映像研には手を出すな
リアリティのあるストーリー設定とアンリアルな表現のミスマッチが魅力的な作品だった。
3人の女子高生がアニメ制作を目的とする部活動、「映像研」を立ち上げるストーリーだ。
舞台は高校でありながら、話は社会のものづくりの現場にちかいものがある。モラトリウムを盾にした自己表現とブランディングはものづくりを生業とする者の理想的な学生生活のようで昔を思い出して胸が熱くなった。
表現として、現実、空想、アニメーション、の3つの描き分けがなされており、それらが徐々に溶け合っていく展開が面白かった。
ストーリーが具体化するほど表現が抽象的になる点は飛躍のための理論武装のようで、自分の好きなことを押し通すための気概を思い出した。
ストーリー全体が最後の絵を描くための武装なのかもしれない。