遊びって、大事じゃね?~AI時代の教育のあり方を考える~Part 11(全10回以上連載予定)
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忙しい向けの要約が目次の最後についているので、忙しい人はそこだけみてください!
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やあ、皆さん。
パート11、第五章「遊び上手は仕事上手」の後半です!
この連載の経緯が気になる方は、こちら、以下のリンクからどうぞ。
第五章「遊び上手は仕事上手」の前半は、
遊びが当然大切なのは、もう明白だとして、
仕事のどんなものも、遊ぼうとすれば遊ぶことができる。楽しくて創造的で夢中になれる要素があるはず。その喜びに浸かるべきだし、気がつかなければならないよね。という内容でした。
後半は、
とはいえ我々はなんで遊びを手放してしまうんだろ?から始まって、
どうやって取り戻していけばいいの?という話の展開になります。
では、いきます。
遊びを手放す
はい、この2つです。
仕事に本腰入れたり、結婚したり、昇進、親の介護、地域での活動、健康維持のための運動…
これらを取り組んでいくと、否応なしに個人的な遊びのお時間は減ってしまいますよね。
こう見ると、大人だから仕方ないように思えますよね。日本では、成功したミドルとかそうでないミドルでも、中年の危機なんて言葉がありますよね。
(これを、英語では、thrisisって概念があるよ、とこの本では教えてくれてます。)
でも、博士は「それどころじゃない、これは段々若年化しつつあって、子どもでも見られんのよね。」と語ります。
その心の危機とは、
あまりにも長い時間遊ばないで、期待されることを黙々とこなすということを続けてると、ある時(しずかに心の中で)自分の人生を振り返ってこう問いかけることになります。
「これがすべてなのか?残された人生に期待できるものって、これがすべてなのか?」
今後の人生でワクワクすることがなく、ただルーティンの繰り返しなのじゃないかという気持ちになってしまうのは私もよくわかります。
他者から見れば、遊ばずに努力した人が獲得する、
いい成績や、いい給与をもらうのは、羨望され尊敬されるでしょう。
でも、その人の、人生のコアにある何かにそれが全く寄与するものでなければ、なんともやり切れない虚無感を覚えます。これがその心の危機です。
(私も何度もこんな実存的な危機を経験しました。)
じゃあその心の危機、どう対処するんですか?
という問いが浮かぶでしょう。
熱心に読んでくださっている人ならわかると思います。
そう、遊びです。
博士が言うには、
この心の危機は、遊びに熟達している人には現れないそうです。
言葉にすると簡単なことなのですが、ほんとに難しいです。
中には、
「人生には、ちょっと肩の力を抜いて、少し遊んだらいいよ」
とアドバイスをくれる人、いませんか?
でも、たいていの場合は、言われた私たち自身が、聞く耳を持てないのではないでしょうか。
なぜなら、私たちは意識の中に、「遊びは時間の無駄」だとか、遊びは子どもがすることなんだから、大人の社会では子どもっぽい行動とみなされたりしますし。
それが行き過ぎた人の例を、博士が次に語ってくれます。
博士はよく色んなところで講演している話を書いてくれるのですが、
そこで時折こんな人がいるそうです。
それは、”遊びを躍起になって拒む、あるいは、あからさまな敵意をむきだしにする人”です。
とあるセミナーでのこと、いつも通り遊びについての話をして、
聴衆から、「素晴らしい!」とお褒めの言葉をいただいて、博士がコーヒーで一息入れようとしていた時に、けんか腰で来た男がいたらしい。
はい、しかも大柄だったそうで、博士も怖かったことでしょう。
しっかりと博士が受け答えをします。要は、子どものほうが遊ぶの上手だし、一緒に遊ぶとよくわかるんですよ。と言います。
すると男はこう言います。
はい。で、その個々人の精神的なダメージは時に怒りとなり、話者であるブラウン博士に向かうということです。
別に、話者には、あなたの人生を批判するつもりはサラサラない。
でも、講話やらセミナーやらを聞いたうえで(YouTubeもそう)
攻撃や批判をされたように感じてしまう方、たまにいますよね。
これはその人自身を守る、防衛機能のようなものなのでしょう。
(余談ですが、モンスターヘリコプターペアレント気質のある人は、この傾向が強い気がします。)
とまあ、遊びが足りない人には私はなりたくないなと思いましたね。
(急に所感)
私は、遊び推奨派なので、この男の人も、ぜひともゆっくりご自身を受容してほしいところですね…
で、最終的にはブラウン博士はこう言います。
