- お酒でいいこと 悪いこと -「サワイ健康推進課」より
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●「酒は百薬の長」といわれる理由
お酒はリラックスやストレス解消、コミュニケーションの仲立ちにと、さまざまなメリットがあり、「酒は百薬の長」という言葉もよく知られています。
近年にも「まったく飲まない人よりも、適量飲む人の方が長生き」という研究報告があります。
有名なのは1981年にイギリスのマーモット博士が発表した「Jカーブ」を示す調査結果で、適量飲酒する人はまったく飲まない人や飲みすぎる人に比べて死亡率が低く、これをグラフに表すと「J」の字になることからそう呼ばれています。
もちろん、アルコール耐性や年齢、健康状態によって適量は異なり、
また、お酒を飲めば必ず死亡率が下がるわけではありません。
お酒の種類で言えば、
ワインにはさまざまなポリフェノールが含まれ、抗酸化力が高いことが知られています。
日本酒はアミノ酸やビタミンが豊富で、シミの元になるメラニン色素の生成を抑えるという働きも。
ビールには葉酸や、カルシウムなどが含まれ、整腸作用や鉄分吸収促進作用があることがわかっています。
●女性は特に気を付けて アルコールの害
ただし注意すべきなのは、いずれの効果も「適量飲酒」が前提であるということ。
厚生労働省が推進する「健康日本21」(21世紀における国民健康づくり運動)によると、
純アルコールにして、1日平均約20gが「適量」と言われています。
純アルコール20gというのは、ビール中びん1本、日本酒180ml、焼酎110ml、ワイン180ml。
女性はこれより少なめが適量とされます。
女性は男性より体脂肪の割合が高く、アルコールは脂肪に溶けにくいために
血中アルコール濃度が高くなりやすいことや、女性ホルモンがアルコールの分解を抑える作用があるため、
男性より少ない量でもアルコールの影響を受けやすいからです。
特にお酒が飲めない人が無理に飲むのは避けたいもの。
お酒が飲めない人、お酒が弱い人は、アルコールが代謝されてできる
「アセトアルデヒド」という毒性の強い物質を分解するALDH2という酵素の働きが弱いため、
アセトアルデヒドの影響を強く受けてしまうのです。この酵素の働きは生まれつきで、
お酒を飲む回数や量を増やしても、酵素の働きが強くなることはありません。
このタイプの人が無理をして飲むとがんの発症リスクが高くなることも知られています。
●健康にいい飲み方の工夫を
お酒が飲めない人が、わざわざ健康のためにお酒を飲む必要はありませんが、
お酒が飲める人も、下記のようなことに気をつけて、より健康的にお酒を楽しみましょう。
①空腹でお酒を飲まない
お酒は胃で約20%、小腸で約80%が吸収されますが、空腹=胃が空っぽの状態で飲むと、
アルコールが胃から腸、腸から肝臓へ流れていくスピードが速くなり、アルコールの血中濃度が急に高くなります。
すると酔いやすいだけでなく、胃の粘膜が荒れて、胃や食道の炎症や潰瘍の原因にも。
お酒を飲む時はチーズなどの乳製品や枝豆など、低カロリーで高たんぱくのおつまみをとるよう心がけましょう。
胃の粘膜をダメージから守ったり、肝臓の働きを助けてくれます。
②大量の水と一緒に飲む
お酒を飲みながら合間に飲む水、いわゆるチェイサーのことを「和らぎ水」とも言います。
アルコールは肝臓で分解されますが、その過程で大量の水が必要です。
お酒と同量か、それ以上の水を一緒に飲みましょう。
焼酎やウイスキーは水割りやお湯割りで飲み、
日本酒やワインの場合はチェイサーを一緒に頼むとよいでしょう。
合間に水を飲むことで、お酒を飲むスピードを遅くして飲みすぎを防ぐ効果もあります。
③寝る直前には飲まない
眠れないからと、寝る前の「寝酒」を習慣にしている人はいませんか。
確かにお酒を飲むと、寝つきは良くなりますが、就寝中の脳は興奮状態に。
深い眠りであるノンレム睡眠が得られず、眠りの質が低下することになります。
お酒は眠りにつく3時間前までに、食事と一緒に楽しむようにしましょう。
「サワイ健康推進課」より