MSX総選挙・ゲーム編 TOP10を徹底レビュー
MSX40年の歴史の中で数多くのゲームが発売されました。MSX総選挙ではユーザーの魂の叫びと共に熱い投票が行われたのですが、今回そのTOP10を紹介したいと思います。
前回の機種編とは違い、僕はランクインした全作品を攻略済みですから今回は徹底的に行きますよ!
第1位 グラディウス2(コナミ)1987年8月
時は1987年夏、もはやPC8801とファミコンによる天下統一が目前に迫った時期。旧式化が著しいMSX1に最終兵器SCCを引っ提げて救世主の如く現れたグラディウス2。
「どうせ劣化沙羅曼蛇だろ」とうそぶく他機種&ファミコンユーザー連中がオープニングで沈黙した瞬間、僕はMSXとコナミに永遠の忠誠を誓ったのでした。
やはりトップはグラディウス2、この衝撃はMSXユーザーは皆体感されたのではないでしょうか。1987年はパソコン、ファミコン共に急激にゲームが進化していた時期です。「スペックに劣るMSXはついていけないのでは」という危機感を一気に払拭してくれたタイトルだったと思います。
常にユーザーの期待を上回るゲームを僕達に届けてくれた、コナミMSX開発陣を象徴する一本です。
第2位 魔城伝説II ガリウスの迷宮(コナミ)1987年4月
あの魔城伝説が返ってきた!と喜び勇んで購入するも、ド派手なシューティングを期待していた僕は地味な画面にガッカリ。しかしいつの間にやらその奥深き迷宮に魅せられていきました。弟がアフロディテ、僕がポポロン担当で攻略したのも懐かしい思い出です。
87年はハイドライド、メトロイドのヒットを受け、探索型のアクションRPGがトレンドになっていました。そのMSXにおける決定版がガリウスの迷宮だったと思います。通称メトロイドヴァニアのキモは迷宮の設計になるのですが、短い開発期間にも関わらず作り込まれた内容に唸らされました。
グラディウス2とは別の面でコナミの凄さを感じさせてくれたタイトルです。
第3位 メタルギア2・ソリッドスネーク(コナミ)1990年7月
MSXが黄昏の時を迎えていた頃、ソフト発売予定からコナミのタイトルが消え「MSXから撤退するのでは?」との噂が。スネークの「MSXといえば世界一のハード」というセリフで僕はそれを確信。あの夏の慟哭を僕は一生忘れない。
コナミのMSX最終作にして総決算とも言える作品。広告が異例の前年度から告知を行っていて、開発期間の長さと気合が伺えます。ゲーム中あらゆる場面からMSX開発陣の情念が伝わってきて、最後は殆ど半ベソでプレイしていました。
長年MSXユーザーの支えだったコナミからの惜別のメッセージ、それがメタルギア2だったのです。
第4位 ハイドライド3(T&Eソフト) 1987年12月
傑作ラッシュだった87年を締めくくった作品がハイドライド3。かつて大作RPGが移植されなかったMSXユーザーとしては、PC88版との同時発売に感激しました。先行して行われた新宿アルタにおける制作発表会で、朝倉大介氏によるオープニング演奏が始まった瞬間のどよめきが忘れられません。
アクションRPGという分野を開拓したハイドライドの最終章です。同年の6月に発売されたイースを皮切りに、パソコンRPGは完成された世界観と華麗な演出が主流となっていきました。しかしハイドライドシリーズはお仕着せの物語でなく、プレイヤーが書き加える「余白」のようなものが残されていたのです。そんな「不思議が当然フェアリーランド」の冒険に僕は引き込まれていったのでした。
第5位 提督の決断(光栄)1991年3月
にわかミリオタだった僕は「太平洋の嵐」の煩雑さに早々にギブアップ。提督の決断は初心者向きで助かりました。宇宙戦艦ヤマトの熱狂的なファンだったので宮川泰氏のBGMにもノリノリでした。ただ無能すぎる大日本帝国陸軍が暫く嫌いになりました😁