さて、楽しめてないとして、問題は、
どうやってその感覚を取り戻せばいいのでしょうか。
遊び心を取り戻す
はい、「これだ!」という方法はありませんけども、
まあここから始めましょうか。というものがありまして、それがこちら。
そうなんです、前のパートたちでも触れましたが、遊びそのものも発達段階の初期どころか、世に生まれでる前から遊んでいる(胎動)くらいなので、
その原初的な機能を刺激するためにも、単に体を動かすことが、遊びを取り戻すためには大切だそうです。
”遊び”という心の状態の対極にある、鬱(うつ)の人に、ブラウン博士は定期的な運動をしてもらう実験をしたそうです。
(再掲:遊びの反対は鬱というブラウン博士のメッセージはこちら)
抗うつ薬にも反応せずに、自信も喪失してしまっている鬱(うつ)の人達が、見事に鬱(うつ)症状が軽減し、健康全般にいい影響を与えたそう。
(最大心拍数の80%を45分維持を週4回という結構ハードな運動ですが、効果的だったようです。確かに、僕もウーバーイーツの配達員を社会人の鬱(うつ)期間していたのですが、症状はかなり改善した気がします。)
そしてそこまでやらなくとも、
軽い散歩だけでも気持ちを高めることができるし、心が忘れていても、体が喜びを取り戻してくれるものだそうです。
また、自分が遊びへの抵抗がまだあったり、体を動かすのに抵抗がある人には、
ブラウン博士が「ペットや子どもと遊ぶといいよ(^^)/」と教えてくれます。
とのこと。
なんか動画のSNSでも、ペットのショート動画って結構ありますよね。
遊びを取り戻せない人は、その動画をヒントにしてみてもいいかもしれませんね。その動物がしていることが、遊びです。
「なんの意味もねえじゃんこんなの」
と、思ってしまうあなたは、心が頭に支配されてそうですね。
それで心地よいならそれでよしですが、心地よくない生活が続いているならば、その無意味に見える行動こそが、あなたの心を高めるための行動です、
遊びこそが、「インヴィゴレーツ・ザ・ソウル!!(Invigorates the Soul)」なのです。
しかしながらですね、これらはすべて対処療法なわけです。
健康診断直前に、禁酒したりダイエットするのと同じです。
本質的解決にはならないわけです。
そう、あなたの過去です。これが、博士がずーーっと取り組んできた、遊び歴(プレイヒストリー)を作ることと繋がってきます。
結局のところ、自分の中に答えがあるのです。自分が忘れたり抑圧したりして切り離してしまっただけで、あなたの中に、あなたの過去に、ヒントがあります。
遊び歴を完璧に作れば、遊びを取り戻せる確率はものすごい高くなります。気ままな楽しみや、時間が止まったような感覚、完全に没頭している感じ、何度でもやりたくなる感覚などを抱かせたもの、どんな風に感じたのか、思い出せる限りを思い出して、”もう一度感じて”心に留めることがとっても大切です。
(ちなみに、第8章「遊ぶ世界」にて、このあたりの過去の遊び歴のまとめ方がでてきます。8章で総集編のようにご紹介できると思います!)
そして、ここで取り戻せたものは、
今の自分にフィットする遊びの手段を新たに作りだすきっかけにもなるのはもちろん、その記憶があなたが溺れて死にそうなところを救う救命ボートのように、カラカラの心の砂漠を潤すオアシスの水のように、あなたの助けになります。
助けになるどころか、その記憶があなたを導く星になります。
その記憶を生活に少しずつ取り戻すことが大切なのです。
なにも、仕事を辞めなくても、家族を捨てなくても、
なにもかもをかなぐり捨てる必要はないのです。
きっと少しずつ、遊びを取り戻していけば、
いつか仕事と遊びが重なってきますから。
ブラウン博士も、最後にジェームス・ミッチェナーさんの自伝から言葉をお借りしてこう伝えてくれます。
はい、そうです。とりあえず遊んでみましょう。笑
(;´Д`)「いや~そんなこと言ったってさあ~」
的な方々がとても多いと思いますが、
10秒でもいいので、遊ぶということをぜひやってみてほしいです。
ほんと少しずつです。
でも、まじで遊ぶことが悪とされるような職場や環境で、非難されるような状況だったとしても、嫌な思いをして萎えるその10秒でもいいので、遊びを取り入れてみてほしいです。
だって遊びがない、その先に待っているは鬱(うつ)なのですから。
(見事なタイトル回収)
次は、今まで個人の視点から効用を描かれることの多かった遊びですが、
社会活動の中で、つまり他者と交わるためにも遊びが重要であるということに、次章では触れています。
追記:
このまとめをする中で、自分の遊び心を大切にした結果、絵本が生まれました。
もしよろしければ、サンプルだけでも読んでみてください!
