読書感想文「射精道」
成人になると、男性女性問わず性教育の講義を受講するとか、学術的な知識を得られる機会は多くありません。ゴシップ誌などの下世話な記事、アダルト動画くらいでしょうか。
おかげで現実的に一生涯経験することの無いプレイの知識やアダルト女優の名前、それに関する英語のスラングに関する知識は深まるものの、性というテーマに関して自分の心と身体に今後どんな変化が起こるのか、など身近で必要な知識を得る機会はありませんでした。
この著作もTwitterことXでAV男優の方が良著と紹介していて知りました。
この本は聖隷浜松病院の泌尿器科に属する医師である今井伸氏の著作です。今井氏が射精道と命名した陰茎の取り扱い方が主な内容なのですが、男女の性欲の違い、年齢を重ねた時の性欲との付き合い方、男性の更年期障害、射精障害の克服方法から日本における性教育の歴史など、ネタ本と思いきやかなり真面目な内容です。
30代後半から男女問わず身体の変化が起こるものですが、学生時代に学ぶ保健体育の教科書ではスポーツに打ち込むことで性欲を解消できるとか、そんな訳ないだろうという知識ですら正しいものと教育された私たちの年代にとって、専門家からはっきり否定してもらうというのは大事なんだなと。こういう長年の疑問が解消される意味でも読む価値がありました。
それにED治療薬の種類の違い、男女の性欲のピークに差があること、射精障害の治療にTENGAが活用されている事実などは知る機会は少ないと思うので、良い勉強になりました。ゴシップ誌だとせいぜい女性の出身地別のセックス時の喘ぎ声の違い特集、くらいの何の役にも立たない記事ばかりですから(笑)
自信を持ってオススメ出来る良著ですので、もし手に取る機会があれば読んでみてください。