他人と比較する子供にしてしまう、魔の言葉
こんにちは。
Made in Walesのモノを集めたセレクトショップ「Cymry(カムリ)」です。(現在、開店準備中)
今週はなかなか目まぐるしい日々を送っていました。先週末は、少し早めの夏休みということで、友人家族と高知旅へ出掛けていたのですが、旅行2日目にして息子(2歳)の様子がおかしくなり、高熱と咳が出始め、なんとか薬で納めながら3泊4日の旅を終えてきました。翌日小児科へ行くと「RSウィルスですね」との診断。
あ〜、ついにか〜!!
先月もクラスでコロナクラスターが起き、クラスメイト9割陽性からサバイブして陰性を貫いた我が息子。なので、旅行の前の週から保育園でRSが出始めたと聞いてはいたものの、物理的に他人と距離をとりがちなうちの子なら大丈夫!というなんの根拠もない自信を持っていたのですが。。全然、RSでした。
今はコロナ検査もRSウィルスも激増していて、小児科もかなり混んでいて、待ち時間も1時間ほど。その1時間をじっと座れるような2歳児ではないので、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、突然ハイハイしてみたり。親の心配もよそに縦横無尽に動き回る。
息子が待合室の床に座っていると(誰にも邪魔にならない場所だったので、少しだけ疲れ果てた母は放任しておりました)、隣のお父さんの膝の上に座っていた4歳くらいの女の子が、「あの子、床に座ってるよ」と言いました。するとそのお父さんは「◯◯ちゃんは、お椅子に座ろうね」と答えたので、私は心の中で「すみません。。」と思い、床で座る息子を自分の膝へいそいそと移動させました。
その後も、その女の子は「みんなお靴履いてる」(その子はサンダルを履いていました)とか、周りの様子をとても注意深く観察している感じだったので、どうしてこの子は、自分の状況と周りの状況を比べるんだろうなと不思議に思い考えていると、我が2歳児がハイハイするのを制止しながら、ギクリっとしました。
うちの息子は歩き出すのも、喋り出すのも遅い方で、ついつい成長の遅さに私はヤキモキしてしまっていました。高知旅行中も、一緒に行っていた友人家族の双子の娘ちゃんたちは息子と全く同じ日に生まれたのにも関わらず、語彙数もたくさんで、自分でズボンやおむつも脱いで履くことができる。靴だって立って自分で履いていたのをみて、私はその旅行中に幾度となく、
ほら見て!◯◯ちゃん、自分でお靴履いてるよ!すごいね〜!
ほら見て!◯◯ちゃん、ちゃんとありがとうって言えてるよ!すごいね〜!
と、息子に説き伏せ祈るかの如く、呪文のように言い続けていたんです。でもそんなことを親が言い続けていたら、
「お靴が履ける他人」と「お靴が履けない自分」
「ありがとうと言える他人」と「ありがとうと言えない自分」
と、無意識的に他人と比較する癖が刷り込まれていってしまうじゃないかと、なんだか恐ろしくなりました。今、SNSなどから他人の状況が否が応でも見えてしまい、隣の芝は青くキラキラギラギラ光り輝いて見える。そんな他人と比べてしまい自己肯定感が低くなっている人も少なくないと思います。実際私も比べてしまいます。でも、子供は親の話し方や考え方の影響を強く受ける存在。待合室で出会った女の子も日々親御さんに、ほら見て!○◯ちゃんは〜ができてるよ!と言われているか、親御さん自身が周囲との比較をしてしまう傾向にあるのかもしれません。
子供には、別に他人と違ったっていい。自分のペースで、自分の信じるものを見つけて生きていってほしいと思っている私が、知らず知らずのうちに他人と比較する癖を子供に付けてしまっている。ついついお友達がやっているところを見せれば、我が子もやる気になってくれるんじゃないかという期待の元、誰でもやってしまいがちなことなのですが、これが低い自己肯定感の人間を作り上げる魔の言葉なのかもしれない、とギョッとしたのです。
他の子が、椅子ではなく床に座っていることも受け入れられる人になってほしい。他の子が、靴を履いていたって自分がサンダルを履きたいと思うんだったら履いていることにワクワクしてほしい。もっとも簡単で、忘れがちなこと。
他人がどうかじゃなくて、自分がどうしたいか。を、あらためて思い出させてもらった、病院の待合室でした。