アルコールはどのくらいで分解するの?
自転車の飲酒運転の罰則が強化されることになるが、アルコールが身体から抜けるのにどの程度の時間が必要必要なのでしょうか?
|自転車の飲酒運転に関する罰則の強化
自転車の飲酒運転の罰則が強化されますね。
酒酔い運転は従来から違反で処罰の対象でしたが、今回の罰則強化で酒酔いに至らないけど飲酒しているというような酒気帯び運転についても罰則が課せられます。
|アルコールが抜けたと感じれば大丈夫?
飲酒運転で検挙された人の多くは、「飲酒後数時間たったらからもう大丈夫」、「仮眠をとったから大丈夫」、「少ししか飲んでいないから」、「夕べの酒はもう抜けているだろう」と思ったなどと勝手に判断して、自動車を運転していたといいいます。
自転車も同じことです。
酒気帯び運転も罰則の対象となることから、飲酒してから時間が経ったからなど勝手に判断して自転車を乗りだすと・・アルコールが体内に残っていて酒気帯び運転違反となるおそれがあります。
|どの程度時間を要するのか
飲んだアルコールが肝臓で分解されますが、分解されて体外に排出されるまでには予想外に時間がかかるのです。
特定非営利活動法人ASKの資料を基にすると、アルコールの分解速度は、
アルコール1単位の分解にかかる時間は「約4時間」
だそうです。
アルコール「1単位」は、純アルコール換算で20グラム。
酒の種類ごとに換算すると下表のとおりです。
個人差もあるが、一般的にはこの「1単位」のアルコールの分解に4〜5時間を要します。
つまり500mlのロング缶のビール1缶のアルコールが肝臓で分解されるまでに4~5時間を要するということになります。
えっと思いますよね。
このことはASKや厚生労働省のHPでも説明されています。
|アルコールの分解時間には個人差がある
お酒に弱い人や高齢者の場合はさらに時間がかかるといいます。
また体調によっても分解速度はかわる可能性があります。
アルコールの分解には、飲酒した人の体質・体重・体格・年齢・性別などにより個人差があります。
➤ 日本人の約4割はお酒に弱い
日本人は、ヨーロッパ系やアフリカ系の人に比べてお酒に弱いと言われています。
➤ 年齢による違い
20歳未満の人は、アルコールを分解する酵素が十分働かないため、 心身にさまざまな悪影響をもたらすため、法律で飲酒が禁止されています。
また、高齢になるとアルコールの代謝能力が低下し、酔いやすくなります。
➤ 女性とお酒
女性は体格の違いや女性ホルモンによる影響により、男性に比べてアルコールの分解速度が遅く、体脂肪が多く水分量が少ないため、体内の血中アルコール濃度が高くなりやすい傾向があります。
|飲酒量と分解時間の計算
一般的に、3単位のアルコールを飲んだら、半日以上アルコールが体内から消えません。
つまり、1単位のアルコール分解に約4時間かかるとすれば、3単位の飲酒をした場合には
「3単位×4時間=12時間」
ということになり、飲酒終了後12時間前後は身体からアルコールが分解されないということです。
3合の日本酒の飲んだ場合には、3単位なので12時間は必要だということです。
また、仮にウイスキー3単位を飲んだなら、同様12時間、すなわち半日は酒が抜けない可能性があるのです。
1単位のアルコール量を複数飲んだ場合、例えば日本酒1合、ウィスキー1杯180ml、ビール500ml1本を飲んだ場合には各1単位なので合計3単位のアルコールを飲酒したことになります。
したがって、朝起きたときにも前夜のアルコールが残っているおそれが強く、この状態で運転すれば「飲酒運転」になってしまうということです。
よく聞くことですが、「ちょっと寝たから」、とか「一晩寝たから・・」といいますが、睡眠中はアルコールの分解がぐっと遅れるようです。
|エタノール・パッチテスト
エタノール・パッチテストは、自分の体質を理解し、適量を知るができます。
貼った部分が赤くなっていれば、「赤型体質」、変化がなければ「白型体質」と判定します。
赤型の人は、少量の飲酒で顔の赤くなる人で、悪酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する酵素の活性が低いか欠損しているため、アルコールに弱い体質です。
|おわりに
アルコールは自分たちが勝手に思っているほど早くは分解されないのです。
そして一般的には、お酒を飲めるタイプの男性は、飲み終わってからおよそ4時間、女性やお酒に弱い人、高齢者は、飲み終わってからおよそ5時間はアルコールの分解に時間を要するということです。
ということで、朝から車両を運転する人は特に気を付けてください。
前夜のアルコール分が残っている可能性があり、現実に酒気帯び運転違反で検挙されている人も結構いるようです。
参考
厚生労働省の「健康日本21」:
特定非営利活動法人ASK