ゼビウス移植列伝・PC版全10機種紹介
かつてゲームの最前線はゲームセンターでした。その象徴たるゼビウスをパソコンに移植出来るのか?この命題に多くの機種のプログラマーが挑みました。ゼビウスはPCにとってのベンチマーク、水準点だったのです。
一番手は伝説のPC6001版タイニーゼビウス。天才中学生が生み出した「小さなゼビウス」はゼビウスへの憧れを最も端的にあらわした一例だと思います。
その半年前の83年6月この難題に取り組んだのは天才森田和郎氏。「不可能を可能に」という彼の情熱がPC8801版ゼビウスのオマージュであるアルフォスを生み出しました。この作品は圧倒的支持を得ると共に「自分の機種でも可能かも」と挑戦するプログラマーが次々現れる起爆剤となったのでした。
84年パソコン版ゼビウスの決定版と言われたのがX1版です。ジョイスティック付という満を持しての登場となりました。
電波新聞社の広告には「そして神秘をX1にプログラムしました」のコピーが。ライバル誌のログインも大絶賛の内容でした。その後の電波ブランドを支える藤岡忠氏の超絶テクニックが光ります。
厳しい移植になったのはFM7版。これはハード上仕方がない部分が大きいのですが、当時僕は悪友FM7君の家でやりまくった挙句「これならパピコンのタイニーゼビウスの方が出来がイイ」と暴言を吐き大喧嘩となったのでした。
バカですねー、愛機の悪口はご法度です😅
やや遅れて85年には8ビット御三家筆頭PC8801・主力16ビット機PC9801・古豪PC8001mkIISRとNEC系マシンにゼビウスが出そろいます。特に旧式機となっていたPC80版の完成度は素晴らしく、電波新聞社も大きく広告を出していますね。別記事では芸夢狂人さんがPC88版への移植の苦労を語っています。実はPC88とPC98のゼビウスはエニックスが発売してるんですよ。
ゼビウスがもはや「懐かしのゲーム」となっていた86年に突如発売されたのがMZ2500版。
パレットボードに対応という力の入れようで「スーパーMZここにあり」を強烈にアピールしました。
87年のX68K版ゼビウスは「どうせ完全移植でしょ」とあまり関心を持たれませんでした。しかしツイッターなどでのユーザーさんの評価は芳しくありません。僕も動画を見てみたのですが、微妙にヒット音のSEが違うなどちょっと違和感がありました。マシンスペックだけが移植度に直結しない一つの好例だと思います。
そしてゼビウスが伝説としての地位を確立していた1988年末、ゼビウス・ファードラウト伝説としてMSX2に蘇ります。このバージョンには思い入れがあるのでまた改めて投稿しますね。
素晴しいまとめ動画がありました。
パソコン少年は自分の愛機にゼビウスが移植されるか一喜一憂していました。ゼビウスは多くのパソコン少年の夢と憧れを乗せた、特別なゲームだったのだと思います。