目から、選択箇所へ飛べますので、ご興味ある内容だけでもお読みいただければ幸いです🪽)

『さくらさくら』演奏の初披露はドイツでした🇩🇪

日本人に馴染みにある桜と音楽とい

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【出演のお知らせ】伝説のピアノで聴く〜原智恵子生誕110周年記念レクイエムコンサート

【出演のお知らせ】伝説のピアノで聴く〜原智恵子生誕110周年記念レクイエムコンサート

◆出演のご案内伝説のピアニストと称された原智恵子さんの生誕110周年記念『レクイエムコンサート』に出演いたします。

場所は如水会館(東京都千代田区・神保町駅徒歩約3分)
日程は、10月21日(月)です。

詳細は、チラシからご覧にくださいませ🎹

前半は、『レクイエム(鎮魂)』を込めたプログラムで、ピアノソロを🎹

後半は、『今に喜びを持って生きる』をコンセプトに、歌とヴァイオリンのデュオと

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【御礼】「音と心が響くとき」   Flute Clarinet Piano トリオコンサート終えて

【御礼】「音と心が響くとき」 Flute Clarinet Piano トリオコンサート終えて

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ピアニストの吉村直美です♪

アーリーバード・アクロス駒込(東京都豊島区)で開催されたフルート・クラリネット・ピアノトリオコンサート。

◆ 御礼

お陰さまで、満員御礼の中、無事に終了いたしました🙇‍♀️
平日にも関わらず、お運びいただきました皆さま、ありがとうございました😌

会場のEarlybirds Across様が、当日の様子について、早速に記事

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【出演のお知らせ】「音と心が響くとき」   Flute Clarinet Piano トリオコンサート

【出演のお知らせ】「音と心が響くとき」 Flute Clarinet Piano トリオコンサート

ご覧いただき、ありがとうございます!
ピアニストの吉村直美です♪

芸術の秋を迎え、コンサートラッシュの時期にもなりました🍂🎶
(関東は、まだまだ夏な感じですね🌞)

◆(残席僅か)コンサート出演のご案内NOTEでのご案内が直前となりましたが、出演のお知らせです🎶

お席残り僅かとのことですので、ご参加ご希望の方でご予約が未だの方は、主催者へお問い合わせいただくことをお勧めいたします🙇‍

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小説家のようなシューマン

小説家のようなシューマン

シューマンに惹かれている理由が
少しずつ見えてきた
まるで小説家のように
様々な登場人物を音楽の中に散りばめて
あたかも「物語」を読んでいるような
そんな錯覚に陥るからか・・・

彼の書いた音楽評論が残っていて
読むことができる
まるで時空を遡るようで
興味深い

シューマン著であるにも関わらず
彼は自分以外の人物を登場させて
ドラマチックに音楽について
語っている

情熱的なフロレスタン
論理的

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