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食品製造業として大切なこと

今から書くことは自社の恥をさらすことになると思う。

でも事実、そして今から大いに変わると信じている。

この瞬間から過去の話として捨て去っていることを願う。

弊社は水産加工の製造メーカーだ。創業者は私の父親。

今年で62年も続く本当に素晴らしい会社である。

会社の始まりは某老舗蒲鉾店の社員だった父親が、自分の技術を世に問うために独立し、尽きない発想力と圧倒的な技術力をもって新しいものを世に送り出してきた。

当時は参謀のように脇を固める技術者集団も社内におり、その集団をまとめる番頭のような存在もいた。

圧倒的な開発力と技術力生産力は、業務用高級珍味食材というマーケットではトップシェアを誇っていた。

市松


しかし、今はどうだろうか。

創業者が亡くなり8年がたつ。

私がこの会社に戻り4年が過ぎるがヒット商品は生まれていない。

私の力不足はおおいにある。私は父親ほど万能でない。

なのに、いまだに会社を継続できている。創業者が残した過去の商品の遺産で食いつないでいるといっても過言でない。

新商品案として出てくるものはあるが、

「誰のため?」「何のため?」「誰の願いをかなえるためのもの?」

という問いには急に口が重くなる。

口うるさく「誰の?」「何の?」を繰り返し少しは浸透したのかしないのか。

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でも経営者として止めてはいけない手の一つだと思っている。

カリスマ創業者からの脱却。「客は俺が選ぶ」時代から

会社全体が「お客様を想い、選ばれる商品つくり」の思考に移らない限り次の60年は無いと思ってる。

お客様からはこんな初歩的な事も出来てない会社と思われると思う。

読み終わった瞬間から全部過去。

次の瞬間に何か変わってることを信じて。

だから今日も私は「それは誰のために作ってる??」「誰の気持ちに寄り添って作ってる?」と問いかけ続ける。


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