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[2章1項]人の心を動かす仕事が本物。そのためにはまず「自分の心を動かす仕事」をしないといけない。

先週に続き、今日は第二章「儲ける力」の第一項について読んでいきたいと思う。

第一項 お客様を喜ばせたいと腹の底から思う

全てを「お客様のために」徹する
商売の原点。それは、「お客様のために」です。
よく聞く言葉なので、「そうですね」と表面的に理解した程度で終わらないで下さい。そういう人に限って、読み終わって、仕事に戻った瞬間、この言葉を忘れ、自己都合の商売をしているものです。
「お客様のために」とは、そんな軽いスローガン的な美辞履魔句としてあるのではなく、商売に関するありとあらゆることを、これに徹するという意味です
徹するということは、最初から最後までということですから、商品を企画する時は「お客様の笑顔」を思い浮かべるところから始め、途中も「お客様の笑顔」のために一切妥協することをせず、そしてお店もまた、「お客様の笑顔」のために最高に買い物がしやすい売場を作るということです。
こうしたことが、それぞれの職場でもまた徹底されているかということです。
「会社は誰のためのものか」と聞かれたら、「お客様のため」というのが本質です。
MBAの教科書では「株主のため」と書いてあるかもしれませんが、本末転倒です。
また、社員あっての会社ですが、「社員のため」というのも本筋ではありません。
会社は、お客様にお支払いいただくお金で成り立っています。そのお客様に対して「わが社の株主を幸せにしたいので、うちの服を買って下さい」とか「わが社の社員の幸せのために、うちで服を買って下さい」とで」も言うのでしょうか。明らかにおかしい話です。

お客様のために一途になること。それが成果を生み、結果として株主や社貝も幸せになれるのではないかと明います。
商売は、毎日お客様から投票をいただいているようなものですから、お客様のためを思って活動していない企業にお客様が投票して下さるはずはないのです。
ファーストリテイリングは急成長した特別な会社のように言われますが、何か特別なことをしたわけではなく、この考え方を真剣に、一途に実行してきたから、成長できたのだと思います。

お客様の笑顔のために大切な三つのこと
お客様を喜ばせようと思ったら、私は次の三つのことを大切にすべきだと考えます。
一つ目は、
お客様をビックリさせようと思わなくてはいけない」ということです。
お客様が、「これは体験したことがない。すごい!」とか「ここまでやってくれるの!」などと、ある種感動を意えるようなこと、これを自分の職務・職場にあてはめて、常に考えるようにするということです。
本当の顧客満足とは、
お客様が欲しいと思っているものを、お客様が想像もしない形で提供するところにあります。
「なんだ、こんなものか」「これだったら他にもある」という程度だったら、何の印象もお客様には残りません。「こうきたか、おぬしやるな」。こう思っていただいてはじめて、ファンになってもらえるのです。
そうなるためにも、次の二つ目が大事です。それは、「お客様の声は重要だが、その一枚上手をいこうとする」思老習慣を持つということです。
ご存じのように、経理念の第一条は「顧客の要望に応え、顧客を創造する経営」です。
要望に応えようとと思ったら、「お客様がいったいとういうことを考えているのか」「どんな心の状態にあるのか」といったことを、微底的に知ろうとする努力がなくてはいけません。
ですから、お客様の声に微底的に耳を傾ける必要があります。直接店頭で聞く声、そしてデータから読み取れる声。お客様の声を聞こうとしなければ、要望に応えることはできません。
しかし、ここからが難しいのですが、とても重要なことがあります。
それは、その声を鳴存みにして、そのままの形で提供すると、とんでもないことになるということです。
つまり、声を形にしたのに、思ったほど支持されないという結果になりがちだということです。
なぜこんなことが起きるのでしょうか。
それは、お客様はまだ見たことがないもの、体験したことがないものを求めているからです。お客様の本当の要望とはここにあるのです。
直接、明確に言っていただければいいのですが、実際にはまだ見たことがないもの、体験したことがないものですから、それを「これです」とズバッと具体的にお客様側が言うことは不可能です。

もし、「こういったもの」と言って言語化あるいは具体物で示すことができたとしても、それは、そうやってお客様側が示せた時点で、世の中にすでに存在しているものですから、我々が形にしたところで、感動してくれることはなく、思ったほど支持されないのです。
お客様に教えていただけるのは、あくまでも問題点やニーズなのです。
それをプロである我々が、想像力と創造力を働かせて、「それは、こういうことではないでしょうか」とお客様の期待を、一枚上手をいくような形で超えていく。ここに、お客様からした時の本当の付加価値が生まれるのです。

これは商品などの形になるアウトブットばかりでなく、接客などのサービスの場面でも同じことが言えると思います。記憶に残るような感動的なサービスというのは、やはりこちら側が期待していたものを、「ここまで私のためにやってくれたのですか」などと、いい形で超えてきたものに出会った時です。

論理・分析的なアプローチは欠かせません。しかし、それと同時に、こうしたアートに近い感覚のアプローチも重要で、逆に言うと、それがないと、お客様の期待の一枚上手をいくような商品やサービスは作れないということです。
この感覚を身につけるためには、やはり、本当にいろいろなことを勉強して、いろいろな人と話をして、いろいろな物を実際に自分が見て、体験して、そして自問自答をするという日頃の研錯が欠かせないと思います。

そして、何よりも、本当にお客様のことを最優先で考え、本当にお客様の笑顔を見たいという、お客様への愛情の気持ち、この気持ちを心から持っているということが大切だと思います。

