「介護」と「愛」の調和「プロトコル・オブ・ヒューマニティ」
<SF(2歩目)>
高齢化社会の中での大本命である、「介護」と「愛(love)」にかかわる作品です。決して「ジジ恋」の陳腐な作品ではありません。(笑)
プロトコル・オブ・ヒューマニティ
長谷 敏司 (著)
早川書房
「2歩目」は「介護」と「ダンス」にかかわる作品。
著者の長谷敏さんは、切ない「愛(love)」をうまく切り出す名手です。
「介護」って、現在進行形の身近な話題ですが、介護にかかわるまでは、若い世代には縁が遠い世界かと思います。
でも、現代の日本社会を把握するうえで避けては通れない問題が「高齢化社会」と「介護」の問題です。
安直な「SF」作品だと、「夢のような技術で、高齢者問題が解消された世界(笑)」、あるいは「全体主義国家による社会で介護不要となるディストピア世界(泣)」になりがち。
この作品では、「隣接する近未来」をテーマとしていて、荒唐無稽なプロットではなく、「介護」「老親」「老祖父母」を身近な問題として抱えている世代にとって特に身近なSF作品になっています。
また「介護」にかかわるプロットが、とても日本的です(日本の介護制度の特質・問題点に深く言及している)。故に、世界ヒットにはならないかもしれません。(介護は、人類共通の問題なようで問題点は国によってかなり変わります。故に、介護関係の産業問題も国によって異なるのが特徴です)
しかし、日本で「介護」にちょっとでもかかわる人、関心を持たれる人には感動を与えてくれる作品です。
またベンチャー企業的な読み物でもあります。新技術の実現化ってとても大変。
よく「ラスト1マイル」と言われるくらい、思い付き(アイディア)をビジネスとして実現化させるにはとてつもない産みの苦しみあります。
ここら辺も押さえた素晴らしい作品です。介護なんて関係ないという若い方に読んでもらいたい作品として紹介します。
読後は「愛(love)」が注入されていること請け合いです。
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