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おしまいのデート/瀬尾まいこ
短編集。
サクッと読める。
某本屋さんにてオススメコーナーに置いてあり
タイトルや裏表紙の内容に惹かれて購入。
一作目の、表題作でもある「おしまいのデート」
“両親が離婚し、娘の彗子はしばらく父親と会っていたが、ある日から父親が代わりにやってきて定期的に二人で会うようになった。”
という内容である。
写真を撮った彗子の気持ちや背景が切ない。
本作はどの作品も「最後のデート」を描いている。
ある人やあることがきっかけで習慣になっていた何かが“おしまい”になる。
また、どの作品も本音を言わないキャラクターが必ず出てくる。
少しひねくれキャラといっ素直になれないキャラというか。
収録作の中で私が一番好きなのが「ランクアップ丼」
優しく温まる一作だ。
読んでいて卵丼が食べたくなる。
余談だが
私の家は親子丼は食べないが、卵丼はよく食べていた。
個人的にはどの作品も少し心理描写が薄い。
物足りないというか、読後感が少しモヤッとするというか、スッキリ感が弱い。
おそらくその要因は
主人公にとって深い関係の人の気持ちが読み取りきれないからだろう。
それでもこの作品は
それぞれの人生で忘れられない特別なデートを集めたような素敵な一冊である。