三つ目は、「提供者である自分たちが、本当にいいと思うもの、本当にいいお店だと思うものを作る」ということです。
誤解しないでほしいのですが、これはお客様の要望を無視して、自分勝手に、自分たちの作りたいものを作るという話ではないということです。
ベースとなるのは、ここまで述べた二つのことです。その上で、「本当にそれは自分がお客様だとしたら何枚も買いたいと思うような服か」
「本当にそれは友だちゃ家族など、自分の愛する人たちにも着てほしいと思うような服か」
「本当にここは、自分がお客様だったら、毎日来たくなるような店か」
「本当にここは、自分の子どもや家族に自慢できるような店か」
などと思えるものになっているかどうかということです。
自分がそれくらい愛せるものを作るということです。
そうでないと、人間、本気で売りたい、買っていただきたい、来ていただきたいと思わないのではないでしょうか。
お客様は敏感です。売り手のそんな気持ちが伝わってこない商品や店なんて一発で見抜きます。だから絶対に売れません。

お客様には見抜かれる
ユニクロでこれまで完れた商品の共通点を探すと言えることは二つです。
一つは「これまでになかったもの」です。あったとしても、価格が高くて一般の人の手に届かなかったものです。届いていないのですから、これもなかったのと同じです。
もう一つは「売る側が信じて売っている商品」です。
「これを買って下さい。絶対にいいものです」
売る側がそう断言できる商品です。
まさしく、この項で話してきたことを兼ね備えたものが、やはり売れているのです。
お客様のために、お客様に本当に喜んでもらおうと思うと、この項で話をしたようなアプローチが欠かせないということです。そして、それが本物であれば必ずお客様に伝わる、通じるということです。
やはりお客様には確実に見抜かれるのです。

イメージが大切

徹するということは、最初から最後までということですから、商品を企画する時は「お客様の笑顔」を思い浮かべるところから始め、途中も「お客様の笑顔」のために一切妥協することをせず、そしてお店もまた、「お客様の笑顔」のために最高に買い物がしやすい売場を作るということです。

「お客様の笑顔」というと、僕はどうもベタな言葉として捉え、右から左に流してしまっていたように思う。だから今日はこのことについて少し考えてみようと思った。

お客様を笑顔にし、お金を支払っていただくことを目的とするならば、その手段は言うまでもなく仕事になる。さらにわかりやすく言うと仕事とは「お客様の困ったを解決すること」だ。もう少し噛み砕いて考えてみると、お客様が「何に困っているのかを特定し」、「その原因を分析」、「解決策を講じて」、「どれだけお客様に喜んでいただくのか」を考え抜くこと、実践することが仕事だと思う。

この各工程で、「いかにお客様の笑顔を想像できるか」が大切になるのだろう。確かに、お客様の笑顔をゴールとしてから逆算するように目の前の仕事に取り組むことができれば、きっとそのやり方も変わってくるだろうと思う。今この瞬間も、お客様の笑顔を想像したら「付加価値を上げるために自分が何をすべきか」というアイデアが少し浮かんできた。

人は困るとストレスを抱える。そのストレスを解消するお手伝いをすることが、きっとお客様の笑顔に繋がり、(お客様からの)ありがとうを集めることに繋がるのだと思う。そう考えたら僕自身もやる気を自然と生み出せるように思う。もしかしたら内発的動機はこうやって見つけていくものなのかもしれないと考えたり。

お客様の笑顔をイメージをすることは大切、これは今後毎日怠らないようにやっていきたい。ゴールをイメージすること、より具体的に。きっとそうすることで仕事をする上で「正しい目線」を手に入れられるように思う。

人の心を動かす仕事が本物。そのためにはまず「自分の心を動かす仕事」をしないといけない。

三つ目は、「提供者である自分たちが、本当にいいと思うもの、本当にいいお店だと思うものを作る」ということです。

これは本当に大切なことだと思う。結局、自分が心からいいと思う仕事じゃないと、すぐに相手にはバレてしまう。例えば、WEBサービスでいうなら、「自分自身が使い倒すようなもの」である必要があると思うし、服であれば自分が「日頃から進んで着用したくなるようなもの」を売る必要がある。自分が客の立場になった時に「そのサービスを積極的に利用したいと思えるようなもの」かどうか、をしっかりと考えていきたい。

これまでは足りないものがあった時代だった。だからその足りないものを埋めるように仕事をしていればよかったように思う。それは言い換えるなら「自分が心からいいと思う仕事である必要性があまりなかった」ということだと思う。一方、今の時代は足りないものがない時代だ。多様なお客様が存在し、多様なニーズがある。そんな中、ただなんとなく指示された仕事をこなすように行なっている人から、お金を支払ってまでサービスを受けようとするお客様はいないと思う。

そうならないために大切なことは、自分の仕事を心から愛すること、自分の仕事に誇りを持つことだと思う。人の心を動かす仕事が本物。だからそのためにはまず「自分の心を動かす仕事」をしないといけないのではないだろうか。

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この本は経営者の方だけでなく、サラリーマンや個人事業主の方、NPOやボランティアなど様々な組織で働いている人にとって、とても学びの多い良書だと思います。内容はnoteでも紹介していきますが、一部のみのピックアップとなりますので、内容に興味を持たれた方は是非ご購入いただき、自分だけのノートに仕上げていただければと思います。

また本には振り返りのためのセルフワークシートも含まれています。日々の振り返りを行いたい、自戒することを習慣化したいと考えている方にも、とても価値のある内容だと思います。

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この「経営者になるためのnote」は毎週日曜日に書いています。過去に書いたものは全てマガジンに纏めているので、宜しければそちらもご覧ください。


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