美しい火星の青春SF「流浪蒼穹」
<SF(203歩目)>
なかなか、ここまで透徹した愛(Love)を描ける人はいない。
SFメインの作品ですが、とても美しい愛です。郝景芳さんの作品は間違いなく没頭できる。
流浪蒼穹
郝 景芳 (著), 及川 茜 (翻訳), 大久保 洋子 (翻訳)
早川書房
「203歩目」は、郝景芳さんのこの作品は三冊分の分量あり。
恐る恐る取り組んだら、最後まで夢中で読み切ってしまった。
郝景芳さんの経歴からすると、理系でもあり経済分野も得意。
でも、文学にも造詣が深い。とてもじゃないが、この才能は驚きです。
それで、青春小説が書けるから、もはや万能の神の世界。
「折りたたみ北京」も、とてもよく考えられている作品。
提示された「世界」が鮮やかでした。
彼女の経歴もそうであるが、「選ばれた者」のプレッシャーを強く感じる。
郝景芳さんの作品では、「郝景芳短篇集 郝景芳 白水社」の中の「山奥の療養院」と同じ余韻がある。
また、「1984年に生まれて 郝景芳 中央公論新社」で感じた愛を描く手法も素晴らしい。
なんか、万能選手で、イーユン・リーさんの文学作品を読んだみたいに、文学としても楽しい。
火星植民地、そして独立、地球との対立って、SF作品ではよくある作品。
過去に、いくつも読んだと思う。
なのですが、彼女がこだわって取り組んだら違ってくる。
SF作品としても、文学作品としてもおすすめです。
もっと作品を発表してもらいたい作家です。
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