詩「遠い昔のお話」
昔
ぎゅって手が痛くなる位
固く 固く 結んだね
離したのは
どっちだったっけ?
私は あなたの後ろを
ニ、三歩離れて
歩いていました
ずん ずん ずん
急に足が重たくなったのかなぁ
それとも
あなたの速度が追いつけない位
どんどんどんどん
速くなっていったのかなぁ?
おいで おいで
そう 笑って
あなたは振り向いてもくれなかった
ただ ひたすらに
自分の信じる道を
私とは違う道を
あなたは
そう
ひたすらに
私は
立ち止まる事を覚えました
ラクする事を覚えました
諦める事を覚えました
泣く事を覚えました
吐き出す事を覚えました
そして
誰かを強烈に頼っていた事を知りました
一人で何処かへ向かって行く事とは何かを
生まれて初めて知ったのでした
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