見出し画像

国際通りのネギ背負った鴨

最近会社の同期と那覇市国際通りの近くで飲み会がありました。予約したお店には現地集合することになり、時間に多少のゆとりを持ってお店に向かっている道中、1人の外国人に声をかけられました。
Hey bro.
Do you speak English??


初めまして、だいきです。


 私は良くも悪くも人に話しかけられやすい体質のようで、色んなところで声をかけられたり、店員さんとよく雑談したりするんです。そんな私を見て「なんで?」と友達に聞かれることがありました。イケメンじゃないし低身長だし、男性から声をかけられることも普通にあるので、私が聞きたいくらいです。今のところは、童顔かつ低身長なので警戒されないんだろうなという結論に至っています。なんて得な体質なんだ。


外国人に声をかけられるなんてそんなに多いイベントではないですし、なんか面白いことが起きるかな?なんていう希望的観測が体の芯に入っちゃってるせいで、私は脊髄反射で返事をしてしまいました。
yes!yes!yes!yes!
a little bit👌
今思うと、まともに英語喋れないくせに何をしているんだかと言う感じです。
その外国人男性に近づくと、ダンボールが床に敷かれ、その上に並ぶ怪し過ぎるブレスレットの数々が見えてきました。いや本当は最初から見えていましたよ。怪しいものを売られると分かっていました。でも好奇心が勝ってしまった。その外国人と話してみたいという欲求が抑えられなかった。だから押し売りされても最悪断ればいいやなんて心の中で思いながら、ルンルンで話を聞きに行ったんです🦆

Hey bro.
Do you speak English??

yes!×4
A little bit…

Okay, i’m from US.
I’m traveling around Japan selling prayer beads. Tokyo Chiba Ibaraki Osaka Hyougo Mie Fukuoka Nagasaki etc ☜訳わからんくらい県名が出てきた

Oh really?great!great!
I’ve never been to US.
How about Japan? ←間違え表現らしい

There are so many beautiful place in japan.

That’s good👍


とまぁ正確に覚えているわけではありませんが、他にも名前を聞かれたり仕事の話をしたりと、よく有りそうな会話を稚拙ながらにしていました。数珠を売って日本中を旅しているアメリカ人。数珠というチョイスに面白みを感じます。英語を喋ることなんて日常生活の中に殆ど無いので、とても新鮮で楽しかった。

一つ買っていかない?
値段は君が決めていいからさ。

英語でそう言われて、もともと装飾物を一切持たず着飾るのがあまり好きではない私が、流れに任せて買ってみることにしました。買うことにしたのはラピスラズリの石で作られたものです。提示した金額は2000円。おそらく原価率でいうと相当低いと思います。そもそも本当にラピスラズリであるかも怪しい。でも私は2000円の価値をその数珠につけました。

いつもならお金の無駄遣いは避ける傾向にある人間だと自分で思っています。ほぼ毎日自炊していますし、楽に節約する工夫を生活の一部にいくつも作っています。でも今回は敢えて変な経験をしてみようと思い、国際通りのネギ背負った鴨の一匹に成り下がってみました。少しだけ資本主義経済の悪い良い例になれた気がします。
今回の経験も含めて、価格が価値を決めると思ってしまわないように気をつけたいところです。チューリップバブルみたいな事件もあるくらいですからね。
歴史は繰り返さないが、韻を踏む。私は韻を踏んでしまわないよう、財布の紐には細心の注意を払っておこうと思います。殆どキャッシュレスに移行して注意を払う紐さえ無くなったのはまた別の話にでも。

いいなと思ったら応援しよう!