航空管制官になるには・・
先日、航空機の事故があったがその際に、航空管制官が云々というようなことが報道された。ところで航空管制官とはどのような職業なのでしょうか？
｜航空管制官とは
国家公務員として国土交通省航空局に所属する専門職です。
この仕事は、航空機が安全に離発着できるようにレーダーや無線電話などでパイロットなどに対して誘導指示や許可を与える仕事で、空の交通整理を行う専門職、スペシャリストなのです。
｜航空管制官になるには？
航空管制官になるには、国土交通省が実施する「航空管制官採用試験」に合格しなければなりません。結構難度の高い職業ともいえます。
この試験は、国家公務員の試験科目に加えて、英語のヒアリングや読解、英会話、空間把握力、記憶力などの試験も課されるのです。
また、視力や色覚、聴力などの身体的な適性についても検査され、問題があると不合格になります。https://www.jinji-shiken.go.jp/juken.html
試験に合格すると、航空保安大学校で8か月の基礎研修（OJT）を受け、その後、全国の空港や航空交通管制部などに配属され実地訓練が行われます。
実地訓練は、配属先で数ヶ月から数年にわたって行われ、これらを経て受験資格が与えられ、技能試験に合格すると航空管制官として任命されるのです。
｜航空管制官の処遇
航空管制官の給料は、国家公務員の俸給（給与）規定に従い、平均年収は584万円程度です。
また、空港管制官の職務は、大きな責任を伴う仕事なので、航空管制手当や夜間特殊業務手当などのさまざまな手当がつきます。
航空管制官とは、空の交通整理のスペシャリストとして「パイロットに安心を与える」ための国家公務員専門職のひとつなのです。
｜そのような人が航空管制官に向いているの？
航空管制官に求められる人物・適性としては
・適切な判断を下せる決断力と責任感があること
・チームワークを築くコミュニケーション能力があること .
・モチベーションを高くもつ向上心があること
・業務中、常に集中力を保てること
・航空管制官に必要不可欠な空間把握力があること
・業務で活用できる英語スキルがあること
などがあります。
また、航空機の管制業務は少しのミスも許されません。的確な判断力と、プレッシャーに負けない強じんな精神力、そして責任感がある人に適しているといえます。
最先端の通信機器などを操作する必要があることから、機械に強いことも条件ではないでしょうか。
いずれにしても、勤務中は緊張の連続であり、集中力、体力、細部にまで気を配れる細やかさなどが必要でしょう。
｜航空管制官採用試験は難しい？
令和5年に実施された航空管制官の試験を受けた人は418人の中で、見事合格した人は94人というのが航空管制官試験の結果でした。
合格率が4.44%というとても厳しい試験であるといえますね。
直近3年間で採用試験を見ても毎年合格率は平均約7%ほどであるそうです。
｜英語能力レベルは？
管制官はその職業柄、仕事で英会話は必須です。
したがって、採用試験では英語分野の配点が高くなっており、英語力が備わっていないと合格することは困難です。
明確ではありませんが、英語力はTOEIC700点以上、英検準1級以上のレベルが必要ともいわれています。
航空管制官の英語試験の出題傾向は、英語4技能である「聞く（リスニング）」「話す（スピーキング）」「読む（リーディング）」「書く（ライティング）」の4つのスキルについて総合的な問題が出題されます。
｜航空管制官になるに適した学校は
航空管制官を目指す場合には、4年制大学を卒業することが一般的です。
学部としては、航空宇宙工学や機械工学、外国語（英語）を学べる学部・学科に進むとよいでしょう。
航空管制業務に役立つ知識や技術を身につけることができます。
しかし試験合格のために有利な学部というのはないです。
｜航空管制官は転勤はありますか？
その仕事柄、転勤（人事異動）は数年ごとに全国規模で行われます。
基礎研修を修了すると研修生ひとりひとりが全国の管制機関への赴任を命じられます。
なお、国家公務員であることから、原則として赴任地は個人の希望で決まるものではありませんし、「出身地の空港でずっと働きたい」といった継続勤務の要望や希望もlなわないと思っていた方が良いかもしれません。
｜おわりに
いずれにしても、航空に関するペシャリストである航空管制官。航空機の安全と乗客等の生命身体等の安全の確保を担う極めて重要な職業なのです。
それ故に、花形的な職業ではあるが、採用試験の合格率などは極めて困難な状態にあります。
参考資料
https://www.mlit.go.jp/koku/atc/common/pdf/2015/H27ATCexamination_leaflet.pdf