犬君の超訳「源氏物語」 第25巻「蛍」
犬君アタマの超訳源氏!第25巻「蛍」UP!第54巻「夢浮橋」まで完走なるか…to be continued
第25巻「蛍」
原文抜粋「寄りたまひて 御几帳の帷子を一重うちかけたまふにあはせて さと光るもの紙燭をさし出でたるかとあきれたり
蛍を薄きかたに この夕つ方いと多く包みおきて 光をつつみ隠 したまへりけるを さりげなく とかくひきつくろふやうにて
にはかにかく掲焉(けちえん)に光れるに あさましくて
扇をさし隠したまへるかたはら目 いとをかしげなり」
犬君超訳「玉鬘が居る几帳の側に寄って来た源氏は、
夏の二重几帳の帷子を一枚あげて中が透けて見えるようにし、
さっと光るものを放った。
紙燭(しそく)を出したのかと思って玉鬘はとても驚いた。
実は、源氏が夕方採ったたくさんの蛍を薄い布に包んで、
さりげなく、玉鬘の身のまわりの世話をするフリをして、
突然、とてもはっきりと明るく光る蛍を放ったのだった。
玉鬘は驚いて扇で顔を隠したが、その横顔がとても美しかった」
*犬脚注:ホタル1匹の光度⇒ほぼ3ルクス(種類や個体によってマチマチ)
ローソク1本の光度⇒ほぼホタル20匹(全員同時に光った場合)
紙燭⇒松の細木の先端に火をつけた室内用照明
犬君「ホタル20匹……や、やめてくれ~‼」