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CUTBOSS MAGAZINE 2019年5号(2月14日号)

何かで読んだことがあるのだが、長女と長女、長男と長男、長男と長女、というように、その独自の統計上だと、所謂「兄」「姉」の役割を経験して育った二人の相性は、あまり良くないそうだ。逆に、兄と妹、姉と弟、という関係だと、相性がとても良いらしい。

これは面白くて、自分自身の人間関係を紐解くと、驚くくらいこの通りになっている。私の女性遍歴だと、私は長兄だったので、妹を経験してきた女性との相性が確かに一番良かった。いい具合にワガママを受け入れられるし、いい具合に世話を焼けるのだ。長男・長女同士だと、役割が似ていて、二人きりになっても楽しさがなかった

今、後輩で面白い女子が居て、寿司が食べたいから寿司屋についてきてくれ、と突然私に言う。奢ってくれ、という意味ではなく、割り勘でいいのでとにかく二人で寿司を食べてほしい、と言うのだ。どうも彼女は、その寿司屋にはよく一人で通っていて、すっかり常連だった。で、「なんで一緒に来てほしかったの?」と尋ねたら、「上にぎりの盛り合わせが食べたいが、好き嫌いがあって、半分くらいが嫌いなネタだから、〇〇さん(←私のこと)に嫌いなネタを全て食べてほしい」という驚きの返答が。

私はその寿司屋で、爆笑してしまった。仕事上の付き合いだけで、二人で食事するなんて初めてで、私の部下という位置づけだから、こんな遠慮のないワガママを言ってくるとは思わなくて、涙が出るくらい笑ってしまった。私は彼女が嫌いなイカや穴子、ミル貝などを食べ、彼女は大トロや寒ブリ、サーモン、ウニ、鰻、イクラなどを食べる。彼女は本当に自分が食べられないネタしか私にくれない

なんか、この感じ、久々だった。この後に確認してみたら、彼女は「三女」だった。野生の勘で、私がそれを喜んでする人間だと、分かったのだろうか?また次も誘ってくれて構わない、と伝えてあるが、さて、次の機会は。

目次
・バイトの無断欠勤からのフェードアウトを許せる?
・いつだって女子は強い、女子を採用しないのは間違い
・外国人が日本で働くことの凄さ
・クイズで日本語を勉強させるのはインフェルノだった
・本意気の「豆まき」は楽し過ぎる
・え、おみくじって、元旦から一年間じゃないの?
・懐かしのディスクシステム「石道」はやっぱ最高!



バイトの無断欠勤からのフェードアウトを許せる?

私は許せる派だ。しかし、社内で許せる派だったのは私一人だけだった。私は勿論こんな失礼なことは過去に一度だってしたことはないが、大学生や専門学生のインターンを採用し始めてから、相当の数(10は軽く超える)の「無断欠勤からのフェードアウト」を経験してきた。

受け入れの準備にコストも掛かっているので、迷惑ではあるのだが、パートタイム契約の学生にそこまでの責任をそもそも負わせるつもりは毛頭ないし、何より彼らは若い。特にこの15年、IT業界で徹夜し休日出勤をリアルに何十連勤も経験してきた私からしてみれば、若い時間を無駄にすることが如何に罪か、誰よりも痛感している自負がある。100人中100人が、私の会社でのインターン経験を素晴しい糧にできるなんて思わないし、彼らがそう思えない、感じられなかったのなら、早々に辞めて別の経験を積むべきだ。若いうちは、義理や人情で時間を浪費すべきではない。若い脳はすぐに衰えを迎える。今、一番吸収能力が高いそのうちに、意味のある経験を無駄なくすべきだ。

ただ、この業界は狭いから、無断でフェードアウトしていった奴らと仕事で関係を持つことになったら、そのときは完全な敵になるがね。未来に発生する信頼と信用を想像できない学生が多いのも、それまでの教育の質の悪さなのだろう。



いつだって女子は強い、女子を採用しないのは間違い

ただ、無断で居なくなるインターンは、一人の例外もなく全て男子だった。営業先で、うちの会社がいつの間にか女性ばかりで、敢えて女性も積極的に採用していると話すと、誰にも信用されない。