WWⅡを扱ったシュミレーションはどれも膨大な知識量が必須でした。その中で珍しく将軍ではなく「軍艦」に的を絞った光栄のセンスは流石だったと思います。太平洋の激戦地を航海する楽しみに加え、史実では起こりえない大艦隊の砲雷撃戦が存分に楽しめる傑作SLGです。
第5位 シャロム 魔城伝説III 完結編(コナミ)1987年12月
魔城伝説の完結編と銘打ちながら「全然関係ないじゃん、まあ面白いからいいか。」とプレイ。高難易度ということもあって攻略に1年ほどかかりました。しかし続編ということを完全に忘れていた頃、クライマックスで初代魔城伝説のテーマが颯爽と流れた時は涙が出そうになりました。あの雄々しき冒険の記憶がまざまざと蘇ったのです。
コナミMSXはリメイク作品や移植が多いのですが、シャロムは完全に1から設計されたフィールドマップ型のアドベンチャーゲームです。それにも拘らずこの完成度とシナリオにはコナミMSX開発陣の絶好調ぶりが伺えますね。要所で流れる切ないPSGの旋律に涙した人も多いと思います。それはさながら映画の名シーンで挿入されるピアノソナタの様でした。
第7位 SDスナッチャー(コナミ)1990年4月
スナッチャーは大傑作でしたが結末が尻切れトンボなのが残念でした。その完結編として期待されたのがSDスナッチャーだったのですが、それを感じさせない傑作RPGだったと思います。
戦闘システムが非常に個性的。攻撃箇所を選択できたり、武器にも特徴があって戦略性を求めるゲームシステムでした。エンディングのデフォルメされていないキャラクター達に感動したことも忘れられません。
第8位 夢大陸アドベンチャー(コナミ)1986年10月
同年7月に発売されたメガロム第一弾がグラディウス。その興奮冷めやらぬ中、MSX完全オリジナルの作品として登場しました。MSX1の貧弱なCG機能を上手く補ったシステムで、そのおもちゃ箱のような世界はまさに「夢大陸」に相応しいものでしたね。仲間内のファミコンユーザーにも羨ましがられた一品です。
思えばコナミのMSXは『けっきょく南極大冒険』から始まりました。常にMSXをリードしてきたコナミの1つの到達点が夢大陸アドベンチャーだったと思います。惜しむらくはもう一度ペン太君の大冒険が見たかったです。
第8位 グラディウス(コナミ) 1986年7月
口が裂けても言えませんでしたが「MSXはファミコンには敵わないんじゃないか」と内心諦めていた頃、颯爽と登場したのがMSX版グラディウス。美しいデモ画面、極長レーザー、骨ステージの追加は本当に嬉しかったです。
パソコンゲームは家庭用ゲーム機と違い「プログラムのお手本」という側面がありました。超絶テクニックでマシンの性能差を覆す希望をMSXユーザーに教えてくれた1本です。
第10位 スペースマンボウ(コナミ)1989年12月
使い古された「MSXの限界を超えた!」のキャッチコピーを具現化した傑作。画面を埋め尽くす敵キャラ、高速なスムーズ横スクロール、狂ったように乱射してくる巨大レーザーなど見所が満載です。
完結したMSX版グラディウスを超えるべく企画された、コナミMSX開発陣の執念とも言える作品。誰もが夢中になれる横スクロールSTGの真髄のようなタイトルです。
最後に…
結局8作品がコナミとなってしまいました。ただMSXゲームの歴史はコナミと常に連動していたので、これは仕方がないことだと思います。エントリーされたゲームはどれも開発陣の情熱と魂が込められた作品ばかりで、レビューにもつい熱が入ってしまいました。
11位以降のコナミ以外のタイトルも傑作揃いなので、あらためて投稿出来たらと思っています。