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本の感想 「方舟を燃やす」角田光代
作者が好きということで読んでみました。
小説慣れしていない自分にこの厚さの本、読み切れるか不安でしたが…。主人公を心配してしまう感情がわいてきて、読み切れました。
昭和に生まれた男女2人が主人公。それぞれの人生が幼少期から、日本の昭和、平成、今起きている事件・事故に絡めて描かれています。ひとつひとつの出来事や本人が起こした行動が、本人にとって良いほうに進むはずと思っていても、そうでもない方向に進むことや、進んだ時のダメージの大きさとか、長い目で見れば、そんな悪くなかったとか、よくも悪くもなかったとか。頼りにしているものが正しいと思い込んでいるが、それがどうなのか。
ほどほど幸せだけれど、自分が家族のためにいいと思ってやっていることが原因で家族が離れていく寂しさとか、この物語の家族は、ほぼ皆、杉並区に住んでいる設定ですが、ほぼ会わないのか…とか、身につまされる部分も。
主人公のクラスメイトがこっくりさんやってて気絶、のくだり。そのくらいの奇跡(?)が自分に起きないかなぁとか心密かに思ってた小学生の頃の自分を思い出しました。10円玉は動いけど…^_^;