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マーケット内の自店のポジショニングとそれに合った戦略を知る。

自店が市場において、どこのポジションかによって戦略とやる事が変わる。

聞くと当たり前ですが、ポジション把握も含め、正しく行えている企業・店舗が全てではないと思います。

今回は、自店のポジショニングによる戦略をお話できればと思います。

自社マーケット内ポジションを知ろう

まずは自店の市場内ポジショニング把握についてですが、下記の記事にて書かせて頂いておりますので、是非この記事を見る前にご覧下さいませ。

こちらの記事は、売上(=現状の業績結果)からマーケットシェアを算出し、ポジションを把握するものでしたが、

一方で、マーケット内におけるポジションを把握する理論として、

【競争地位の理論】というものがあります。

リーダー、チャレンジャー、ニッチャー、フォロワーの4分類に分けるものです。この名称を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

これはマーケットシェアも加味されていますが、量的経営資源(ヒト・モノ・カネ)と質的経営資源(技術・独自性)によってポジションを把握するものになります。

マーケットにおけるポジションとその捉え方・役割

マーケットシェアによるポジションを把握する事とは一概に同じとは言えないものですが、この2つを組み合わせて、私の中ではこういった捉え方をしています。

リーダー=1番店 ⇒ 市場内では最大のマ-ケットシェアを持ち、業界や市場を牽引する立場にある企業や店舗。量的・質的にも潤沢な資源を持っている。

チャレンジャー=2番店 ⇒ 市場内の2番手企業であり、リーダー企業を追ってトップシェア奪取を狙う企業や店舗。量的にはある程度潤沢であるが、質的な資源でリーダーに及ばない状態。

ニッチャー=3~5番店 ⇒ 市場内ではリーダー、チャレンジャーほどマーケットシェアはない企業や店舗。量的には潤沢でないもの、質的な資源を活かし、独自の地位を築く。

フォロワー=6番店以下 ⇒ マーケットシェアは小さい企業や店舗。上記のプレイヤー達ほど量的・質的な資源が潤沢でなく、競合が多数ある状態の企業や店舗。


マーケット内ポジションごとに取るべき戦略

それでは、この各ポジションについて、どんな戦略をとり、どんな事をすべきを見ていきましょう。

リーダー=1番店:

トップランナーであるこのポジションは、「シェアの維持・拡大(落とさず広げる)」「新たな需要の創出」が主な役割であると言えます。そのため、競合店の商品を扱い同質化(競合の独自性を消す)させ、商品(業態に沿った全カテゴリー)や販促(紙・Web・看板など)においてもフルラインナップで揃える事が必要になります。また、新たな需要や顧客を開拓し、当該エリアにおける市場を拡大・活発にすることが求められます。

例えば、居酒屋で考えると、品揃えのところでは、フード(揚げ物、焼き物、一品・・・など)やドリンク(ビール、ハイボール、サワー、ソフトドリンク・・・など)で抜け漏れなく全てを取り揃え、販促におけてもチラシ・ポータルサイト・グーグルマイビジネス・看板などあらゆる手法を行うといったイメージです。また、新市場開拓の面では、男性客中心のマーケット状況であれば、流行のフルーツサワー・韓国テイストの料理などを開発・投下し、女性顧客という新しい客層を増やすといったイメージです。


チャレンジャー=2番店:

トップシェアを奪取したいと考えるポジションですが、リーダーに比べると、量的・特に質的資源において劣ることが多いです。そのため、リーダーとの真っ向勝負でなく、差別化をすることが至上命題です。そのため、価格による差別化(同じ割引設定の場合、経営的な影響が大きいのはリーダーであるため)や、商品による差別化(リーダーが扱えないもの)などが考えられます。

またですが、居酒屋で考えると、1番店に似通った商品の品揃えにしながら〇〇円均一での打ち出しや、売れ行きの良い主要商品の価格を引き下げ(※もちろん原価計算・調整はした上で)、安価に利用できるイメージを顧客に抱いてもらう事などがあります。また商品については、一番店ができない(仕入れ、店舗設計、品質管理など)商品カテゴリーの取り揃えが必要です。※凄く突飛ですが生簀作って鮮魚カテゴリーを作るとか。。。。


ニッチャー=3~5番店:

3~5番店といっても、市場内の地位は約束されたとは言えないため、それを確立する必要があります。また基本的には、量的資源が上位2つには追い付いていない事と質的資源をある程度保有している事が前提条件ですので、専門性の磨き込み・専門特化が戦略の主な方向性になります。リーダー・チャレンジャーの模倣では歯が立たないですし、質的資源を活かし得意な領域を作る、領域で戦うが良いと思っています。

またまたですが、居酒屋で例えると、最近流行りの〇〇専門店、〇〇と〇〇が旨い店のような業態のイメージになります。巷で見る専門店は業態とリンクしており、食材や商材に特化している場合が多いです。飲食業界は、業態進化のサイクルが早く、特化する食材がより細かくなったり(肉⇒牛肉⇒ハラミ、魚⇒鯖など)、調理法(低温調理、炭火焼き、土鍋炊きなど)や味付け(スパイス・漬け込み)に言及したり、コンセプト(〇〇専門⇒〇〇×〇〇、食材・調理のストーリー)を磨き込んだりとなっています。※この辺りはまた別の機会にでも・・・・・・


フォロワー=6番店以下:

6番店以下では競合が多く、他店と競り合い、常に脅かされる状況です。このポジションで大切なのは、ある種当たり前ですが、売上=マーケットシェアを獲得し市場で埋もれない事です。また、売上を獲得し、経営を安定させ、量的(=カネ)、質的(=経験・ノウハウ)資源を獲得することにあります。そのため戦略は、上位や成功している企業・店舗の商品やサービスと同等もしくは類似するものを安く提供する、同じ手法の販促施策を行うなどの模倣追随(=TTP)が主たる戦略になります。

これは居酒屋以外でも該当すると思いますが、チャレンジャーは経営リソースが限られている分、できる事は限られていますので、店舗・商圏性・業態・人財規模に合う商品の保持や販促施策を判断し、絞り込むことが必要となります。また初動で何が効果的かを絞り込めない場合はABテスト的に効果検証をして、積極的に投資を行う最適解を導く必要があります。


ここまでは売上=マーケットシェアを上げ、1番店を目指すことを前提に書かせていただいてますが、特にニッチャーなどはこの独自ポジションを維持することが中長期的に考えている企業・店舗もあるかと思いますが、

売上を伸ばすに当たって、上を目指すに当たって、自店の戦略に迷っている、逆に競合他社は今後どんな戦略を考えるのか?などの参考にしてみてください。

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