女って、すぐに辞めるでしょ、だから会社にとって損失にしかならないでしょ

と言われる。他の業界ならそうなのかもしれないが、この15年の経験では、男の方が圧倒的にすぐに辞める。精神的に、男の方が圧倒的に本当に弱い。毎日21時まで勤務するのをたった二週間続けただけで辞めてしまったし、客の言いなりになってプロジェクトが大赤字になっていたので、全てを会社・上司の責任にしてロボットみたいに頑なにその仕事は断って来いと命じたらそれはできないと言って辞めたし、「自分には向いていない」とか「自分の居場所はここではない」とか、簡単に精神論で結論を出してしまうのは、いつも男だ。女子は毎日泣きながらも、自分にとって意味のあるレベルまでは居続けようとする、勉強しようとする。その根性は素直に天晴だ。

だから女子エンジニアが欲しいのは嘘偽りのない本音だし、この業界は男だらけで、「生理管理アプリ」開発がデザイナーも含めて全員が男手だったのが物凄く気持ち悪かった。そういう業界だ。女子の感性は、本当に必要で、女性向けアプリを男たちが開発している現状は、女子エンジニアたちによって打倒できるはずなのだ。



外国人が日本で働くことの凄さ

最早うちの会社は外国人しか採用できないような状況なのだが、逆の立場で考えると、彼らは凄い志と根性だと思う。私たちは日本が好きという大きな背景があるのかもしれないが、学校を卒業して早々に海外に飛び出してその見知らぬ地で働こうなんて、意識高い系のウェーイな奴らしか日本ではなかなか出来ないと思う。

でも、寂しくて、ふとした瞬間にボロボロと泣いてしまう、と私に密かに相談してきた外国人の女子エンジニアがいる。まだ日本語が覚束ないから、一人で日用品を買いにドラッグストアへ行くのも、病気になったときに病院へ行くのも、まだまだ怖いという。私は若い頃に誰も知り合いの居ない大阪へ気まぐれに単身飛び出してきたのだが、さすがに言葉は通じるので、そういった感覚に襲われることはなかったが、一時、同じようにホームシックになって、ボロボロと突然泣き出したことはあった。だからその寂しさは分かるつもりだったのだが、加えてさらに言葉が通じない恐怖は、私には計り知れない。

あまりに体調が悪いので、勇気を出して病院へ行き、「ストレス・チェック」を受けたら、尋常じゃないくらいのストレス値が出たと彼女に相談された。アプリ開発そのものも高度な知識が必要だから、その仕事が難しいこともあるし、日本語をなかなか覚えられなくて日常生活が難しいから、ストレスだらけなようだった。

私は前述したように、会社に義理を通すのは時間の無駄だと考えているから、早々に外国人の生活も手厚くサポートしてくれるような会社へ転職するとか、友だちが近所に住んでいる土地へ引っ越すとか、自分の精神的な枷になっているようなことに縛られることなく、ストレスがより少ない方向へ選択しても決して間違いじゃない、この会社に責任を感じているならそんな必要は全くないと説いたのだが、まだこの会社でやっていきたいし勉強もしていきたい気持ちがあるから、辞めたいとは思っていないし、今の土地の雰囲気も好きだから引っ越したいとも思っていない、と言われてしまった。まだ頑張りたいと。素直に、つえーな、と感心してしまった。

何故、私なんかに相談してきたのか、友だちに相談すればいいじゃないか、と尋ねてみたら、友だちたちはポジティブで社交性があって、日本で早々に新しい友だちを作っていて、「あんたも新しい友だちを日本で作ればいいじゃん?」と一蹴されてしまったそうだ。なんか、それこそイメージ通りの外国人っぽいな、と思ってしまったのだが、そりゃ、人それぞれだよなあ。「外国人」という一括りの先入観にしてしまいガチで、それはやっぱり駄目なことだ。以前「3号」に書いたが、外国人を受け入れる社会にまだまだ日本はなっていないから、泣いちゃうのも分かる。



クイズで日本語を勉強させるのはインフェルノだった

ずっと前から、日本人の採用は諦めていたし、外国人の彼らに少しずつでも日本語を覚えてもらおうと思って、日々、色々と考えている。今回は、日本語のクイズを考えてみたのだが、楽しかったが結果的には意味がなかった。

