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自店の品揃えは高い?安い?、買い頃の値段っていくら?を判断する。

とある商品や品揃えが消費者から、高く感じられているのか?それとも安く感じられているのか?ということを考えたいと思います。

もちろん、その商品が本当に高かったのか(コスパが悪かった)、安かった(コスパが良かった)のかについては、購買後の満足度に起因するものですので、商品自体の価値の議論になるかと思いますが、

今回は、”購買前”に競合などと比較し、消費者から安いと感じられているのか?高いと感じられているのか?、そして消費者が買いやすいと思われているのか?についてのお話しです。


消費者はどんな基準で比較・検討する?

来店時や購買の前に消費者が考えることは、

①「予算に見合った商品がありそうなお店か」

②「どのお店が安そうか?」 (あまりないですが、高そうか?)

の大きく2つの視点であると考えています。そういった中で、①の印象を抱かれて、もしくは②のように他店との比較によって、選ばれるためにはどうすべきかを考えていきます。


まず、上記を考えるにあたって、まず覚えておいて欲しい観点があります。

「中心価格」という考え方です。

これは”心理的平均価格”を指すもので、買い頃価格とも呼ばれます。中心価格は、下記のように通常の平均価格とは異なる算出方法をとります。

中心価格:√上限価格×下限価格=〇〇

平均価格:上限価格×下限価格/2=〇〇

例えば、上限価格10,000円、下限価格1,000円の品揃えがある場合、

中心価格の算出では3,162円、平均価格の算出では5,500円となります。中心価格の計算では必ず、平均価格よりも低くなります。

シンプルに考えると、ある品揃えがある場合、平均価格前後が売れるだろうイメージがありますが、実は最も売れやすい(消費者が買い頃と判断する)価格はこの中心価格である場合が多いのです。

また、この中心価格は、”心理的”平均価格というぐらいなので、その店の価格的イメージ(A店は〇〇円ぐらいのものがあるよね~。Bを〇〇円ぐらいで買いたいからA店に行こう。)に繋がってきます。


中心価格を使った他店との比較

この中心価格という観点を用いて、他店との比較を考えてみます。

例えば、飲食店を営んでいるとしましょう。商品内容はさておき、価格において消費者が判断をする場合、

A店(自店):上限12,000円、下限4,000円で商品展開 

B店(競合):上限14,800円、下限3,000円で商品展開

をしているとします。平均価格では、A店は8,000円・B店8,900円と時点が1,000円弱下回っており、上限価格もA店のほうが2,800円も安いのですが、中心価格の面では、A店が6,928円、B店が6,663円とA店を下回っており、心理的にはB店の方が安いという印象を抱かれやすいのです。

A店の対策はシンプルで、この場合では中心価格を下げに掛かることが大切ですので、

・上限価格を10,000円に下げる。(この場合の中心価格は6,324円)※下限価格は維持

・下限価格を3,500円に下げる。(この場合の中心価格は6,480円)※上限価格は維持

になります。

また、中心価格は算出方法の特性上、下限価格を下げる事のほうが影響度合いが大きくなりますので頭に入れておいて頂けるとより良いです。


中心価格を応用する

また、上記の例では、商品全体の中心価格を想定しましたが、これをもっと細かく見ていくならば、商品カテゴリーごとに中心価格を把握、調整していく必要があります。

居酒屋などの業態であれば、フード・ドリンク・コース(飲み放題付きセット)で大別できると思うのですが、例えばドリンクを値頃と感じてもらって集客をしたいならば、

競合他店とドリンクカテゴリーの中心価格を把握し、価格の調整をしていく必要があります。フードについても同様です。

もっというと、ハイボールが安いという印象やハイボールをフロント商品で集客したいなら、ハイボールカテゴリーの中心価格を把握し、価格の調整をしていく必要があります。

店全体としてのイメージなのか、どの商品やカテゴリーで集客をしたいのか、すべきなのか、によって中心価格の対象となるもの、幅は変わります。

是非自店がどのポイントで見るのかという事も併せて考えてもらうとより実践的にこの中心価格という観点を使ってもらえると思います。


中心価格と品揃えの強化

では、実際に中心価格を調整したとしましょう。これだけでOKかといえば決してそうではありません。。。。

中心価格は、上記でも触れたように、消費者から見る買い頃(買われやすい)価格でもあります。

そのため、中心価格を調整した後に、店側が買わせたい価格や高い価格に商品を厚くするのではなく、

中心価格前後に商品を厚く品揃えをすることでより売上を伸ばすことが出来るのです。

先の例の場合、A店の中心価格は6,928円(上限12,000円、下限4,000円で商品展開)でしたので、6,000~7,000円台の商品、同一予算帯である5,000円予算(4,000円~7,999円)の商品に厚みを持たせる必要があるのです。

【予算帯に関する記事はこちらから】

これによって、消費者にとっての買い頃価格に品揃えが増え、より購買がされやすい品揃えとなっていきます。


これまでのお話は、あくまで競合の価格を潜る(安く見せる)という観点でしたが、

ある程度自店の客単価が決まっている中で、単価を上げたい、高い価格のものを買って欲しい、といったこともあるかと思います。

しかし、むやみやたらに高い商品を投入しても、お客様には価格の高い品揃えという印象を与えかねませんので、

適切な価格の商品を投下する必要がありますので、ここでも中心価格を利用します。

例えば平均客単価1,000円(ここでは大よその中心価格とします)で、これを1,200円まで引き上げたいとします。下限価格が800円だった場合、

1,200円²/800円=1,800円

という計算になります。計算式としては

(引き上げたい)中心価格²/下限価格=(品揃えすべき)上限価格

となります。



これまでお話しさせて頂いたような、品揃えのテコ入れは労力の掛る部分ではありますが、

中心価格を把握することはすぐにできる事かと思いますので、

自店が競合他店と比べて価格は適切かなどを考える機会に使ってみてください。

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