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寡作、だから作品は素晴らしい「銀河風帆走」

<SF(180歩目)>
いきなり巨大隕石が地球に直撃! 全人類は一瞬にして滅亡した!!
まさにいきなりハイテンションです。

銀河風帆走 (創元日本SF叢書)
宮西 建礼 (著)
東京創元社

「180歩目」は、宮西建礼さんの良作ぞろいの短篇集。出会えてよかったと感じました。

表題作「銀河風帆走」は東京創元社のSF短編賞受賞作。
高水準ですが、それ以外の作品もとてもいい。

「もしもぼくらが生まれていたら」
「されど星は流れる」
「冬にあらがう」

高校生の活躍がとてもいい。
何故か?読み始めて感じたのは、「ふわふわの泉 野尻抱介 早川書房」です。

かなり古い作品ですが、高校の化学部を起点にした作品で、この本を読んで娘が理数系に進学した。野尻さんの作品の中での「問題解決」のために「分析」「研究」をする高校生が刺激的だったようです。

その後、いろいろな若者におススメしたのですが、この3作品も、「刺さる」と、理数系に進学したくなる作品です。
ジャンルとしては、この三作品のテーマは過去にもいろいろな作品がある。
でも、中学生高校生の進路に大きく影響する良作に仕上がっている。
こんな作品が多くなると、日本のSF界のすそ野は間違いなく広がる。
とても楽しく、興味深い作品です。

個人的には、「冬にあらがう」はおじさんが読んでも、心を突きました。

「星海に没す」
恒星間宇宙船同士による戦いを見事な短篇に切り取られている。
こちらは、谷甲州さんを感じた、本格的な作品。
ディテールもとても細かく、読みだすと止まらない。
なんとなく「航空宇宙軍史シリーズ」を感じました。

これからも読んでいきます。

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