私が考えたクイズは以下だ。

天 はどちらのグループでしょう?
【A】
父 王 山 中 田 土 古 吉 出 大
【B】
母 姫 海 上 畑 砂 新 凶 入 小

もう一問。

遠 はどちらのグループでしょう?
【A】
魚 肉 生 雨 剣 河
【B】
菜 骨 焼 晴 針 泉

休みの日などにも、「漫画のこのセリフの意味を教えてほしい」とか、「この返事を送りたいが、日本語として成立しているか?」とか、ツイッターで彼らから頻繁に質問されるのだが、たまに、アメリカンジョークを和訳した文章が理解できないと言われることがあって、それは和訳したらアメリカンジョークにならないから仕方ないよ、と答えている。確かに、それは日本人でも混乱するよな……。

やはり外国人に人気なのは、クイズ「東大王」だ。

これは日本語の勉強にもなるし、日本の文化の勉強にもなる。さすがプロの制作だ。とても敵わない。クイズ制作は私には難易度:インフェルノだった。



本意気の「豆まき」は楽し過ぎる

「豆まき」なんて行事、幼稚園くらいの思い出しかないのだが、1日の金曜日に、会社で本意気でやった。3日が日曜日で、去年も土曜日だったから、社内ではスルーされそうだったのだが、実は外国人の彼らは一度も豆まきを経験したことがないということなので、「鬼役」を交代交代でやってもらった。

まず私が、ちょうど赤い服を着ていたから「赤鬼」役をお手本に(爆笑しやがった)。これ、意外に役作りが難しい!鬼を退治する側は、全力で豆を投げつけて、社内を豆だらけにしたのだが、鬼は何故、やってきたのか、その気持ちが理解できなかった。人間を襲いたい?何の為に?これは皆同じで、感情移入できなくて、鬼役の人たちは、ただ立ち尽くして、豆を浴び続けるだけだった。

鬼は何をしたの? 悪いことしたの? なんで豆を投げられるの? かわいそう! 優しい鬼かもしれないのに!

最終的にはこういう結論になった。考えたことなかったが、うむぅ、確かに。これは「泣いた赤鬼」に通ずるかもしれないし、人種差別でもあるんじゃないか。後々に知ったのだが、「鬼の色」には意味があるらしい。

これは知らなかった。振り返ると、赤鬼と黄鬼と黒鬼が居たが(服装的に)、網羅できていなかった。来年は、事前に準備して網羅するか。



え、おみくじって、元旦から一年間じゃないの?

今年のおみくじは「吉」なのに、「2号」で語ったが元旦に盛大に床上浸水した。この「吉」は「凶」だと思ったし、おみくじを二度と信用するかと思った。

この話を社内でしたら、「え、おみくじって、引いた瞬間から効力あるんでしょ?」と言われてしまった。皆から。

 ん???

てっきり、今年一年間の運勢なんだと思い込んでいた。仮にそういう定義があったとしても、元旦に床上浸水して、2日に「吉」を引いたのなら、2日からが「吉」なんだよ!と訂正してくれる皆が本当に素敵だったからこれからはそういうことにする。ポジティブでいいなあ世界は。



懐かしのディスクシステム「石道」はやっぱ最高!

盤上で遊べる状態にするまでに4時間の実装しかしなかったくらい、ルールが本当にシンプルなこの「石道」ライクなパズルゲーム『食いしん坊』。デザインを決めるのとプレスリリースなどを考える方が圧倒的に時間が掛かってしまったのだが、毎日自分でめちゃくちゃヘビーに遊んでいるので、本当にリリースして大満足。

早速、テレビ局から「ペイドパブリシティ」の案内が来たのだが、正直、乗り気ではない。広告宣伝費を使うような収益性のあるゲームじゃないしね。そりゃテレビで宣伝すれば爆発的にダウンロードされるだろうけど、今は細々と遊んでおく。

いやあしかし、コツを掴んでくると、20000超のスコアを連チャンで出せるようになるのだが、「4W」を3回までしか成立できないのが本当に悔しい。当面は4回成立させることだなー。

食費入力のみ家計簿アプリ「食費簿」、自慰管理アプリ「アイナーノ」、どちらも御陰様で好調です。より良いアプリ開発に役立てます。