【続いてる写経 1055日め】〜”お詣り”の健康効果を考えた
サイエンスライター鈴木佑さんによる『最高の体調』を耳読書。
ご本人の体験談も交え、各国での研究論文に基づく健康の技法が綴られています。
現代社会は豊かで便利になったのに、病気の人は増え、うつ病の人も増えているのはなぜか。
生活が豊かになっても、人体の性質はかつての狩猟採集生活をしていた時代のまま。600万年かけて進化してきた人体の遺伝子が、現代生活とミスマッチを起こしており、現代社会の数々の病気は、ここに端を発するというのです。
例えば肥満の原因。
狩猟生活時代は、獲物が採れない時もあるので、身体は非常時に備えて、生き延びるため、脂肪を蓄える性質を身につけた
↓
しかし、現代はいつでも必要以上にカロリーを摂取しがち
↓
もともと人体には脂肪を蓄える性質があるので、肥満となってしまう
こういった「なぜ病気が作られるのか?」根源的な原因を探る医療の考え方を「進化医学」というそうです。
同書では、文明病を引き起こす要素を、”炎症”と”不安”の2つに分類し、それぞれの対処法が出ています。
”炎症”は怖いのですよ。
皮膚表面だけでなく、内蔵など見えない部分も、異物が入ったときに排除するために体内で免疫システムが働き、”炎症”を起こしているのです。
風邪の諸症状や、アレルギー反応もその一種。
謎の体調不良は、この”炎症”が引き起こしているらしく、うつ病も慢性的な炎症が引き起こす物質(サイトカイン)により、脳機能がダメージを受けるために発症している仮説もあるそうです。
この”炎症”を鎮めるためには、腸内細菌を整えると効果があるようです。
現代的な生活は清潔になりすぎたため、腸内の細菌の多様性が減っていること。
また、腸内の細菌のエサとなる食物繊維の摂取量が減っているために、細菌が育たないのだそう。
よって、食物繊維と発酵食品(納豆、キムチ、ヨーグルトなど)を摂取するのがよろしいということです。
でも、今回強調したいのは、最後のほうで、”炎症”を下げるための、精神的な面でのアプローチ方法。
それは”畏敬の念”を持つこと。
何かに”スッゲー”って感動する機会が多い人の方が、体内の炎症レベルが低かったという実証があるそうなのです。
対象となるものは、自然・アート・人など、畏敬の念を持てるものならなんでもいいそうです。
ここでハッと気づきました。
なるほど、神社や仏閣の参拝に行くと、身体がスッキリするのはそのためかと。
特にお伊勢様は、ご参拝すると明らかに身体がすっと軽くなる…。
先日参拝時にお連れいただいた、伊勢のご案内人さんにもそう伝えると、
「私も毎回そう思います」 と同意のお言葉が返ってきました。
多くの神社やお寺は木々に囲まれております。
宗教的に偉大なるものの存在を感じ、周囲の自然に偉大さを感じ、その場を維持する人のエネルギーに触れることで、身体が洗われる感じになるのです。
何種類もの”畏敬の念”を一度に感じられる場所、それが神社やお寺だったのです。
とは言え、多くの神社や仏閣には、参道があり、参道には常にグルメの誘惑がたくさんある。
ここでカロリーオーバーになったら、元も子もないな…。
ご参拝効果を持続するためには、参道グルメはほどほどに。
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