たちまち
歩き慣れたこの路
見飽きてしまう僕の街と
忽ち吹いた心地よい風が吹くまま
ただ立ち竦んでいた
裏道抜けて見える
少し褪せた黄色のビニール看板
あそこの小さなスナックで
灰色茶色とサラリーマン
何処かで聴いたことある
歌を謳ってる
やつれた日々よ
取り戻せ
あの頃のように
鮮やかな色彩たちを
小さな窓から漏れる光で
映してみてほしい
黄色い帽子の子どもたち
寂しがりのぼくの口と
忽ち渡った坂の上の横断歩道で
こちらは俯いていた
橋を渡る前に視える
おおきくもない葦が伸びた河
茶色の板で仕切られた溜り場で
青色黄土色大きな鯉
どこでだって生命の
おおきさを歌ってる
やつれた頬よ
取り戻せ
あの頃のように
笑顔溢れ出すこの気持ちを
街の向こうの山から吹き込んだ風で
思い出してほしい