マガジンのカバー画像

ロシア・東欧的な本

68
私の主観なのですが、ロシア・東欧的な本を集めました。
運営しているクリエイター

#ロシア

大切な「家族」を考える「ポトゥダニ川」

<文学(19歩目)> アンドレイ・プラトーノフさんの短篇から、「家族」を考える。 ポトゥ…

16

戦争により、国境線が書き換えられるとは「西欧の東」

<文学(234歩目)> 東欧のブルガリアから、国境線が常に書き換えられる世界の意味を問う…

5

圧倒的な恐怖小説「紅の笑み・七人の死刑囚」

<文学(233歩目)> 二作品ともに、今までの読書履歴の中でも最大のインパクト。「恐怖」…

5

読み応えありな不条理物語「ペンギンの憂鬱」

<文学(218歩目)> イイ感じに風刺が効いた不条理劇。 ペンギンの憂鬱 アンドレイ・クル…

読書ノーツ
1か月前
8

カバーがとてもお洒落で、文章は暖かい「五月の雪」

<文学(207歩目)> 想定以上に素晴らしい作品の詰め合わせ。 酷寒であっても、あたたかい…

読書ノーツ
2か月前
15

いずれも異様な人間が登場する「出身国」

<文学(196歩目)> ちょっと他にない短篇集で、小説の底力を感じました。おそらくテクニ…

読書ノーツ
2か月前
13

独裁者が認知症を患ったら?「ウラジーミルPの老年時代」

<文学(175歩目)> とても笑える。そしてとても興味深い。でも、想像を広げていくとものすごいブラックな世界が見えてくる。「認知症」の不幸は本人だけに終わらない。 ウラジーミルPの老年時代 (世界浪曼派) マイケル・ホーニグ (著), 梅村 博昭 (翻訳) 共和国 「175歩目」は、イギリスのマイケル・ホーニグさんの作品。表題の通り、ロシアのP大統領が10年後くらいに、認知症を患ったら?にかかわるフィクションです。 徹底的な強権で「皇帝」と揶揄される人間でも、認知症を患

ソローキンさんによるロシアの近未来「テルリア」

<SF(156歩目)> ソローキンさんの今までの作品を読まれた方におススメなぶっとんだ作…

読書ノーツ
5か月前
34

ウクライナにおけるユダヤ人の問題を読む「ウクライナの小さな町: ガリツィア地方とあ…

<文学(136歩目)> ウクライナにおける、ユダヤ人の問題、ポーランドとの関係、歴史学者…

読書ノーツ
6か月前
28

しびれる怖さ「むずかしい年ごろ」

<文学(121歩目)> 「ロシアのホラーの女王」との異名はホンモノでした。後を引く「怖さ…

読書ノーツ
7か月前
47

「愛(love)」が大量「希望のかたわれ」

<文学(75歩目)> ちょっとマイナーなドイツのミステリー文学。ウクライナとヨーロッパの…

読書ノーツ
10か月前
11

現代社会の問題点が見えてくる「聖なる酔っぱらいの伝説」

<文学(67歩目)> わたしたちは「聖なる酔っぱらい」ではありません。(笑) 聖なる酔っ…

読書ノーツ
11か月前
7

故国喪失者の諦観「果てしなき逃亡」

<文学(66歩目)> 運命の中で、頑張ってみたけれど。自分の居場所を見失った時に。 果て…

読書ノーツ
11か月前
9

アウシュビッツからの帰還記「休戦」

<文学(65歩目)> アウシュビッツから奇跡的に生還できたレーヴィさんの帰還記から、生きることの素晴らしさを学ぶ。 休戦 プリーモ・レーヴィ (著), 竹山 博英 (翻訳) 岩波書店 「65歩目」は私が絹川さんのご指導をいただく前に読んだアウシュビッツ関係で最高の本です。 作者のプリーモ・レーヴィさんのこの本に出会い、若いサラリーマン時代を乗り越えていけたと感じています。 人間が起こすことの不条理と、それでも人間は素晴らしい生き物であること。 これがこの帰還記には描