絵本のタイトルは、「かみかみかみ」で、子どもと読める内容ですが、
裏設定があります。彼は本当は食べているのかを想像してみて欲しいです!
絵本はコチラ
次はこちら。
忙しい人向けの要約
今回の要約では、
「遊びが大事なのに、我々なんで遊びを手放してしまうんだろ?」から始まって、「どうやって取り戻していけばいいの?」という話の展開になります。
はい、この2つです。
主な阻害要因は、仕事に本腰入れたり、結婚したり、昇進、親の介護、地域での活動、健康維持のための運動などなど…
これらは大人にありがちなように見えますが、
博士は「それどころじゃない、これは段々若年化しつつあって、子どもでも見られる。」と語ります。
その心の危機とは、
あまりにも長い時間遊ばないで、期待されることを黙々とこなすということを続けてると、ある時(しずかに心の中で)自分の人生を振り返ってこう問いかけることになります。
「これがすべてなのか?残された人生に期待できるものって、これがすべてなのか?」
今後の人生でワクワクすることがなく、ただルーティンの繰り返しなのじゃないかという気持ちになってしまう、ある種、実存的な危機です。
じゃあその心の危機、どう対処すればいいのか。
もちろんそう、遊びです。
博士が言うには、
この心の危機は、遊びに熟達している人には現れないそうです。
言葉にすると簡単なことなのですが、ほんとに難しいです。
大事だとわかっていても、
たいていの場合は、言われた私たち自身が、聞く耳を持てないのではないでしょうか。
なぜなら、私たちは意識の中に、「遊びは時間の無駄」だとか、遊びは子どもがすることなんだから、大人の社会では子どもっぽい行動とみなされたりしますし。
でも、ブラウン博士はこう勇気づけてくれます。
さて、どうやって、その遊びの感覚を取り戻せばいいのでしょうか。
その代表的な手法がこちら。
遊びそのものも発達段階の初期どころか、世に生まれでる前から遊んでいる(胎動)くらいなので、その原初的な機能を刺激するためにも、単に体を動かすことが、遊びを取り戻すためには大切だそうです。
ブラウン博士は重い鬱(うつ)の人の症状を運動で改善できることを証明しています。
(最大心拍数の80%を45分維持を週4回という結構ハードな運動ですが、効果的だったようです。)
もちろん、軽い散歩だけでも気持ちを高めることができるし、心が忘れていても、体が喜びを取り戻してくれるものだそうです。
また、自分が遊びへの抵抗がまだあったり、体を動かすのに抵抗がある人にはペットや子どもと遊ぶといいと教えてくれます。
とのこと。
遊びを取り戻せない人は、これをヒントにしてみてもいいかもしれませんね。その動物がしていることが、遊びです。
これこそが、あなたの心を高めるための行動です。
しかしながら、これらはすべて対処療法なわけです。
本質的解決にはならないわけです。
では、どうするのか?
そう、あなたの過去です。
これが、博士がずっと取り組んできた、遊び歴(プレイヒストリー)を作ることと繋がってきます。
結局のところ、自分の中に答えがあるのです。
遊び歴を完璧に作れば、遊びを取り戻せる確率はものすごい高くなります。思い出せる限りを思い出して、”もう一度感じて”心に留めることがとっても大切です。
(ちなみに、第8章「遊ぶ世界」にて、このあたりの過去の遊び歴のまとめ方がでてきます。8章で総集編のようにご紹介できると思います!)
そして、ここで取り戻せたものは、あなたの助けになります。
助けになるどころか、その記憶があなたを導く星になります。
その記憶を生活に少しずつ取り戻すことが大切なのです。
なにも、仕事を辞めなくても、家族を捨てなくても、なにもかもをかなぐり捨てる必要はないのです。
少しずつ遊びを取り戻していけば、きっといつか仕事と遊びが重なってきます。
ということです。
このように、遊び歴を作ったりする自分の過去への旅のやり方の詳細は、8章に記述がありますので、気になる方は、第8章の要約更新までお待ちください。
さて、
ここまでは、個人の視点から効用を描かれることの多かった遊びですが、
社会活動の中で、つまり他者と交わるためにも遊びが重要であるということに、次章では触れています。
次はこちら。