Yamauchi Yuto

時々、エッセイを書きます。 日常のどうしようもない気づきをつらつらと

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最近の記事

映像研には手を出すな

リアリティのあるストーリー設定とアンリアルな表現のミスマッチが魅力的な作品だった。 3人の女子高生がアニメ制作を目的とする部活動、「映像研」を立ち上げるストーリーだ。 舞台は高校でありながら、話は社会のものづくりの現場にちかいものがある。モラトリウムを盾にした自己表現とブランディングはものづくりを生業とする者の理想的な学生生活のようで昔を思い出して胸が熱くなった。 表現として、現実、空想、アニメーション、の3つの描き分けがなされており、それらが徐々に溶け合っていく展開が面

    • 未来とマスク

      僕は「未」という漢字が好きだ。 この漢字を見て人は何を思い浮かべるだろうか? 僕は未来という文字を思い浮かべる。 しかし、未来という言葉に希望を持っているからこの漢字が好きなわけではない。 そもそも、未来という字は未だ来ていないことを表しているだけで決して希望を表す言葉ではないだろう。 つまり、「未」という字は否定的な意味が大きい漢字だと思う。 しかし、未だという字はこれまで時点のことを否定するものであり、これから先のことを否定するものではない。単なる否定ではない含みを

      • 机をつくってみました。

        時間があったので机をつくってみました。 部材の加工はホームセンターで行って配送してもらいました。 条件 1.予算15000円 2.分解が容易に出来ること 3.机の下で足が組めること ○材料 杉角材 43×35×700 4本 (端部から30mm、300mmの位置にφ10mm穴)     28×38×700 2本     28×38×1400 2本 (両端部から100mmの位置にφ10mm穴、両端から200mmの位置に10×38の切り欠き)     18×2

        • ラジオを聴くこと、好きなものを書くこと

          僕はラジオを聴くことが好きだ。 自分の好きなものを肯定することは、 それまでの自分の足跡を肯定することになると思う。 中学時代からラジオを聴くことが好きだった。就寝前暗くした部屋の中で暗闇にぼんやりと見えるラジオを手に取り、懐中電灯の光を当てながら周波数の数字を746に合わせる時間が楽しみで仕方がなかった。ラジオの中の会話に相槌を打ったり、ひとりでツッコミを入れていることが当時の僕の遊びだった。学校では友達とも仲良くしていたし充実していた気がするけど、電波の向こうにある世

          頭痛と本能

          梅雨前線の影響か、ここ数日間頭痛に見舞われている。僕は低気圧の影響を過敏に受けるタイプらしい。これからイブクイック頭痛薬を持ち歩くのは気が重いが、西高東低の気圧配置を察知する特殊能力を手に入れたようでなんだか誇らしい気分だ。 さて、自然界には気象変化を察知して奇妙な行動を起こす動物が数多く存在する。地震時に座礁するクジラや、持ち前の帰巣本能を遺憾なく発揮する鳩のニュースを見たことがある人は多いのではないか。 人間も頭痛なんかじゃなくて、家に帰りたくなったり集団で座礁する習性

          国語辞典とバナナマン

          「新明解国語辞典は使わないようにしましょう」中学校の時の国語の授業で先生に言われたことを思い出した。先生から国語辞典の中には主観的な表現がなされており、授業で扱うには向かないものがあることを教えられた。当時の僕は、それに何の疑問も持たずに言われるがまま先生に勧められた明解国語辞典をひきながら授業を受けていた。そんな中学時代の何気ない授業の1コマを思い出す出来事があったのだ。 それは会社に入社してから1年間取り組んでいた再開発コンペの提出を終え、溜まった代休を取得し、いつものよ

          国語辞典とバナナマン