詩「夜の端っこ」
静まり返った夜に
数台のバイクの音が響き渡る
その音までも小刻みに震えている
人の気持ちは言葉にしないと分からないと呪文の様に繰り返す
夜の端っこに人々の感情が沸き
私の神経も刺激される
誰かの一部が そこに置き去りにされている
(不完全なモニュメント。)
今日は月が見えない夜だ
人の気配は全くしないのに 夜の公園に誰かのくしゃみの音が響き渡る
(私はカーテンを開け 目を凝らすが電灯に照らされたベンチに人間は座ってはいなかった。)
夜の端っこには何かが宿る
言葉には出来ない何かが
(無駄だと言われても この世にある意味の無い言葉にも何かしらの意味を持たせたいと願いながら私は眠りにつこうとする。)
人の数だけ思考があり 想いが潜む
こうして意図してもいないのに
夜の端っこに私の夢が追加されたのだった
(月は雲から顔を出したのか眠っていたから分からないままだった。)